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ケルン音楽大学での最終講義を終えて

noteでは初めて書くことですが、私は今秋、11年間お世話になったドイツを離れ、日本への完全帰国を予定しています。作曲を通して色々な活動をしてきた年月の間に、長い間連絡を取っていなかった古い友人知人が私の活動を知って突然連絡をくれたりすることもしばしばあって、日本で本当に久しぶりに会える人もいる予感があって楽しみです。それと同時に、長年暮らしたドイツを離れる寂しさは計り知れないものがあります。永住権まで取得したけれど、居住者でなくなれば失効するので、もったいないなという思いが湧いたり。普段見ている景色も心持ちメランコリックな色を帯びています。

2014年から私はケルン音楽舞踊大学(通称ケルン音楽大学)で非常勤講師として働き始めました。担当しているのは一科目のみで、「現代の管弦楽法」という授業でした。その後同じ州内のデトモルト音楽大学でも非常勤講師を始め、そちらでは作曲の専攻生向け個人レッスンや、作曲セミナー、古典管弦楽法等を受け持ちました。しかし、私の先生としての想い出はケルン音楽大学との年月に深さを感じます。本日、「現代の管弦楽法」は最後のオンライン講義を終了しました。2014年から取り上げてきた作品群から、いくつか記憶に残るエピソードを曲と併せて備忘録として短文で書いてみます。

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(ケルンの植物園)

2014/2015冬学期

冬学期は現代の楽器学の要素が強く、ソロを含む小編成作品についてじっくり個々の楽器の新しい用法について見ていく内容にしていました。最終的にピアノ曲を中編成程度の室内楽に編曲する課題を出していました。初回授業はいつも、いくつかある課題曲を聴き、どんな楽器でどんな表現が考えられるかブレインストーミングをする感じです。その後、楽器ごとに曲を毎週2曲ほど読んでいきます。最終的に曲数は結構な分量になるので、忘れてしまうことも多いかと思いますが、1年間の通し授業で設計すると、じっくり時間をかけて少しの曲を読むより、情報をジャブジャブ浴びせて個々の興味に引っかかる部分をそれぞれ深めていってほしいということと、忘れきれずに残る部分に期待するという考えでした。幅広く色々勉強したいのに、そういう講義は結構少ないというのが自分が勉強していた頃に感じていたジレンマでもありました。じっくりタイプの授業は他の先生の講義で結構カバーされていると認識していました(私はケルン音大で勉強しました)。分量が多くなるので、各学期2曲ずつ選んで書いていきます。

『時の本』(Stundenbuch)、ハンス・オッテ(Hans Otte)作曲

編曲用課題曲の一つです。オッテのピアノ曲の多くは音価を持ちません。音の長さの定まらない音符のみがポツポツと書かれています。アンサンブルに編曲するとき、どのように時間軸を整理するのか興味がありました。提出された課題には、拍子やテンポを与えたもの、フェルマータ等で間を示しながら縦の線で結んで楽器間の関係を示したもの、完全に奏者の自由解釈に任せたもの等があって、楽譜という表現形態の限界や便利さを同時に感じました。

『対話 III』(Discours III)、ヴィンコ・グロボカール(Vinko Globokar)作曲

オーボエについて勉強する回で読みました。冬学期は基礎楽器学の要素も含むので、オーボエという学期の基本的な説明もするのですが、その直後に聴いた曲がこれです。2014年冬に非常勤講師を始めた頃は、私の学生時代に一緒に勉強していた受講生がまだ結構いて、先生と生徒というより友人同士という感覚も強かったのです。そんな中、やる気を出しまくっていた私がこの曲を勉強するオーボエ曲2曲のうち1曲めに出してきたことに、当時の元同級生たちは笑ってしまっていました。「オーボエの基本的な仕組みを勉強して、その直後にいきなりラスボス感ヤバい」と言われました。通常の記譜法との差が大きいグロボカールの曲の読譜はとても難しいです。独りでいつか読み方を解読していくよりも、すでに読み方を学習した人から伝えてもらう方がハードルが低いのではないかと思って投入したのですが、さすがに新入生でいきなり受講した人たちはキョトンとしていたので反省しました。

2015夏学期

夏学期はオーケストラや大アンサンブルの曲を勉強します。ピアノ曲や室内楽曲をオーケストラに編曲してもらう課題を出していました。課題は、いくつか選んだ曲の中から難しい課題を私自身も編曲してみて、私の思考過程や作業過程を課題提示時に説明したりして、とっかかりを作っていました。

『鏡像』(Spiegelbilder)、イザベル・ムンドリー(Isabel Mundry)作曲

『鏡像』はクラリネットとアコーディオンのための二重奏曲で、二人の奏者が異なるテンポを演奏する作品です。一人の指揮者で演奏する管弦楽曲にするには、工夫が必要です。テンポを揃えて書き直す方法、管弦楽を分割して指揮者の振りをテンポとしなくても要所要所のキューで合わせられるようにして複合テンポを残しつつ書く方法、テンポをなくしてしまう方法等、様々な方法のメリットとデメリットを議論し、工夫に満ちた課題が提出されました。

