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Fundsは成長企業を応援する金融機関でありたい

これは「Funds Advent Calendar 2022」23日目の記事です。
(投稿遅くなってごめんなさい‥)

Fundsで取締役CFO/事業開発部長を担当している笹嶋です。

簡単な自己紹介

2000年に新卒で銀行に入行。法人営業と外為企画を経て、2003年に系列の銀行系証券会社に異動し、ストラクチャード・ファイナンス業務を担当。その後、2006年に外資系証券の投資銀行部門に転職。M&Aや買収防衛のアドバイザリー業務を経て、2008年からはキャピタルマーケットで株や債券による企業の資金調達業務に携わってきました。

ファンズに出会ったのは2019年。代表の藤田とたまたま恵比寿の街角で出会い、色々話をしているうちに藤田の人柄とFundsの可能性に引き込まれ、気づいたら入社していました。

小学生2児の父。趣味は読書、キャンプ、子供と遊ぶこと。好きなものはメキシコ料理とチョコレート。苦手なものはキノコ。金融・ファイナンス、人工知能、脳科学、生物学。アートを見るのも大好きです。


さて、今回、何を書こうかと相当悩んだのですが、日本の金融市場の中で、Fundsがどんな役割を担っいるのかということを、つらつらと書いてみました。

日銀が金融緩和政策を転換しました

先日、2022年12月20日の金融政策決定会合で、日銀は長期金利の変動幅を大幅に拡大(=金利上昇容認)する発表をし、今までの異次元金融緩和策を転換したとして話題になっています。

異次元緩和策の効果、今回の政策転換の是非など、様々な意見が飛び交っていますが、その前に、何故日銀は異次元の金融緩和策を実施したのか?そして、何故、上手く行かなかったのかを振り返ってみたいと思います。

元々の日銀のシナリオは、以下の通りでした

お金を大量に供給・金利を引き下げる

企業の設備投資活動の活発化

総需要の拡大・日本経済の回復

でも、金融緩和を20年間続けても、総需要の拡大には余りつながりませんでした。

日銀の想定通りには経済活動にお金が回らなかったのです。せっかく大量に供給したお金が目詰まりを起こして経済活動に回らなかったのです。

これは、怪我をした人の血圧が低下しているので、大量の輸血をしたのに、必要な臓器に血液が十分回らなかったようなものです。

金融仲介機能(お金を経済に流す機能)は、人体における血液みたいなものなので、目詰まりを起こして滞ると健康を害してしまいます。

なんで金融仲介機能が目詰まりを起こしてるの?

本来の金融仲介機能は下図のような状態であるべきです。銀行が預金を背景に企業に融資を行い、企業はその資金を使って事業を拡大し、雇用を拡大し、世の中に新しいサービス・商品を提供することが出来るようになります。

適切にお金が循環することで経済全体が向上していきます。

しかし、今の状況は以下の様なイメージです。金融緩和で供給された大量のお金が企業融資に回るべきところ、行き場を失いダブついてしまっています。

何故こういうことが起きてしまったのでしょう?

人口動態、労働力の流動性の低さ、硬直的な産業構造等、様々な要因が複合的に絡み合っていると思いますが、既存の間接金融を中心とした金融システムの限界もその一要素だと思っています。

本来、銀行もビジネスなのでお金を貸せるのであればお金を貸したいはずなのですが、貸せる企業を見極め、リスクに応じた料率を設定することがとても難しいんです。

銀行は規制上の理由、費用対効果、万一のことがあれば企業を支えなければいけないという社会的な責任論もあり、回収の確実性を重視せざるを得ない状況となっており、結果「担保がなければ貸せない」ということになりがちなのです。

いろんな成長企業に資金を供給する枠組み

一方で、日本の将来を牽引することを期待される新興企業や成長企業は、新規性が高く業歴も短いため、事業性の見極めも難しく、担保資産も殆どないため、従来型の銀行融資の枠組みではお金を調達しにくい状況です。このような領域をサポートする金融の枠組みが、探せば全くないわけではありません。

ハイイールド債市場(海外市場)

米国では低格付けの債券が発行できるハイイールド債市場が発展していて、新興企業や再生企業のファイナス、LBOやプロジェクトへのファイナンスなどに活発に活用されています。

金融庁「第17回金融審議会 市場制度ワーキング・グループ資料」(2022年4月25日)

ただ、上記の表にあるように、日本ではリスクを取れる投資家が限定的で、ハイイールド債市場は実質的に存在していません。直接市場(社債市場)にアクセスできるのはBBB格以上で大口の資金需要のある大企業に限られてしまっています。

長期信用銀行制度(1950-1990年代)

過去には、日本でも戦後の経済復興のために重点産業・成長産業に長期のリスクマネーを供給する金融機関=長期信用銀行が設けられた時期がありました。

日本興業銀行(現みずほ銀行)、日本長期信用銀行(現新生銀行)、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の3行が長期信用銀行法の下での特殊な銀行として、当時の成長産業である重化学工業・製造業・輸出企業に対して巨額の長期的な事業資金を供給していました。

ここら辺に興味のある方は、こちらを読んでみると面白いです。

ただ、これらの金融機関の役割は、高度成長期の終了とともに、徐々に役目を終えていきました。

新しい金融サービスの登場

最近では、ベンチャーデットファンドや、レベニューベースドファイナンスのプレーヤーなども出てきており、時代の要請に応えた新しい金融サービスが勃興する機運を感じます。

この新しい金融サービスの一つとしてFundsがあると考えています。

Fundsは成長企業を応援する金融機関でありたい

Fundsは、かつての長期信用銀行が成長産業へのリスクマネーを供給して高度経済成長を導いたような、そして米国のハイイールド債市場が米国産業発展にダイナミズムを与えてきたような役割を果たせると考えています。

下記の図は日本の家計の資産構成です。ほぼゼロ金利の現金・預金に1,100兆円もの資金が積みあがっています。

日本銀行「資金循環統計(2021年末)」よりFunds作成

この1,100兆円の一部でも企業の成長投資に振り向けることが出来たら、凄いことが起きそうですよね。

Fundsを通じて運用することで、そのお金が企業の成長投資に使われ、雇用を生み出し、新しいサービスが提供され、経済が回ることにつながれば、それは素晴らしいことだと思っています。

Fundsでは企業の事業性の審査力の向上に努めることで、融資可能な領域を広げるとともに、ファンドの組成形態を工夫したり、投資家層を工夫する等、様々なアプローチで対応できるように進めて従来のFundsの枠組みでは取り扱い難い領域も取り込んでいく予定です。

今後のFundsの展開を楽しみにしていてください!

最後に

Fundsでは「未来の不安に、まだない答えを。」というミッションのもと、金融領域で社会課題の解決に取り組んでいます。最近、採用情報特設ページもオープンしましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

免責事項
本noteは情報提供を目的としており、特定の有価証券への投資を勧誘するものではありません。尚、情報の正当性、有効性、正確性について保証するものではありません。また、本noteで提供している情報は個人の見解です

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