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数字でみる日本の木製家具製造業 #2|製造品出荷額等の推移(2)

 前回の投稿では,日本の木製家具製造業の製造品出荷額等の推移を確認した。今回は,日本の全製造業[脚注1]に占める木製家具製造業の割合について検討する。図2-1は,1980年から2019年までの全製造業の製造品出荷額等の推移を,図2-2は,同期間において全製造業に占める木製家具製造業の割合の推移を示している。なお,前回同様,当該データは従業者4人以上の事業者の数値を合計したものであり,全事業者が対象ではないことに注意されたい。

図2-1 全製造業の製造品出荷額等の推移
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。 
図2-2 全製造業に占める木製家具製造業の割合の推移
[出所]『工業統計調査(産業別統計表)』 および『経済センサス-活動調査』の各年版を基に,筆者が作成した。

 図2から,全製造業に占める木製家具製造業の割合が,1980年以降,一時期(1980年代後半)を除いてほぼ持続的に低下していることがわかる。1980年の0.75%から2019年の0.23%へと3分の1以上低下してしまった。

 図1に示すように,全製造業の製造品出荷額等は,1990年代のバブル崩壊による低下のあと2000年代になって持ち直し,リーマンショックによって再び低下したあとに再度持ち直している。しかし,前回の投稿の図1に示すように,木製家具製造業においては,バブル崩壊を契機とした低下傾向が2000年代に入っても継続し現状に至っている。このことが,割合の持続的な低下の背景にある。

 割合の低下は,日本の製造業における木製家具製造業の寄与度(貢献度)が低下していることを示している。

(つづく)


[脚注]

1.全製造業とは,日本標準産業分類において「製造業」に分類されている産業のことを指す。「製造業」に分類されている具体的な産業については,総務省(2025)を参照のこと。


[参考文献・資料]


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