『ヴァニティ』(Vanity)、リチャード・バレット(Richard Barrett)作曲

大変複雑に書き込まれ、濃密な室内楽を演奏するかのような技能をオーケストラの全奏者に強いる全3楽章からなる管弦楽曲です。曲中、いくらかリラックスした筆で濃密さが緩和されている箇所があります。しかし、この曲の響きの作り込み方から考えると、私の中でどうしても納得のいかない筆致になっていて、そこでは一体作曲家の心に何が起こったのか、受講生と一緒に楽譜をにらめっこしながら考え抜きました。

2015/2016冬学期

『エピクレシス』(Epiclesis)、ジェイムズ・マクミラン(James MacMillan)作曲

トランペットと管弦楽のための協奏曲です。マクミランの音楽は私の授業で取り上げているものの中では相当ソフトコアというか、新しい音楽表現への挑戦という意味ではやや物足りない気分もあるかもしれません。しかしその流暢な楽器法は、上手く鳴らない瞬間がなく、学ぶことは多いのです。また、作曲を勉強している学生の全員がハードな前衛音楽の道を探るわけではないので、幅広い音楽語法を聴いてみることから、自分の音楽性を見つめ直すことも大切な作業です。

『スピード』(Speed)、東俊介(Shunsuke Azuma)作曲

私がケルン音楽大学に入学した2009年、同じタイミングで入学したのが作曲家の東さんです。私がケルン音大で働き始めたころには彼はカールスルーエに住んでいました。『スピード』は、ヴァイオリンと二人の打楽器奏者のための曲で、向かい合って座した打楽器奏者がまるで鏡のように動き、活き活きとした個性的な響きが魅力的な佳曲です。マラカスを撥(バチ)として使用したり、見た目にも面白い工夫がたくさんあります。演奏家の舞台上の立ち居振る舞いが気になるといつも言っていた東さんが、変に演出することなく、楽曲の演奏の動きだけで奏者のユニークな立ち居振る舞いを制御した会心の一曲でした。

2016夏学期

『クロニーク』(Chroniques)、クレール=メラニー・シニュベール(Claire-Mélanie Sinnhuber)作曲

以前サントリーホール・サマーフェスティバルで初演された管弦楽曲です。初演時は日本にいたので聴きに行きました。普段ヨーロッパで活動している作曲家が日本で初めて発表した曲をヨーロッパで紹介するのは面白いです。シニュベールの音楽はドイツではほとんど紹介されておらず、受講生で彼女の作品を知っている人はいませんでした。キラキラ輝く上行音階の渦がまるでディズニー音楽みたいとの感想がありました。そこそこ賛同。

『燃料』(Treibstoff)、カローラ・バウクホルト(Carola Bauckholt)作曲

バウクホルトの作品からは楽音、ノイズ、演出の全てにおいて、考え抜かれた推敲を見聞きすることができます。初期の代表作『燃料』では、なんらかの機関が燃料を燃やしながら動いている様子が音を通してよく表現されています。コミカルな音の動き、ニュアンスたっぷりのノイズ、全てがバランスよく混ざり合って、冗長さを感じることなく全く新しい音楽に聴き入りました。

2016/2017冬学期

『…に…』(…zu…)、マルク・アンドレ(Mark Andre)作曲

弦楽三重奏のための作品です。最初期の少し後、初期のアンドレが力を注いでいた、演奏行為をパラメータに分けて記譜する方法の一つの成果です。普通、作曲家は新しい記譜法を試す場合には楽譜の読み方を丁寧に説明します。しかしアンドレのこの作品では明らかに説明不足なところがあって、本人から説明を受けなければ分からない謎が残る説明文です。アンドレと長年恊働を続けた演奏家から丁寧に教えてもらった読み方を受講生に伝えました。伝えたところで読譜は大変で、みんなで時間をかけて読み解きました。ヴァイオリン奏者が受講してくれていたおかげで、実演を試すことができたのが幸運でした。

『10の小品』(Zehn Stücke)、ジェルジ・リゲティ(György Ligeti)作曲

木管五重奏(フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット)のための短い10曲からなる小品集です。各曲分かりやすいコンセプトで、この編成で出来る様々な実験をしています。特に9曲目はピッコロ(フルーティストの持ち替え)、オーボエ、クラリネットが高音で混ざり合い、それぞれの個性を無くして誰が誰だか分からなくしている誤認知を誘う楽器法が面白く、高次倍音になればなるほど各楽器の強い個性が弱まることを曲で実証する独特なアプローチです。

2017夏学期

『墓碑銘 第3番』(Epitaffio n.3)、ルイジ・ノーノ(Luigi Nono)作曲

私が現代の新しい音楽の作曲を勉強し始めた10代の頃から聴いてきた曲ですが、初めて楽譜を見たとき驚きました。音だけ聴いていると合唱パートの和音がとても複雑で、ノーノらしいといえばらしいのですが、演奏は大変そうだなと思っていました。しかし、楽譜では合唱パートの音は漠然とした上下関係のみ示されていて、厳密なピッチは定められていませんでした。管弦楽部分はとても入念に設計されているので、自由に歌う合唱も、そのニュアンスは作品の枠組みの内で成立しています。演奏家を信頼しているとも言えるし、信頼していないとも言える絶妙な楽譜の在り方なのです。作曲家が最終的に出来ることは、演奏家を信頼することだけです。何を信頼し、何に責任を持つのか、深い美学的洞察を必要とする授業でした。

