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数字でみる日本の木製家具製造業 #3|製造品出荷額等の推移(3)

 表3-1に示すように,日本標準産業分類によれば,木製家具製造業[脚注1]は家具・装備品製造業のなかの家具製造業に含まれる。そこで次に,家具・装備品製造業および家具製造業における木製家具製造業の位置づけについて確認してみたい。

表3-1 日本標準産業分類(家具・装備品製造業)
[出所]総務省(2025)を基に,筆者が作成した。

 まず,家具・装備品製造業と家具製造業,木製家具製造業の製造品出荷額等と,家具・装備品製造業および家具製造業の製造品出荷額等のうち木製家具製造業が占める割合について検討する。

図3-1 製造品出荷額の比較(家具・装備品製造業,家具製造業,木製家具製造業)
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』 および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。
図3-2 木製家具製造業が占める割合(対家具・装備品製造業,対家具製造業)
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』 および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。

 図3-1から,木製家具製造業の製造品出荷額等は,家具・装備品製造業および家具製造業の推移とほぼ類似した形で推移していることがわかる。ただし,2010年以降については,家具・装備品製造業と家具製造業は上昇傾向にあるのに対し,木製家具製造業はほぼ横ばいといった違いが見受けられる。

 また,図3-2から次の2つの点が読み取れる。第1に,家具・装備品製造業と家具製造業の製造品出荷額等のうち木製家具製造業が占める割合のピークが,出荷額等がピークだった1991年よりも7年前の1984年だった点である。双方とも下落開始時期が同時であることから,家具製造業に含まれる木製家具製造業と金属製家具製造業,マットレス・組スプリング製造業の製造品出荷額等の推移と家具製造業全体に占める割合の推移をさらに検討してみる。

図3-3 家具製造業全体に占める割合の推移(木製家具製造業,金属製家具製造業,マットレス・組スプリング製造業)
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』 および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。

 図3-3から,木製家具製造業にかわって金属製家具製造業の割合が高まっていることがわかる。また,金属製家具製造業ほどではないが,マットレス・組スプリング製造業の割合も漸増していることが読み取れる。

 第2に,2007年から2011年の期間における対家具・装備品製造業の割合の上昇度合いが対家具製造業よりも大きい点である。この点についてもさらに検討するために,家具・装備品製造業のうち家具製造業が占める割合の推移を見てみる。

図3-4 家具・装備品製造業のうち家具製造業が占める割合の推移
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』 および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。

 図3-4から,同期間において,家具・装備品製造業のうち家具製造業が占める割合と木製家具製造業が占める割合がほぼ同じように推移していることから,家具・装備品製造業のうち家具製造業を除く産業において出荷額の低下の程度が大きかったことが伺える。

(つづく)


[脚注]

1.現在の日本標準産業分類での正式名称は「木製家具製造業(漆塗りを除く)」だが,ここでは「木製家具製造業」とする。


[参考文献・資料]


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