④ハーモニックパターン+α
ハーモニックパターンはフィボナッチリトレースメントを活用し点D(PRZ)からの反発を狙う方法です。点Bは親波XAのリトレースメントのみで、点CはABのリトレースメントのみでそれぞれ規定されるのに対し、点Dは親波XAのリトレースメントとBCのエクステンション、ABCエクスパンションの3要素で規定されるため反発する確率が高く、ポテンシャルリバーサルゾーン(PRZ)と呼ばれます。
わかっていない方のために、補足すると、点D(PRZ)は3要素の重なりで規定されます。XAリトレースメントはわかると思いますがXからAにフィボをあてたときの数値です。BCエクステンションはBからCにあてたときに100%を超えてどのくらい跳ね返っているかという数値ですので、Bから見てDは必ずCの反対側に来ます。ABCエクスパンションはフィボナッチエクスパンションを使ってもよいのですが、私はフィボナッチリトレースメントをBからAに向かってあてた(BAエクステンション)後に、それをCに移動させて使っています。どちらもやっていることは同じです。
それに加えて私はBからAにあてて移動させない(BAエクステンション)値も採用していますので基本的には4要素で規定しています。その理由はここでは詳しくは書きませんが、値幅観測論と調和させているからです。つまり、BCエクステンションはV計算値、ABCエクスパンションはN計算値と本質的に対応していますので、BAエクステンションはE計算値というわけです。
そんなにフィボ引いていたらチャートぐちゃぐちゃになっちまうじゃん、と思われた方、そうではありません。ぱっと見でハーモニックっぽいという眼があれば、確認程度でしか使わなくなります。
そもそも、自分が気付いていないだけで、ハーモニックなんて1枚のチャートの中にブルもベアもたくさんあるし、さらにMTFで見たらもっともっとたくさんあるので、それらを全部見るなんて絶対無理だと思いますし、目線がコロコロと変わってしまってうまくいかないでしょう。
ハーモニックインジケータで表示されたとおりにロング、ショート打つのも危険です。ただし、インジは自分が見えなかったパターンを表示してくれることもあるので、眼を養うためのトレーニングには使えると考えています。ハーモニックを使って相場の方向性を決めるのは私はやりません。詳しくは書きませんが、あくまで値幅観測との組み合わせをもって短期逆張りと利確目標決定に使っています。
ではその眼を養うためにハーモニックパターンを暗記するわけですが、一応私は14種類を基本としています。しかし、ハーモニックパターンはもっともっと沢山存在します。ですが、この14パターンを叩き込んでおけば、応用が効いて、ほかのパターンにもある程度対応できるようになります。
で、そのハーモニックパターンの整理方法なんですが、一般のガートレー、バット、クラブ、バタフライの基本4パターンから覚える方法とは少し違います。
まず、この8パターンがいわゆる①通常グループ。(最後の2つは蛇足)
ガートレーとバタフライを並べているのはXA78.6%が共通しているからです。つまり、ガートレーがシバかれたら127%のバタフライまではいくということです。
バットとディープクラブを並べているのはXA88.6%が共通しているからです。つまり、バットがシバかれたら、161.8%のディープクラブまでいくということです。詳しくは書きませんが、ディープクラブはH&Sやサイファーと相性が良いんです。
あとこれら78.6%と88.6%はネックラインになっている可能性が高く、ネックラインで一度反発して抜けたときは127.2%か161.8%までいくという感じで覚えておきます。
値幅観測的には、ABCDについて、ガートレーはフィボナッチエクスパンション1.0(N計算値)、バタフライは1.27AB=CDやなどの派生パターンと覚えておきます。同じく、バットはBCエクステンション2.0(V計算値)、ディープクラブはBCエクステンション3.0(3V計算値)と考えておきます。
次は②CがAを抜いちゃっているグループ
エリオット波動的には拡大フラット。
シャークは値幅観測的にはXABCのN字がNT波動。ABリトレースメントが1.618以下でBCエクステンションが1.618以上。また、後述の5-0パターンに発展するため、CDの半値決済を第一目標としています。
サイファー、ネンスターはAXエクステンション(XAの逆あて)1.13、かつABエクステンション1.41の時が機能するように感じています。また、拡大フラットの観点から、DはABCエクスパンション1.618(1.618AB=CD)orBCエクステンション1.618も成立します。
次は③トレンドフォローグループ
左の2つは「トレンドついてからのトレンドフォロー」、右の5-0は「トレンド転換を狙ったトレンドフォロー」
121はXABCがN計算値。トレンドラインXBが最も意識されるが、点Dはヒゲで点Bのちょい下までいって点Bの下に損切りを置いているロングトレーダーの損切りを執行してから上昇するパターンも何度も確認しています。
ホワイトスワンはCがABエクステンション2.0以上というのが特徴。これはXABCのN字がV計算値 or E計算値であることを表している。詳しくは書きませんがバットパターンと相性が良いんです。
121とホワイトスワンはBとDにおけるヒドゥンダイバージェンスを確認。
5-0は私のダウ理論記事でいうところのイエローゾーン、トレンドレス状態。それを若干上目線寄りにするために使うハーモニック。BCを細かく見るとE計算値 or V計算値になっている。基本シャークからの発展のため図の緑丸と黄色丸の関係は同じ。ABエクステンション2.0かつAB=CDかつBCの半値押しが理想。
5-0はXとBにおけるダイバージェンスを確認。
最後は④逆張りグループ
③水平線、斜線、チャネル+αでも書きましたがチャネルライン3点目は高確率に反応します。
逆張りのため私はこのパターンをほとんど使っていません。
その代わり、ウォルフ波動を使って初動を狙うことはしばしばしています。
ウォルフ波動についてはまた今度チャートパターンの記事に書こうかと思います。
以上が私の考えるハーモニックパターンの基本です。あくまで基本です。
まだまだありますがだいぶ長くなったので今回はこの辺で。
最後にガートレー、バット、バタフライ、クラブの基本4パターンの理想形と、ネットに落ちていたハーモニックの分類表を貼っておきます。
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