『テセウス・ゲーム』(Theseus Game)、ハリソン・バートウィスル(Harrison Birtwistle)作曲

作曲を続けていても、これほど贅沢な曲を書かせてもらえる機会は普通まずないのですが、世界の一線で活躍する作曲家たちがどのような挑戦を続けているかを示すためにも授業で取り上げました。何がそれほど特別かと言えば、この曲は2群のアンサンブルを二人の指揮者が指揮する曲なのです。古くはシュトックハウゼンの『グルッペン』や『カレ』から、最近ではツァンガリスの『バトシェバ/歴史を喰らえ』やメイソンの『アンサンブル』まで、複数の指揮者が複数のグループを指揮して、複雑なテンポの層を実現する曲はいくつもあります。バートウィスルの『テセウス・ゲーム』は大編成による複合テンポの作品中でも驚くべき洗練を見せる曲です。演奏家が十分に実現可能な心地よい限界を旅する作曲家というイメージです。

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(ケルンの大聖堂)

2017/2018冬学期

『β1-AR/mAChR M2』小野田健太(Kenta Onoda)作曲

小野田さんとは2017年の武生国際音楽祭で知り合いました。若くて才能に溢れていて輝いています。当時、時間構造への洞察や独自の美学という点では若さが目立つとも思いましたが、実際に若いので問題ないです。現在も成長を続けられていることと思います。自身の筆力の自信から来ると思われる細部の作り込みはとてもよく練られていて、ドイツで作曲を勉強している若者と日本で作曲を勉強している若者が出会ったらどんな化学反応が起こるかなと想像し、授業で作品を紹介しました。ヴァイオリンのことを勉強する回だったので、丁度良い曲だったこともあります。

『精霊の輪舞(弦楽四重奏曲第2番)』(Reigen seliger Geister)、ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)作曲

ラッヘンマンの傑作です。スコルダトゥーラ(特殊調弦)から来る楽器への負担や共鳴の衰弱、イントネーションの不確実性といったデメリットを軽やかに回避し、全ての条件が作品を成立させる好条件へと昇華されている現代作曲界の巨人の匠の技に受講生全員が感動しました。しかも、流暢な技術からくる洗練といった言葉で表現されるような、陳腐なプロフェッショナル性ではありません。一瞬一瞬が閃きに満ちた新鮮さを湛えているのです。自筆譜を印刷した古い版と綺麗に浄書された新しい版を見比べながら、じっくり議論しました。

2018夏学期

『オルヘストリオン=ストラート(街頭の手回しオルガン弾き)』(Orchestrion-Straat)、マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel)作曲

カーゲル大好きっ子の私はほとんど毎学期カーゲルの曲を1曲は講義に入れてきたように思います。そのくらいのバイアスはご容赦ください。『オルヘストリオン=ストラート』は、カーゲルの全作品の中でも5本の指に入るほど好きな曲です。管弦楽法の内容としてはトゥッティ(全合奏)の割合がとても多いのですが、不思議なほどに楽器間の音の相互補完機能を活かして書かれており、とても良いコントラストが聴かれます。これほど楽しい音楽を自由に書くことが出来たなら、と憧れる作品でもあります。

『ジョンシェース』(Jonchaies)、ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis)作曲

開始早々、グリッサンドでどんどん音域を埋めていき、音響作曲かと思いきや、唐突に始まるミリタリー的な刻みの音楽がとてつもなく格好良い曲です。クセナキスの曲の中では結構リラックスした筆に見えます。刻むビートに載る複合旋律線を、「沖縄民謡みたい」と日本人受講生が発言しました。なるほど確かに、と思ってしまいました。

2018/2019冬学期

『セクエンツァVIII』(Sequenza VIII)、ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio)作曲

ベリオの独奏楽器のためのシリーズ『セクエンツァ』は、楽器法の授業でいくつか取り上げました。ヴァイオリンのためのこの作品は、通常のヴァイオリン独奏曲のイメージから大分離れた地点に独特の世界を作り上げていると思います。ベリオのすごいところは、新しい奏法や特殊なセッティングを使わずに異世界の音楽を成立させるところだと思います。

『告別』(Adieu)、カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)作曲

楽譜に完璧さを求めてはいませんし、求めようとも思っていないのですが、もし完璧な楽譜というのがあるとすればシュトックハウゼンの楽譜を一番に思い出します。どんな特殊な時間軸を持った音楽も、どんな特殊な演出を持った音楽も、シュトックハウゼンの曲は楽譜通りに演奏すればその音楽が実現します。楽譜通りに出来る能力が演奏家に備わっているかどうかは別の問題ですが。私がケルンで最初に師事した作曲家ヨハネス・シェルホルンは、「記譜に関して分からないことがあったらシュトックハウゼンとベリオの楽譜を見なさい」と言っていました。彼らの楽譜に不明瞭という言葉は似合いません。

