宝来鈴で縁結び 武雄神社夫婦欅
仲哀(ちゅうあい)天皇・神功(じんぐう)皇后の夫婦神をお祀りする 佐賀県武雄市の武雄神社には、御祭神の御神威によって、2本の檜が根元で結ばれ、樹の中ほどで再び枝が合わさったといわれる夫婦檜がある。
仲睦まじく聳えるその姿から、縁結びの御神木といわれ、根元は夫婦和合、繋がった枝は男女の縁はもとより、人との縁、仕事との縁、お金との縁など、様々な縁を繋ぐ縁結びの象徴として信仰されている。
また、雌木の中ほどに見られる宿木は、応神天皇を懐胎しながらも、三韓征伐で勇ましく戦われた神功皇后の御神徳の現れとして、人々の安産、子授け信仰もあつめている。
御神木に注連縄(しめなわ)が巻かれるだけでなく、その御神徳についての解説書きもあり、木と木との間には赤い綱が渡され、人々が宝来鈴をかけて、御神木に願いを託しやすい形が整えられている。
神は人々の敬いによって御神威を増すといわれるが、多くの人々が崇敬し、さまざまな願いを重ねるこの御神木も、日に日に人々の願いを受け止める中で、願望を成就して下さる御神木としての神力が増し続けている気がする。