現役マーケティングコンサルタントのつぶやき_マーケティングはどの値を見るのか?
マーケティング施策を検討する際に、エビデンスのデータはどの値を見ればいいのでしょうか?
私の拙著「統計学マーケティング」を執筆するきっかけになったことをお話しします。
ある会社をコンサルティングしていた時の話です。
その会社では、継続購入を前提とした商品を販売していました。
つまり、化粧品やサプリの定期購入などの商品です。
お客様は1回だけの購入ではなく、毎月、同じ商品が届けられます。
ネットでもサブスクリプションでの販売が主になってきました。
ネットフリックスやアプリの毎月課金などです。
これらの月々の支払いは高額ではありませんが、毎月支払いが発生するので、トータルで考えると、そこそこの金額になります。
一人の顧客を獲得するために、かなりのマーケティング費用を使います。
例えば、広告費をかけ、トライアルの無料期間を設けます。
無料期間で辞められたり、有料期間であっても1ヶ月や2ヶ月で解約されると、マーケティング費用をペイできません。
つまり、そのような短期の顧客が多くなると、赤字が膨らみ事業として成り立ちません。
なので、いかに契約期間を長くするのかが、最も重要な問題なのです。
前述の会社では、この問題に直面していました。
顧客獲得費に35,000円が必要でした。
この費用を回収するには、6ヶ月以上、続けてもらわないと、利益が出ないのです。
「当社の顧客の継続期間は、平均して6ヶ月なので、もう少し期間を伸ばすことができれば、事業としての軌道に乗る。」とのことです。
私は疑問に感じました。
「ん?平均ですか?その見方はまずいと思います。」
データを見てみないと、詳しくはわからないのですが、顧客数がそこそこある場合、必ず外れ値があるからです。
外れ値とは、その言葉の通り、外れた値です。
つまり、2、3ヶ月で辞める顧客が多いのに、1年以上、継続する顧客が少ないけど、いるのです。
この顧客は外れ値となり、平均すると、外れ値の影響を受けて実態とはかけ離れた数値が出てしまうのです。
なので、平均して6ヶ月継続というのは、必ずしも実態の数値ではない場合が多いのです。
そして、6ヶ月が平均だから、その数値からマーケティングを設計してしまうと失敗します。
この場合は、中央値や最頻値も見る必要があります。
(標準偏差から外れ値を検討するということも考えられますが、面倒なので・・・ここは単純に考えて)
事実、後ほどこちらの会社のデータを分析すると、平均値は6ヶ月で、最頻値は3ヶ月でした。
つまり、3ヶ月の顧客を4ヶ月、5ヶ月と伸ばす施策をする必要があるのです。
ということは、2、3ヶ月継続中の顧客を中心に手厚いサポートやサービスをするなどの検討をすべきなのですね。
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