2019夏学期

『ヴァイオリン協奏曲 第1番』(Violin Concerto No.1)、アンデシュ・ヒルボルィ(Anders Hillborg)作曲

ヒルボルィの活き活きとした音楽は一聴すると気さくに聴衆に寄り添っているように聞こえますが、比類なき個性的な時間構造を作るための工夫がたくさん潜んでいます。普通のクラシックの楽譜のように書いているのに、その実はクラシックでは難しすぎてまず書かれないような技巧をちりばめてあるので、演奏には相当の修練を必要とします。現代のプロ演奏家の技術的到達度は驚くべきものがあります。その技術を惜しみなく愉しんで聴く音楽に贅沢に技を使っていく爽快な音楽です。

『俳句』(Haiku)、ゲオルク・フリードリヒ・ハース(Georg Friedrich Haas)作曲

歌とアンサンブルのための作品です。ハースはあらゆる楽器や声を自分の響きのフィールドに染めることが得意です。倍音の響きを知り尽くした作曲家の洗練は筆舌に尽くし難いものがあります。とても複雑で練られた未知の響きがするのに、楽譜を見てみると演奏しやすいような工夫もたくさん見られます。「こんな簡単な方法でこんな複雑な響きが得られるのか」という、アハ体験を何度も経験した作曲家は私だけではないはず。受講生たちにはどのように映ったでしょうか。

2019/2020冬学期

『ブラーウ』(Blaauw)、レベッカ・ソーンダース(Rebecca Saunders)作曲

珍しいダブル・ベル・トランペットのための独奏曲です。レバー操作一つで繋がっているベルを切り替えられるので、弱音器(ミュート)の付け外しがノータイムでできるので便利です。普通トランペットの勉強をするのにダブル・ベル楽器の曲を勉強しても意味がありませんが、ケルンでは違います。ケルン音大は地元の現代音楽演奏家集団、アンサンブル・ムジークファブリークとのコラボレーションを頻繁に行います。学生もムジークファブリークのメンバーに曲を書く機会がたまにはあるのです。近年ムジークファブリークでは全ての金管楽器がダブル・ベル仕様になりました。楽器の進化は音楽の進化も促します。慎重な視点も必要ですが、一歩前に進む勇気も意味があります。

『マグニチュード9.0』(Magnitudo 9.0)、ミロスラフ・ズルンカ(Miroslav Srnka)作曲

昨年新たにケルン音大作曲科教授に就任したミロスラフ・ズルンカの作品を、受講生たちのほとんどが聴いたことがないと言っていたので取り上げました。堅実な書法で、ファンタジーに溢れた作品を書く素晴らしい作曲家です。ミロスラフとお昼を一緒に食べる機会がありました。まだ日本に来たことがないとおっしゃっていたので、いつか実現すると良いと思いました。日本で何か企画できたらとも思っています。

2020夏学期

コロナ禍の中、私の最後の学期はオンライン授業となりました。とても熱心な受講生ばかりで、会いたい想いを強くしました。先週ちょっとケルンに行く用事があった際、ようやく会うことができました。専門性の高い少人数授業ならではのメリットだったと思います。

『ゴウガロン』(Gougalon)、ウンスク・チン(Unsuk Chin)作曲

大人気の作曲家ウンスク・チンのアンサンブル作品です。実は私はチンの作品にそれほど共感しないことが多いのです。単純に音の趣味が違うというか。しかし、この『ゴウガロン』一曲があるために、チンは私の中でいつも特別な作曲家です。本当にストリートフェスティバルの見世物を見ているかのような夢の世界。音楽を聴く根源的な喜びに溢れた音選びと、大胆で遊び心に満ちた楽器法の作るファンタスマゴリアです。これほどに充実した音楽を一生に一曲でも上梓できれば、良い人生だった思って去ることができるような気すらします。

『氷から氷へ』(Da Gelo a Gelo)、サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino)作曲

シャリーノの『氷から氷へ』は音楽劇ですので、抜粋を勉強しました。演出や舞台装置に関して、シャリーノ自身が厳密に指示を書いています。『ルーチ・ミエ・トラディトリーチ』や『マクベス』、『ペルセオとアンドロメダ』といったオペラを成功させてきたシャリーノの舞台指示は、とてもミニマルなもので、効果的で映えるものがどのようなものか、深く理解しているように感じます。舞台に見える全てのものが象徴的に登場人物の心理を演出するように仕組まれています。主人公である和泉式部の恋の行方に聴衆が息を潜める様子が想像できます。秘密めいたシャリーノの音楽と平安時代の日本の景色は柔らかく溶け合っています。

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(ケルンの植物園内の泉)

本当にたくさんの曲を生徒とともに勉強してきました。この講座を6年間続けさせていただいたことが、私自身の作曲家としての成長と無関係でないことは明白です。これから日本に帰国する準備を始め、お世話になった方々に挨拶して、新たな人生のページをめくります。


