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ブルーチップNFTと大企業とのコラボ事例をまとめてみる

今回のWeb3事例紹介マガジンでは、既存のブルーチップNFTと、Web2企業である既存の企業とのコラボレーションの事例についてまとめていきます。
2020年ごろから大きくNFTが流行し出し、その市場規模は2022年には210億ドルまで成長しました。またNFT界隈ではコラボ文化が大きく浸透しており、NFTプロジェクト同士のコラボレーションはお互いのマーケティングやセールスのために、大小様々なプロジェクトで行われています。
そして2022年ごろからは、NFTプロジェクトと既存の大企業のコラボレーションも大きく増えてきました。

ブルーチップNFTとは?

ブルーチップNFTとは、一般的に有名かつ高価で、クオリティが高いとされている上位のNFTプロジェクトのことです。
具体的には、BAYC、CryptoPunks、Azuki、CLONE X、Meebits、Doodlesなどがこれに該当します。明確にブルーチップかどうかの線が引かれているわけではありませんが、昔からあって有名で高価なもの、大きく活動しているものはブルーチップとされることが多いように感じます。
今回はこれらの上位のNFTプロジェクトが行ってきた、既存の大企業とのコラボレーション事例についてまとめていきます。
「ブルーチップ」という単語は、株式市場で使用されている単語で、「優良株」を意味する単語です。NFTもトークンや株などと同じように価格が変わっていくものなので、このような呼び方が継承されているのだと思います。
株式市場用語ではあるのですが、それよりも前の単語の由来はよくわかっておらず、ポーカーで最高額のチップが青色だったからなどの様々な説があります。

NIKE - CLONE X

ナイキは言わずと知れたスポーツ用品メーカー、スポーツブランドですが、Web3関連のプロジェクトをいち早く始め、そして成果を出している企業として最もわかりやすい例でしょう。
2021年からWeb3へと参入しており、最初にRTFKTというデジタルファッションブランドの買収をしました。このブランドはRTFKTと書いて「アーティファクト」と読み、デジタルファッションを専門として大きな成果を上げているブランド、クリエイター集団の一つでした。
そのRTFKTは、CLONE XというブルーチップNFTの開発元、運営元でもあります。
この買収をきっかけに、ナイキはRTFKTやCLONE Xとコラボしたスニーカーを販売しました。

出典:Opensea

RTFKT x Nike Air Force 1

RTFKT x Nike Air Force 1は、ナイキとRTFKTによる最初のコラボ商品コラボレーションです。
2022年8月に開始されたこのキャンペーンは、CLONE XのNFTのホルダー向けのキャンペーンで、CLONE Xのホルダーは「所持しているCLONE Xの属性に沿った」デジタルなスニーカーのNFTを購入できました。

出典:RTFKT

他のブルーチップNFTと同じように、CLONE Xにも属性やレアリティが存在し、全部で10種類あります。そして、これらの属性に合わせてスニーカーのデザインも10種類存在しています。
公式サイトからは、CLONE Xの所有者が自身の所有するNFTの属性と同じスニーカーの購入しかできず、もし持っていない属性のスニーカーが欲しい場合はOpensea等の二次流通市場から欲しい属性のCLONE XのNFTを購入することになります。
そしてこのコラボレーションの最も大きな特徴は、購入したスニーカーのNFTを現実のスニーカーと交換できるイベントが行われたことです。
このイベントは「フォージングイベント」と呼び、2023年4月24日から5月8日までに、スニーカーのNFT所持者が自身のスニーカーを現実世界のものと引き換えるかどうか選ぶ、というものでした。このフォージングイベントは一度きりであり、過ぎてしまうと物理的なスニーカーとの引き換えはできなくなります。
またこのスニーカーにはNFCチップが埋め込まれており、スマホで読み込んで認証することでNFTと連携させることができます。これはスニーカー自体の真贋証明に利用されています。

ADIDAS - BAYC

同じくスポーツブランドかつファッションブランドでもあるアディダスも、ブルーチップNFTとのコラボレーションを行っています。
2021年12月、アディダスは「INTO THE METAVERSE」というタイトルでNFTコレクションを販売しました。タイトルの通り、当時アディダスはメタバースへの進出を大きな目標としており、この時発売されたNFTにはすべてSandbox等のメタバース内で使用できる同様の商品を手に入れられる権利も付属していました。また現実世界の物理的な商品とも交換が可能で、下の画像のサルが着ているジャージやシューズと同じものを手に入れることができます。

出典:Opensea

画像はINTO THE METAVERSEの見た目です。
アディダスがコラボレーションを行ったブルーチップNFTは「Bored Ape Yacht Club」です。少しでもNFTを調べたことがある方は見たことがあるかと思います。
正式名称が少し長いのでよくBAYCと略されます。BAYCはサルをモチーフにした合計10,000個のNFTコレクションで、現時点で時価総額が2位の伝説的なNFTプロジェクトです。「INTO THE METAVERSE」は、このBAYCとgmoneyNFTというNFT界の大御所インフルエンサー、PUNKS Comicというもう一つ別のNFTプロジェクトの、4つの個人および組織によるタイアップで行われました。
「INTO THE METAVERSE」は1つ当たり0.2ETHで合計30,000個発行され、そのうち20,000個はBAYC等を既に持っている人に優先的に渡されたようです。この手のコラボではめずらしく一般販売があったのですが、販売時に大量にウェブサイトに購入希望者が訪れた結果、イーサリアムのガス代が極端に高騰し、ウェブサイトも重くなり、ガス代だけ払って購入できなかった人なども現れたようです。
こうしてこのコレクションは発売から即売り切れ、当時のETHの価格から換算すると26億円の売り上げとなりました。

