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「西山ファーム」巨額詐欺事件 狙われたのは若者 全国で約133億円を集めた手口とは?

はじめに

岡山県の観光農園「西山ファーム」の元・幹部ら5人が、“うそ”の投資話で金をだまし取ったとして逮捕されました。 全国で約133億円を集めたその手口とは、狙われたのは20代から30代の若い人たちでした。 「西山ファームの元・幹部、伊藤容疑者が今、車の中から出てきました」 (中道記者レポート) 17日、逮捕された岡山県の観光農園「西山ファーム」の元・幹部、伊藤弘敏容疑者(37)ら5人。 警察によりますと、岡山県の名産品「桃」の海外輸出で利益が得られるなどとうたい、横浜市の30歳の女性から約800万円をだましとった詐欺の疑いがもたれています。 元・幹部らが集めた金は、全国で約133億円、その手口とは…。

https://youtu.be/oOwYAEaUfyc

具体的な手口とは?

2004年に設立後、桃やイチゴの収穫体験で人気を集めた西山ファーム。 2015年には約1億円だった売上が、3年後には約100億円に。 しかし、その翌年35億の負債をかかえ破産手続きに入りました。 その実態について、元・従業員は…。 「香港で岡山の白桃が高く売れるという話で。西山ファームの桃だけでは足りないから、契約農家から桃を買い取って香港に売る…」 (西山ファームの元・従業員) 日本のフルーツが海外で人気となり、輸出額が増加していた2015年。 幹部ら5人は、香港での桃の輸出事業への出資を募り始めました。 悪用したのはクレジットカード決済、仕組みはこうです。 まず、出資者が指定された通販サイトを通じて桃を100万円分カードで購入。桃は、西山ファームが海外に転売するとして、出資者には届けずに代わりに配当として購入額に3%上乗せした103万円を返金するというもの。 これを毎月繰り返せば、1年間で36万円儲かるというおいしい話です、しかし…。 「実態もないし在庫もない。自転車操業みたいに、ぐるぐる回していた」 (西山ファームの元・従業員) 2018年の11月ごろから徐々に支払いが滞り始め、各地で民事訴訟に。 1260万円を出資したという愛知県の会社員の男性は…。 「農園を見に行きました。その時期はイチゴを食べさせてもらって。立派なイチゴを栽培していた」 (出資者) 連れていかれたのは、一見ちゃんとした農園。 当初は返金もあったため、事業を信じてしまったといいます。


騙された人たちの感想

「本当に返金してください。それが一番です。自分たちの非を認めて、早く説明して事態の収拾を図ってほしい」 (出資者) 被害拡大の要因には、逮捕された5人のうち勧誘役の4人の存在も。 出資者の間で「四天王」と呼ばれ、それぞれが出資者150人から500人を束ねていました。 そのうちの1人、花本将光容疑者のものとみられるSNSです。 華やかな暮らしぶりで若者たちの興味をひき、カードがあれば貯金がなくても手が出せる仕組みも相まって、若い世代にも被害は広がったのです。 逮捕前日にはこんな投稿も。 個人投資家として、定期的にメッセージを配信していた花本容疑者。 『道を間違えないためには、自分のセンスよりも、信頼できる仲間やパートナー、メンターからの客観的視点が、より大切なのです』 一方で、民事訴訟では「自分も7000万円以上返金されていない。違法性を認識しておらず、元・副社長のいうままに取引した」と主張していました。 この元・副社長が、首謀者とされる山崎裕輔容疑者(40)。 おととし、JNNの取材に「違法なことはやっていない」と話しました。 「間違いなく、これは信じてほしいんだけど、俺は絶対うそはつかない、絶対に。(Q:うそをついて金をだまし取っていない?)はい」

(西山ファーム 元・副社長 山崎裕輔容疑者) 一方で、こんなことも…。 「(Q:今後、警察が動いたら)それはしょうがないでしょ。逆に言ったら司法の判断を、きちんとしてくれたほうがありがたい」 (西山ファーム 元・副社長 山崎裕輔容疑者) こう話していた山崎容疑者ですが、現在は海外にいて警察が逮捕状をとって行方を追っています。 警察は容疑者5人の認否を明らかにしていませんが、動機や金の流れなど、事件の実態解明を進めています。

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