おまけ「現代の管弦楽法」講義使用作品リスト

記事を発表したところ、資料性が高い記事だというご意見をいただきました。授業の内容を忘れないための覚書ようなつもりで書きましたが、アーカイブとしての側面も確かにあると思ったので、6年間の授業で使用した作品のリストを作成しました。本文中に挙げたものは除きました。編曲課題用のピアノ曲や小編成作品、古典作品も収録しています。抜けているものもあると思います。タイトルの日本語訳も結構適当です。より適した邦題をご存知のかた、コメントにてご一報いただければ幸いです。長いリストですので、お暇な方のみご覧ください。

■『アサイラ』(Asyla) : トーマス・アデス(Thomas Adés) [orch]

■『コンセクエンツァ』(Consequenza) : カルロス・ロクェ・アルシナ(Carlos Roque Alsina) [tbn]

■『…よりも… I』(…als… I) : マルク・アンドレ(Mark Andre) [b.cl, vc, pno]

■『…中に…』(…in…) : マルク・アンドレ(Mark Andre) [b.cl]

■『iv 2 (イー・ファウ2)』: マルク・アンドレ(Mark Andre) [vc]

■『iv 3 (イー・ファウ3)』: マルク・アンドレ(Mark Andre) [cl]

■『iv 4 (イー・ファウ4)』: マルク・アンドレ(Mark Andre) [b.fl, ob, b.cl, tba]

■『iv 13a (イー・ファウ13a)』: マルク・アンドレ(Mark Andre) [pno]

■『ni (ニ)』: マルク・アンドレ(Mark Andre) [ens]

■『ダミー IV』(Simulacre IV) : ジョルジュ・アペルギス(Georges Aperghis) [b.cl]

■『平均率クラヴィーア曲集 第2巻』から(Wohltemperierte Klavier, Buch 2) : ヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach) [pno]

■『スウィングトライプとトリルリブキン』(Swinging Tripes and Trillibubkins) : ジェラルド・バリー(Gerald Barry) [pno]

■『44の二重奏曲集』から(44 Duos) : ベラ・バルトーク(Béla Bartók) [2 vns]

■『ハンガリーの農民の歌による15の即興曲』から(15 Improvisations über ungarischen Bauernlieder) : ベラ・バルトーク(Béla Bartók) [pno]

■『ヴァイオリン・ソナタ第1番』(Sonata No.1 for violin and piano) : ベラ・バルトーク(Béla Bartók) [vn, pno]

■『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ』(Sonata for violin solo) : ベラ・バルトーク(Béla Bartók) [vn]

■『弦楽四重奏曲 第4番』(String Quartet No.4) : ベラ・バルトーク(Béla Bartók) [sq]

■『チェロ三重奏曲』(Cellotrio) : カローラ・バウクホルト(Carola Bauckholt) [3 vcs]

■『』(Kugel) : カローラ・バウクホルト(Carola Bauckholt) [3 vcs]

■『イット』(It) : フランク・ベドロシアン(Franck Bedrossian) [ens]

■『ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調』(Sonate Nr.27 e-moll, op.90) : ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven) [pno]

■『アンターラ』(Antara) : ジョージ・ベンジャミン(George Benjamin) [2 fls, 2 kbds, ens]

■『ブリン』(Brin) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [pno]

■『シュマン IV』(Chemins IV) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [ob, str]

■『一葉』(Leaf) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [pno]

■『小組曲』(Petite Suite) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [pno]

■『セクエンツァ V』(Sequenza V) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [tbn]

■『セクエンツァ IX』(Sequenza IX) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [cl]

■『セクエンツァ X』(Sequenza X) : ルチアノ・ベリオ(Luciano Berio) [tp, (pno)]

■『壊れやすい対話』(Dialogues fragiles) : アンスガー・ベステ(Ansgar Beste) [sq]

■『葬列』(Cortege) : ハリソン・バートウィスル(Harrison Birtwistle) [ens]

■『』(Crowd) : ハリソン・バートウィスル(Harrison Birtwistle) [hp]

■『チェルギ』(Chergui) : ヨハネス・ボリス・ボロフスキ(Johannes Boris Borowski) [ens]

■『構造 第1巻』(Structures I) : ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez) [2 pnos]

■『オーヴィッドによる6つの変容』(6 Metamorphosen after Ovid, op.49) : ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten) [ob]

■『アモーレ』(Amores) : ジョン・ケージ(John Cage) [pno, perc]

■『ソナタとインターリュード』(Sonatas and Interludes) : ジョン・ケージ(John Cage) [pno]

■『パルティータ』(Partita, from Symphonia: Sum Fluxae Pretium Spei) : エリオット・カーター(Elliott Carter) [orch]

■『9』: エマヌエレ・カザレ(Emanuele Casale) [ens, elec]

■『断章、夢に見た』(Bruchstück, geträumt) : フリードリヒ・ツェルハ(Friedrich Cerha) [ens]

■『ズーム・チューブ』(Zoom Tube) : イアン・クラーク(Ian Clarke) [fl]

■『オスティナート・ピアニシモ』(Ostinato Pianissimo) : ヘンリー・カウエル(Henry Cowell) [perc ens]

■『デュオ・リート』(Duo Leat) : ハヤ・チェルノヴィン(Chaya Czernowin) [2 b.cls]

■『白と黒で』(En blanc et noir) : クロード・ドビュッシー(Claude Debussy) [2 pnos]

