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【パパめが2】最強になった俺、女神と楽しく生きることに成功(2)
俺たちは冒険者ギルドの掲示板の前に来た。
今日のアストラエアの服装はいつもと違ってカジュアルだ。
「髪切った?」
俺はアストラエアに尋ねた。
「やーね。私は魔法で髪の長さも服装も自由に変えられるの。知ってるでしょ?」
「あー、確かそんなことを言っていたな」
待てよ⋯⋯?
「じゃあ、なんだ? 髪の毛の長さは地毛だから別として、その服は魔法で構成しているのか? じゃあ、魔法を無効化するサイレス系の魔物が出てきたら、お前は素っ裸になってしまう可能性もあるってことだな?」
「ふふふ、そんなに私に裸になって欲しいの? でも、残念でした。私は女神特性で、魔法無効化を無効にするスキルを持っているの」
アストラエアはいつもの、優しげな穏やかな顔で微笑んで言った。
「それに、私の裸なら、あなた、いつも見てるじゃない」
「おーっと! おおおーっと!」
俺は驚いて大声で制止した。ここは冒険者ギルドの掲示板前だ。誰が今の言葉を聞いているとも限らない。
「あはは、照れちゃって」
アストラエアはまた笑った。
「いや、まあ、それはそうなんだが。もはや恋人である俺が脱がすのと、モンスターに脱がされるのとでは、天と地の違いがあってだな⋯⋯」
「何の違いよ⋯⋯」
アストラエアが呆れるように笑って言った。
まあ、現実的な話、レベル99の女神であるこいつを脱がせられる魔物がいるとは思えない。いるとすれば、可能性が少しでもあるのは魔王だけだろう。そんな変態な魔王がいたら嫌だが⋯⋯。
「私からしたら、あなたがその変態な魔王みたいなものだけどね」
アストラエアが困った笑い顔で言う。
「あれ? 俺、さっき声に出てたか?」
「出てなくても分かるの。さあ、早く今日の依頼を見るわよ」
俺たちは目線を掲示板の依頼書に向けた。
今日もなかなかの依頼の数だ。
モンスター討伐に、薬草採取に、要人の護衛⋯⋯。俺たちが何度となくこなして来たような以来の数々だ。
その中に、今日は珍しい依頼があった。
「何だこれ? 孤児院の⋯⋯、子供の世話?」
どうやら、アストラエアも同時にそれを見ていたらしい。
「奇遇ね。私も今、それを見ていたの。たまには、こういうのをやってもいいかな、って」
⋯⋯。
「そっか、じゃあ、これ、受けてみるか?」
「うん、じゃあ受付にこれ持って行ってくるね」
アストラエアは嬉しそうに受付に向かって歩いて行った。
「お待たせ」
「ああ、早かったな」
「うん、私たちは特別待遇で待たなくてもいいし、簡単な依頼だからすぐにオーケーが出たわよ」
俺は、ふーん、という顔をした。
「じゃ、行くか」
孤児院は街の外れにある。
⋯⋯、アストラエアって、子供好きだったかな⋯⋯。
なんだか、アストラエアと子供が上手く結び付かない。まあ、女神だし子供が嫌いなはずはないが、こいつが子供と一緒にいる姿が想像出来ないというか、子どもを育てる姿なんてもっと想像出来ない。
「ふんふんふーん」
鼻歌交じりで孤児院に向かって歩くアストラエア。なんだか楽しそうだ。
「おい、お前、子供好きだったっけ?」
アストラエアはキョトンとした顔をした。
「え、何よ、突然⋯⋯」
「いや、別に何も、気になっただけだよ」
アストラエアはちょっと考えて⋯⋯、
「うーん、好き、っていうか、なんか最近、興味が出てきたの」
「興味が?」
「うん、昔から子供って可愛いとか面白いなって思ってたんだけど、なんか今は、ちょっと育ててみたいな、って思ったり⋯⋯」
え、何その変化?
「も、もしかして、それって⋯⋯」
俺とセックスしてるからじゃないのか?
俺は言葉を飲み込んだ。
「えへへ⋯⋯」
アストラエアは照れくさそうに言った。
「分かっちゃった? 多分そうだよ。普通、神様ってエッチしないし、子供を育てたいとか思わないから」
ガーン!!
お、俺はなんて事を⋯⋯。
「も、もしかしてお前、妊娠してるとか⋯⋯?」
アストラエアは苦笑いしながら言った。
「ううん、してないよ。そもそも神様って妊娠するのかなあ?」
うんうん、妊娠はしてないようだ。良かった⋯⋯、ような、悪かったような⋯⋯。
(異種姦?)
人間と女神が交配したら、妊娠⋯⋯、するのか?
俺の脳裏に変な考えが浮かんだ。
そんなことを考えていたら、依頼元の孤児院に着いた。