実家のﾈｺﾁｬﾝ

見てください。可愛いでしょう。

可愛いでしょう？(圧)

名前はやっぴーと申します。恐らく4ヵ月。女の子だと思います。

…思いますというのは、先代のﾈｺﾁｬﾝが9年目にして「男の子ですね」と衝撃のカミングアウトを受けたから。睾丸が小さいか体の中にあったかなんか説明を受けたけれど、今まで無意識下で女の子だと思って接していたのに急に男の子だと言われて、ちょっと事態が飲み込めなかった。まあ健康にはなんら問題がなさそうだったので良かったけど。

先代のﾈｺﾁｬﾝ。名はくろこさんという。

で、やっぴーの話に戻りますが、6月半ばに家族で夜ご飯にと(回る)寿司食べに行ったんですよ。自分もまだそのときは実家暮らしでしたから、わーいわーいお寿司だーおいしいねーっつって、まあたらふく食べて、帰りにスーパー寄って明日のパンでも買おうぜ、何する？ あ、牛乳無いんじゃね？

……猫の声聞こえる？

ミャーミャーと弱々しくも、必死な声。

子猫の声。

でもここは店内だし、いくら夜だからってそんなハッキリと聞こえるものか？

え？ こっちから聞こえる？

いた！！！！

惣菜コーナーの調査用シートに捕まってやがる！！！

(ゴキブリホイホイみたいな粘着シートの大きめサイズ)

体の右半分が下になっててベッタリとくっついている。口周りは無事だったのが幸い。剥がそうと試みるも強力すぎて無理だと即効諦める。徐々に集まる買い物客。店員さんが前日くらいから見かけてて…と。多分お母さんとするっと入ったタイミングかなんかで捕まったんだろうと推測。

自分「動物病院行ける？」

弟「おけ」

店員さんに段ボールを貰い、それに入れて一旦車内に。

動物病院といったものの、夜間病院がどこにあるかなんて知らんので、調べると車で40分くらいのところにあることが判明。とりあえず予約の電話。既に22時を回っていた。

よし、行くぞ！ 夜はこれからだ！

道中、不安げに鳴く声。ひぇー、こっちも不安だよおぉぉ。

無事に病院に着き、受付を済ませ、猫を引き渡し、車内で待つ。(感染防止対策の為)他にも駐車場には何台か車が。

車内で待つ。

車内で待つ……。

長いな？

と思ったら呼ばれて院内へ。そこでもしばらく待ち、処置室に通されると、

小麦粉にまみれた子猫。

なるほど～、そうやって取るのね～と感心していたら

「こんなのがお家に何個もあるんですか？」

と先生の質問。きっと先生は純粋に不思議に思って訊いたんでしょう。でもそんな強力なネズミ捕り、

家に何個もあったらヤバない？？

即座に「いえ、スーパーで保護して…」と返す。先生も「あー、そうですかー」と興味無さげ。いや自分で訊いたんやん。

外すのにサラダ油が欲しいから買ってきてとお願いされ、近くのコンビニに買いに向かう。はじめてのおつかい。この時点で24時を回る。さよなら、昨日。

サラダ油を渡し、自分は待合室で、残りは車内。スマホを車内に忘れた為、暇潰しも出来ず、なかなかに冷房の効いた院内でひたすら待つ。

1時間…

2時間……。

すると受付の方から「もう少しかかるので車内で待たれても良いですよ。終わったらお呼びしますので」と言われ、有り難く車内で待つことに。ここで2時過ぎ。妹はこの日仕事があった為、一旦家に帰る(自分は3きょうだいの長子である)。

家に帰る途中、見たことの無い番号から着信が入った。え？ こんな夜中に？ と一瞬思ったけど、すぐに「動物病院かもしれない」と思い直し電話に出ると「しっぽの先を噛み切ってるみたいなんで処置してもいいですか？」

「しっぽの先を噛み切ってる」…？

え、もうそんなん「はい、お願いします」としか言えなくない？ノータイムのお願いしますよそりゃ。で、妹置いて、病院に戻る。その頃には患者さん(正確には飼い主さん)も車も少なくて、わりかし待たずに子猫を運んできた。

先生「このまま飼われるんですか？」

自分「あ、そのつもりでいます」

先生「それがいいと思います」

で、処置料払って(保護猫ということで半額でいいって言われた。すごい)、帰りに24時間営業してるスーパーで取り急ぎ必要なものを買って帰宅。3時過ぎてたかなぁ…。

帰ってすぐの猫ちゃん。体は洗ってもらっている。

いや、寿司食った帰りに猫飼うことになるとは思わなかったよ？

たまたま自分が寿司食いに行こうって言って、たまたま帰りにスーパー寄って、たまたま自分が無職で(関係ない)、たまたま弟が休職中で、たまたま猫を飼っていたことがあったから引き取れたけど(たまたまのゲシュタルト崩壊)、どれか一つでも欠けてたら多分やっぴーは家に居ないだろうなと思います。

その点でも先代のくろこさんには大変感謝しております。くろこさんも元野良だったしね。

長々と失礼しました。

やっぴー元気に長生きしようぜ。