抄録記録:fMRI 原理と実践 第2章②(RFコイル、傾斜磁場コイル、シムコイル)
今日はMRIの中でも静磁場コイル以外の大事なコイルである、RFコイルと傾斜磁場コイル、そしてシムコイルを勉強しました。
RFコイルのまとめ
RFコイルはサンプルの共鳴周波数
(MRIではプロトンの共鳴周波数であるラジオ周波数帯域を用いています)で振動するRFパルスを生成し、そのエネルギーを受け取ったプロトンがのちに放出するエネルギーをキャッチするコイルです。
今まで共鳴周波数であるラジオ波を放出するコイルとだけ覚えていました。
なんか微妙に違いますね。
プロトンの共鳴周波数がラジオ波なのはあっていますが、それと同じ周波数を持つRFパルスを放出し、しかもそのあとでプロトンから放出されるエネルギーを受信するところまでRFコイルは仕事をしていました。予想以上の働き者です、失礼いたしました。
この章では詳しく出てはいませんけれども、平衡状態や励起についても軽く触れられていました。
プロトンの水素核がRFコイルから特定の周波数で電磁波が送られると、平衡状態が破られて励起されます。
この励起した時にRFパルスのエネルギーを吸収。
RFコイルへの電流がストップ、つまりRFパルスが止まると、原子核が平衡状態に戻り、プロトンの原子核は吸収していたエネルギーを外に放出し、その放出されたエネルギーがRFコイルによって検出されます。この検出された電磁気エネルギーが生の磁気共鳴信号、MR信号となります。
やっとMR信号が出来上がりました!
この後、通常用いられるRFコイルの説明がされております。
よく使われるRFコイルとして3つ。
関心領域のとても近くに置く表面コイル
サンプル全体をほぼ同じ感度で囲むボリュームコイル
高い感度を維持しながら、撮像できる空間領域を広げるフェーズトアレイ
が、紹介されていました。
その後はRFコイルの組み合わせによって、感度が良い撮像法の説明がありました
傾斜磁場コイル
どのコイルでもMRIの撮像では全て重要ですけれども、画像形成において最も重要であるコイルとも言える傾斜磁場コイルの説明です。
傾斜磁場コイルでは先程のRFコイルで受信された生のMR信号に空間情報を持たせるためのコイルです。
傾斜磁場コイルによって厳密に制御された空間的位置情報がMr信号に与えられることによって、それぞれの部位で異なる信号が計測できます。
RFコイルと同様に傾斜磁場コイルは画像収集の際にのみ用いられ、励起の過程が終わった後すぐに使用されます。
通常空間情報の回復をできるだけ簡単に単純にするために、複数の傾斜磁場コイルが用いられますが、通常は三個の傾斜磁場コイルが静磁場に対して基本方向に沿って配置されます。
主磁場に平行なz方向
主辞場に垂直なXとY方向で、xとyは互いに垂直です。
その後傾斜磁場を発生させるためのコイルの配置図配置や、どのようにx, y, zのそれぞれの方向で磁場が流れているのか等説明されています。
シムコイル
最後はシムコイルで、静磁場完全に均一で傾斜磁場コイルは完全に線形であるということが理想ではありますけれども、この完全と理想という単語が出てきたということは、
実際は静磁場は均一ではないし、傾斜磁場も線形ではないです。
そこで少しでも均一な静磁場を保つためにシミングが行われます。
そのシミングに用いられるコイルがシムコイルです。
シミングには小さな磁石を使うこともあります。
シムコイルでも一次、二次、三次と複数の次元の磁場を作ります。
他のRFコイルや傾斜磁場コイルとは異なりシムコイルは個々の被験者ごとの調整に使用されます。
この理由として磁場の歪みは、各被験者によって微妙に異なっているため、被験者全体で静磁場が最適化されるように、被験者の頭の大きさや形に合わせてシミングを行ないます。
シムコイルは通常一度調整されると、撮像中はそのままになっており、撮像中にスイッチを入れたり切ったりするRFコイルや傾斜磁場コイルとは異なっています。
勉強が終わってみて
今日もとてもクリティカルな質問を一緒に勉強している先輩から2ついただきました。
まず一つ目が安静時のデータはタスクfMRIのベースラインとして用いているか?
二つ目が、傾斜磁場を部位ごとにかけて、部位ごとにMR信号の大きさが変わってしまうということは、全脳で活性化したところがどこなのかということを調べる時に、そもそも部位によって信号の大きさが違うのであれば比較が全脳で信号の大きさが比較できないのでは?
特に二つ目の質問では、私自身も解析をしっかりと学んだ状態で解析を行っているわけではないので、私も疑問が芽生えました。
周波数分析の時などに傾斜磁場によってつけられた信号の大きさが、どこかで消えているのでしょうか。
他の分野出身の方とお互いの専門分野ではない分野の勉強をすると、同じ図を見ていてもとらえ方が違ったり、比較対象が異なったりと面白いです。
このように自分がわかったつもりでも実は見逃していたというポイントがわかるこそが、誰かと一緒に勉強する最も大きな利点の1つであるとつくづく感じました。
来週はいよいよ3章に入り、mr信号発生の基本原理としてプロトンの動きや巨視的磁場を追っていくことになります。
人に説明出来るくらい自分でも理解できるように1週間でたくさん学んでいきます
打ち直しが多い回
普段は優秀な音声入力ソフトを使って、こちらの記事を書いていますが、今回は普段使われない専門用語が多くて書き直しが多かったです。。
書き直しが多いほど専門的な勉強してるな~と、自分に言い聞かせながら書きました^^;
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