■『遊戯』(Jeux) : クロード・ドビュッシー(Claude Debussy) [orch]

■『チェロ・ソナタ』(Sonata for violoncello and piano) : エディソン・デニソフ(Edison Denissow) [vc, pno]

■『夢の曲 III』から(Traumwerk III) : ジェイムズ・ディロン(James Dillon) [vn, pno]

■『マーチ』(Marches) : フランコ・ドナトーニ(Franco Donatoni) [hp]

■『沈黙の端数 第3集』(Fractions du silence, 3e livre) : ベルトラン・デュベドー(Bertrand Dubedout) [vn, cl, t.sax, pno]

■『練習曲 第2番』(Étude no.2) : パスカル・デュサパン(Pascal Dusapin) [pno]

■『詩篇151』(Psalm 151) : ペーテル・エトヴェシュ(Peter Eötvös) [perc]

■『コロラトゥーラ』(Coloratura) : ブライアン・ファニホウ(Brian Ferneyhough) [ob, pno]

■『ドゥム・トランシセット』(Dum Transisset) : ブライアン・ファニホウ(Brian Ferneyhough) [sq]

■『G. S. のための三連祭壇画』(Trittico per G. S.) : ブライアン・ファニホウ(Brian Ferneyhough) [cb]

■『ユニティ・カプセル』(Unity Capsule) : ブライアン・ファニホウ(Brian Ferneyhough) [fl]

■『全ての愛の動き』(Ogni gesto d'amore) : フランチェスコ・フィリデイ(Francesco Filidei) [va da gba, orch]

■『嬉遊曲』(Divertissement) : ジャン・フランセ(Jean Françaix) [ob, cl, bn]

■『ソーマ』(Soma) : アシュレイ・フュア(Ashley Fure) [ens]

■『地平線』(Linea dell'orizzonte) : ベアート・フラー(Beat Furrer) [ens]

■『アンティテラ』(Antiterra) : ステファノ・ジェルヴァソーニ(Stefano Gervasoni) [ens]

■『リースト・ビー II』(Least Bee II) : ステファノ・ジェルヴァソーニ(Stefano Gervasoni) [voc, ens]

■『スヴィエテ・ティヒ』(Sviete Tihi) : ステファノ・ジェルヴァソーニ(Stefano Gervasoni) [2 pnos, 2 percs]

■『対話 II』(Discours II) : ヴィンコ・グロボカール(Vinko Globokar) [5 tbn]

■『パーシェル』(Partiels) : ジェラール・グリゼイ(Gerárd Grisey) [ens]

■『練習曲集』(Etüden) : ソフィア・グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina) [cb]

■『ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための協奏曲』(Concerto for Violin and Percussion Orchestra) : ルー・ハリソン(Lou Harrison) [vn, perc ens]

■『メロディーを探して』(Ricercare una melodia) : ジョナサン・ハーヴェイ(Jonathan Harvey) [tp, elec]

■『ディアリウム』(Diarium) : ダフィト=フィリップ・へフティ(David Philip Hefti) [vn]

■『響きの破片』(Klangscherben) : ダフィト=フィリップ・へフティ(David Philip Hefti) [vc]

■『メレンコリア』(Melencolia) : ダフィト=フィリップ・へフティ(David Philip Hefti) [fl, perc, pno]

■『シンダレッド=ブレンドウィド』(Cynddaredd - Brenddwyd) : ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) [hn]

■『無言歌 第2巻』(Lieder ohne Worte, Heft II) : ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) [vn, pno]

■『プレリュード、アリオーソとパッサカリア』(Präludium, Arioso und Passacaglia) : ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) [hp]

■『五重奏曲』(Quintett) : ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) [ob, cl, hn, bn, pno]

■『ヨハネ書1章32節によるセクエンツァ』(Sequenzen über Johannes 1, 32) : ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) [hp]

■『幻想曲風に』(Quasi una Fantasia) : アドリアナ・ヘルツキ(Adriana Hölszky) [ob]

■『ショパンの想い出』(Souvenir de Chopin) : アルトゥール・オネゲル(Arghur Honegger) [pno]

■『ヴァーティカル・タイム・スタディ III』(Vertical Time Study III) : 細川俊夫(Toshio Hosokawa) [vn, pno]

■『痛みと哀しみから』(Aus Schmerz und Trauer) : ニコラウス・A・フーバー(Nicolaus A. Huber) [a.sax]

■『記憶と』(Mit Erinnerung) : ニコラウス・A・フーバー(Nicolaus A. Huber) [bn]

■『行ったり来たり』(Vor und zurück) : ニコラウス・・フーバー(Nicolaus A. Huber) [ob]

■『短い作品』(Opus breve) : クラウス・K・ヒュプラー(Klaus K. Hübler) [vc]

■『すれちがう二人』(A Case of Miscommunication) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [vn, pno]

■『虹に映る』(Am farbigen Abglanz) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [orch]

■『分割支配』(Divide et impera) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [ens]

■『グラン・パルティータ』(Gran Partita) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [fl, vn, va]

■『ヘミオラの一族』(Hemiola Clan) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [sax, tba, perc, pno, elec]