Tiffany - CryptoPunks

高級ジュエリーメーカーのティファニーもWeb3業界に参入しています。
ティファニーは2022年8月に「NFTiff」というキャンペーンを発表し、「NFTiff Pass」というNFTコレクションを発売しました。
NFTiffはブルーチップのNFTであり、世界で最初のNFTコレクションとされる「CryptoPunks」を所有している人を対象に、250個限定というとても少ない数で販売されました。
CryptoPunksとは、現在使用されているERC-721のようなNFTの標準規格が存在しない時代に、デジタルコレクティブ、NFTというジャンルを開拓した最初期のNFTプロジェクトです。見た目はとてもシンプルで、青背景にドット絵で顔が描かれたデザインで、全部で10,000個存在します。

出典:CryptoPunks

CryptoPunksは、最初期の作品というだけあって大きな値段がついており、NFTの価格が一通り落ち着いた2024年現在でも14万ドル前後で取引されています。NFTプロジェクトの中でも時価総額は世界一位です。

出典:NFTiff

ティファニーの出したこのNFTiffの最も大きな特徴は、このNFTiff Passを保有する人は、購入者本人が所有する「CryptoPunks」の見た目をもとにした「現実世界のペンダント」を作成してもらう権利を得るという機能があることです。
NFTiff Passは一つ30ETHで、当時の日本円で換算すると約600万円です。発売から即完売しており、単純計算でティファニーは15億円以上を売り上げたことになりますね。


AMBUSH - Azuki

出典:AMBUSH

AMBUSHは日本発のジュエリーブランドです。2008年に創設された比較的新しいブランドですが、2022年ごろからWeb3領域でも積極的に活動しており、メタバース空間で使えるファッションアイテムNFTの発行や、AvalancheとのコラボNFTなどを発表しています。
そして2022年11月にはブルーチップNFTであるAzukiとのコラボレーションを発表しました。
Azukiは言わずと知れたNFTコレクションで、Chiru Labsというグループが開発・運営しています。Dune Analyticsのボードによれば、2024年2月でもフロア価格は6ETH以上とNFTプロジェクトの中では上位5位以内に入るほどの値段がついており、直近30日の取引量も多めで今なお活発なプロジェクトです。
絵柄は日本のアニメをモチーフにしており、その後の多くのNFTプロジェクトに影響を与えたコレクションでもあります。Azukiのように日本のアニメ絵のようなタッチで人物を描くジェネラティブNFTのプロジェクトは日本国内だけでなく海外にも少なくありません。
AMBUSHとAzukiのコラボレーションでは、フーディーとペンダントが2種類ずつ、全部で4つの商品が発表されました。
どちらもフィジカルなアパレル商品で、ペンダントは印鑑をモチーフに作られているほか、各アイテムには「IKZ」という文字が彫られています。これはAzukiのコミュニティのスローガンとなっている言葉で、「行くぞ」という日本語が元になっているようです。
これらは2022年11月に、“Azuki”の公式サイトにて抽選販売がされました。
またフーディーの方には、専用の電子チップが埋め込まれており、これは「BEANチップ」と呼ばれています。このチップをスマートフォンにかざしてウォレットで認証することで、PBTという所有を証明するトークンが発行、受け取れるようになっています。
このコラボレーションにおいて、最も注目すべきはこのフーディーに埋め込まれたBEANチップとPBTという機能でしょう。
Azukiはフィジカルな製品とNFTとの紐付けに特に力を入れています。このPBTという「リアルアセットとNFTを紐づけるためのトークン規格」とBEANチップもAzukiが開発したものです。
このPBTというトークンは単純なNFTとは違い、移動時に受け取り手がBEANチップを同時に読み込まなければ移動できません。つまり、PBTの移転は必ずフィジカルな商品の移転と同時に起こるということです。これによって、NFTと物理的なグッズをより強く、正しい紐付けが可能になったと言えるでしょう。

さいごに

私が代表を務めるクリプトリエでは、企業によるNFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現する、NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」を提供しているほか、法人向けにweb3領域のコンサルティングや受託開発サービスを提供しています。Web3 / NFTのビジネス活用にご興味ある企業様はお気軽にお問い合わせください。

NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」公式サイト
https://mint-monster.io/

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https://twitter.com/yasuo_tezuka

参考

Hypebeastブログ(NIKE - CLONE X)
RTFKT x Nike Air Force 1(RTFKT x Nike Air Force 1)
mitsuiさんのNote(RTFKT x Nike Air Force 1)
Duneダッシュボード
PR TIMES(AMBUSH - Azuki)
Plus Web3(Azuki)


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