【感覚】とはなんだ
空腹が最上の調味料と言うように、認識や感覚は容易に変わる。
私が最もよく受け取る『感覚』は夜中、虹色のドロドロしたもったりした水飴のような。
以前、脳波を視覚化した芸術作品を見たが、ある意味アレに近い。
夜中に大きな声を聞くと(それがどういう状況かはさておき)、毎回同じような感覚が発生する。
がんじがらめの紐(?)が、瞬時に解けてバラバラになって消滅するかのような。
この『紐の集まり』は、これまた感覚だが、積み上げてきた認識に思える。『〜の場合、〜の場合』と立脚を続けた積み木の理屈――を、夜中の大きな声により崩されてしまうような。
人と生活する以上、『ソレ用』の理屈を構築している。そうすべきだと私が考えているし、独善に走るワケにもいかないし、支離滅裂は嫌いだし。
……が、前述の通り無為に帰す事が。その際に特定の感覚を受け取る。
それ以外の感覚に法則性はないが、おそらく共通してるのが『感情に落差があった時』だ。
ネガ→ポジ ポジ→ネガだろうと、起きる時は起きる……が、確実ではない。やはり夜中が殆どだが。
ドロドロ水飴や幾何学の動く壁紙、鉄素材のカーテン、極大と極小――様々なパターンがある。
先日は特に不思議だった。
『文字からその人の姿のイメージを感じた』のだ。これも夜中だな。
この理屈は今は説明できない。
『その文字が投稿された瞬間、私が起き、読んだらその感覚を受け取った』って流れか。
そしてその感覚は、本人との照合の結果、ほぼ合っていた。
……なんなんだ、この能力は。
私はオカルトの類をほとんど信じていなかったが、今は違う。人間の感覚には、説明不可能の可能性がある。
となると、いつまでこの能力が持続するか、高まるか、失われるか。
条件は? 何が要因だろう。
何もわからないが、今のところ悪い気はしない。