■『カノン』(Kanon) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [hp, pno, vc]

■『まごつき笛、拡声』(Mumbling Flute, Reinforced) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [fl, cl, vn, vc]

■『息の合う二人』(Mutual Understanding) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [b.sax, tba]

■『ヴィア・アウス・グラス』(Wir aus Glas) : 稲森安太己(Yasutaki Inamori) [opera]

■『空の輝き』(Éclats de ciel) : ピエール・ジョドロフスキ(Pierre Jodlowski) [cl, elec]

■『トランペット協奏曲 第2番』(2. Concerto pour trompette) : アンドレ・ジョリヴェ(André Jolivet) [tp, wind ens]

■『3つのエチュード』(3 Études) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [orch]

■『ファンファンファーレン』(Fanfanfaren) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [4 tps]

■『幻想小曲』(Phantasiestück) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [fl, pno, ens]

■『影の響き』(Schattenklänge) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [b.cl]

■『セレナーデ』(Serenade) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [fl, gtr, perc]

■『人間の声?』(Vox humana?) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [speaker, f.cho, orch]

■『二幕』(Zwei Akte) : マウリシオ・カーゲル(Mauricio Kagel) [sax, hp]

■『ヨナと鯨』(Jonah and the Whale) : ガース・ノックス(Girth Knox) [va, tba]

■『風変わりなメロディー』(Eccentric Melody) : オリヴァー・ナッセン(Oliver Knussen) [vc]

■『トーリーパインズ・ビーチ8756番地』(Torrey Pines Beach 8756) : スヴェン・インゴ・コッホ(Sven Ingo Koch) [perc ens]

■『ガランタ舞曲』(Tänze aus Galanta) : ゾルタン・コダーイ(Zoltán Kodály) [orch]

■『メシアンへのオマージュ』(Hommage à Messiaen) : ゲオルク・クレル(Georg Kröll) [pno]

■『細胞』(Cells) : ハンスペーター・キーブルツ(Hanspeter Kyburz) [sax, ens]

■『エア』(Air) : ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann) [perc, orch]

■『子どもの遊び』から(Ein Kinderspiel) : ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann) [pno]

■『プレッション』(Pression) : ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann) [vc]

■『コードウェルの祝砲』(Salut für Caudwell) : ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann) [2 gtrs]

■『temA』: ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann) [fl, voc, vc]

■『弦楽四重奏曲 第1番』(1. Streichquartett) : ウルリッヒ・ライイェンデッカー(Ulrich Leyendecker) [sq]

■『時計と雲』(Clocks and Clouds) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [f.cho, orch]

■『フルートとオーボエのための二重協奏曲』(Doppelkonzert für Flöte, Oboe und Orchester) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [fl, ob, orch]

■『練習曲集 第2巻』から(Études, 2e livre) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [pno]

■『ハンブルク協奏曲』(Hamburgisches Konzert) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [hn, orch]

■『ヴァイオリン協奏曲』(Violin Concerto) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [vn, orch]

■『マカブルの謎』(Mysteries of the Macabre) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [sop, orch]

■『無伴奏ヴィオラ・ソナタ』(Sonata for viola) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [va]

■『ヴァイオリン、ホルンとピアノのための三重奏曲』(Trio für Violine, Horn und Klavier) : ジェルジ・リゲティ(György Ligeti) [vn, hn, pno]

■『第3ラウンド』(Troisième Round) : ブルーノ・マントヴァーニ(Bruno Mantovani) [sax, ens]

■『人形の家の物語』(Doll's House Story) : イシュトヴァン・マルタ(Istvan Márta) [perc ens]

■『コントラ=ディシオン』(Contra-Dicción) : エレーナ・メンドーサ(Elena Mendoza) [2 vas]

■『アーメンの幻影』(Visions de l'Amen) : オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen) [2 pnos]

■『4D』: 望月京(Misato Mochizuki) [ens]

■『明るい部屋』(La chambre claire) : 望月京(Misato Mochizuki) [ens]

■『フィリップ』(Philipp) : ヘルムート・オェーリンク(Helmut Oehring) [tbn]

■『ロケ』(Roque) : フランソワ・パリ(François Paris) [vc]

■『イン・ノミネ』(In Nomine) : マティアス・ピンチャー(Matthias Pintscher) [va]

■『歌と雪の絵』(Lieder und Schneebilder) : マティアス・ピンチャー(Matthias Pintscher) [sop, pno]

■『ヴァイオリン・ソナタ』(Sonate pour violon et piano) : フランシス・プーランク(Francis Poulenc) [vn, pno]

■『ピアノ協奏曲 第2番』(Piano Concerto No.2, op.16) : セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev) [pno, orch]

■『つかの間の幻影』から(Visions Fugitives, op.22) : セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev) [pno]

■『練習曲 音の絵 ニ短調』(Étude-tableaux d-moll, op.39/8) : セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov) [pno]

■『ピアノ協奏曲 ト長調』(Concerto en sol majeur pour piano et orchestre) : モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel) [pno, orch]

■『口絵』(Frontispice) : モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel) [pno 5 hands]

■『序奏とアレグロ』(Introduction et Allegro) : モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel) [hp, ens]

