ヴォルフガング・リームの音楽
今年7月末に驚きのニュースが飛び込んできました。ドイツの作曲家ヴォルフガング・リームが亡くなったニュースでした。72歳という若さでした。ご冥福をお祈りいたします。
リームは、長年に渡りドイツの作曲界で指導的役割を果たされた作曲家でした。後進の指導にも積極的で、ドイツの著名な作曲家で彼のもとで学んだ作曲家は多いです。私も一度だけダルムシュタット夏期講習会で彼のレッスンを受けました。声楽曲を見ていただきましたが、微分音の扱いなどに具体的なアドバイスをいただいたことを覚えています。私自身、リームの音楽をそれなりに勉強してきましたが、彼は本当に作品が多いので、知らない曲もたくさんあります。
自分が声楽曲で彼のレッスンを受けたためか、彼の声楽書法を特に気にして勉強してきました。私が以前ブレンターノの詩に歌曲を作曲したのも、今考えればリームの影響があったと思います。ピアノ伴奏の歌曲では、伴奏パートに歌のガイドが繊細に仕込まれており、初見視唱や初見視奏に良いと感じるものも多いので、私が教えている熊本大学のソルフェージュの授業の応用編でいくつかの歌曲を教材として用いています。
たくさんのインスピレーションをいただいた作曲家でした。ありがとうございました。
いくつかお気に入りの楽曲をご紹介いたします。
《青写真》(歌曲集〈手稿の終わり〉より)
《ヤクデン・ウント・フォルメン》より、冒頭部分
《隠れたかたち》
ソット・ヴォーチェ第2番《カプリッチョ》
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