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【パパめが2】最強になった俺、女神と楽しく生きることに成功(5)

目が覚めたら夜になっていた。
宿の窓から美しい星空が見える。
どうやら、アストラエアとセックスした後、少し眠ってしまったらしい。

「おはよう、よく眠ってたわよ。疲れてたのね」

アストラエアは窓際のテーブルで魔導書を読んでいた。

「ん、ああ、昼間あれだけ乳児たちの世話をすりゃ、そりゃあな」

「そうね、赤ちゃんの世話って大変。でも、あなた、けっこう良くやってたわよ」

実は俺は赤ん坊の世話というものをしたことがある。でも、もうこの異世界に来てしまったし、今はこいつがいる。それを言うのは野暮というものだろう。

「ああ、レベル99の冒険者の俺でも、どんな魔法でも、召喚獣でも勝てない。それが人間の赤ん坊さ」
俺は、こんなことを言ってはぐらかした。

俺は、窓から身を乗り出して、満天の星空を見た。そして先程のことを思い出して呟く。

「宇宙の理を変える、ねぇ⋯⋯」
(そんなことが出来るのか⋯⋯?)

アストラエアも一緒に俺に寄りかかって星空を見る。そして話し始める。

「この世界の宇宙と、あなたの世界の宇宙。同じようで、違うものなの。この世界の私たちの身体は、聖気と魔素で出来てる。私は女神だから、100%純粋な聖気よ。魔王は100%純粋な魔素。人間や魔物は、聖気と魔素が混じり合って出来てる⋯⋯」

アストラエアが長々と言葉を発している。
俺の上の空で、はあ、はあ、と相槌を打っていた。

「それでね、私は、あなたのことを調べて。あなたの精液も王立魔導研究所に持ち込んで、優秀な魔導研究者たちにレーザー顕微鏡レベルまで調べあげてもらって⋯⋯」

「お、お前、そんなことまでしてたのか?」

「うん、私も見たわよ。顕微鏡の視野の中でピクピク動いてる、あなたのオタマジャクシ」

どうやら俺の知らない間に、俺のオタマジャクシが王国の重点研究対象になっているようだ。

「でね、驚いたことにあなたの身体は聖気でも魔素でもなく、炭素という元素と水で構成されているという結論に達したの」
「ほうほう」

なんだか、俺にとっては分かりきったようなことを得意げに開陳しているアストラエア。

「だから、水瓶の女神である私との相性がやたらと良かったのね」
「そうかなあ?」
「うん、きっとそうよ!」
「腹が減ったな、飯でも食いに行くか?」
「うん、行きましょう!」

俺は、なんだか興奮しているアストラエアを連れて、宿屋の近くにあるいつものレストラン、「開拓亭」へと向かった。

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