■『床の上の血、1986年の絵画』(Blood on the floor, painting 1986) : ファウスト・ロミテリ(Fausto Romitelli) [ens]

■『3つのジャコメッティの頭像』(Trois Têtes de Giacometti) : ミシェル・ロト(Michel Roth) [perc]

■『パレルゴン』(Parergon) : ペーター・ルジツカ(Peter Ruzicka) [pno]

■『喜びと罪の風景』(Paisajes del placer y de la culpa) : ホセ・マリア・サンチェス=ヴェルドゥ(José María Sánchez-Verdú) [orch]

■『影響を受けやすいところ』(endroits susceptibles) : ヨアキム・サンドグレン(Joakim Sandgren) [ens]

■『青と灰色』(Blue and Gray) : レベッカ・ソーンダース(Rebecca Saunders) [2 cbs]

■『怒り』(Fury) : レベッカ・ソーンダース(Rebecca Saunders) [cb]

■『12の響きの風景』から(12 Klanglandschaften) : シュテファン・シュライエルマッハー(Schleiermacher, Steffen) [pno]

■『ああ、それは…』(Ach, es…) : アネッテ・シュリュンツ(Annette Schlünz) [tba]

■『ハイドンの蒸留物』(Haydn-Destillate) : ディーター・シュネーベル(Dieter Schnebel) [vn, vc, pno]

■『ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチへのオマージュ』(Hommage à Igor Strawinsky, Sergej Prokofjew und Dmitri Schostakowitsch) : アルフレート・シュニトケ(Alfred Schnittke) [pno 6 hands]

■『手の曲』(Hand-Stücke) : ヨハネス・シェルホルン(Johannes Schöllhorn) [perc]

■『5つのジャズ・エチュード』から(5 Études de jazz) : エルヴィン・シュルホフ(Erwin Schulhoff) [pno]

■『子どものためのアルバム』から(Album für die Jugend, op.68) : ロベルト・シューマン(Robert Schumann) [pno]

■『オーケストラのための音楽』(Music for Orchestra) : ジェイ・シュヴァルツ(Jay Schwartz) [str]

■『呪文はどのように作られるか?』(Come vengono prodotti gli incantesimi?) : サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino) [fl]

■『ファノファニア』(Fanofanía) : サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino) [ens]

■『ローエングリン』(Lohengrin) : サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino) [voice, cho, ens]

■『ルーチ・ミエ・トラディトリーチ』から(Luci mie traditrici) : サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino) [opera]

■『6つの小四重奏曲』(Sei Quartetti brevi) : サルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino) [sq]

■『分かれた断片、乱雑な瞬間』(Fragments distincts, fouillis d'instants) : ジャン=マルク・サンジエ(Jean-Marc Singier) [pno]

■『中に』(Amid) : シモン・ステーン=アナセン(Simon Steen-Andersen) [ens]

■『再レンダリング』(Rerendered) : シモン・ステーン=アナセン(Simon Steen-Andersen) [pno, assistant]

■『グルッペン』(Gruppen) : カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen) [orch]

■『八重奏曲』(Octet for wind instruments) : イゴール・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky) [wind ens]

■『糸仕事』(Fadenwerk) : マノス・ツァンガリス(Manos Tsangaris) [tba, pno]

■『共生』(Symbiosis) : エルッキ=スヴェン・トゥール(Erkki-Sven Tüür) [vn, cb]

■『ハイパープリズム』(Hyperprism) : エドガー・ヴァレーズ(Edgar Varèse) [winds, percs]

■『アポクリファ』(Apocrypha) : ジャック・ヴィーズ(Jack Vees) [ob, elec]

■『小さな毛布で眠る彼女』(She who sleeps with a small blanket) : ケヴィン・ヴォランズ(Kevin Volans) [perc]

■『パッサカリア』(Passacaglia, op.1) : アントン・ウェーベルン(Anton Webern) [orch]

■『変奏曲』(Variationen für Orchester, op.30) : アントン・ウェーベルン(Anton Webern) [orch]

■『5つの断章』(5 Bruchstücke) : イェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann) [cl, pno]

■『練習曲 第3番』(Étude III) : イェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann) [vn]

■『ヘクサコルドによる組曲』(Suite im Hexachord) : シュテファン・ヴォルペ(Stephan Wolpe) [ob, cl]

■『ゴレ島へ』(á l'île de Gorée) : ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) [hpscd, orch]

■『ドマーテン』(Dmaathen) : ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) [ob, perc]

■『エンベリー』(Embellie) : ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) [va]

■『メタスタシス』(Metastaseis) : ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) [orch]

■『フレグラ』(Phlegra) : ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) [ens]

■『木管五重奏曲』(Bläserquintett) : イサン・ユン(Isang Yun) [fl, ob, cl, hn, bn]

■『滑り』(Glissées) : イサン・ユン(Isang Yun) [vc]

■『リヴォルト』(rivolto) : ヘルムート・ツァプフ(Helmut Zapf) [E.hn, va, cb]

■『連祷』(Litanei) : ハンス・ツェンダー(Hans Zender) [3 vcs]

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