夜で朝で仕事をしてるとまた夜で
なにもしないをした
無音で光もない部屋のすきまで
わたしは意識だつた
青でもあり 銀でもある
水面に映つた月と
誰かの咳 成分表 二十一時とはんぶん
あさがた
睡気の底で何かを思つた気がしたけれど
もうすつかり忘れてしまつた
イヤフォンを買つて
コピイ機の洋墨カアトリツジを買う
丁度良いトオト革包ないか知ら
オルタナテイブという語の意味を調べてみたけど
ある特定の音楽がオルタナテイブと呼ばれる
その理由は結局わからずじまいだつた
急に冷え込んだから
冬の上着出して 季寄せ 読み直してる
もうひこばえすのに と言ってみる
今日は食事が散々だつたが
選択ミスもすべて匕で食べ干した
仕事をこなして 酒もせず
静かさに慣れるまでは
音を欲するけれど
慣れてしまえば 雑音は耳障り
仕事と片付け 両立したい
「毎日 すこしずつやるのよ
出したものはもとあつた場所にもどすの」
と彼女の聲が聞こえる
ペン先は走る
𥻘ぐ清流の流れのやうに
やりかけでは終わらない
明日も仕事をする
やりかけでは終わらない
穴の空いた靴下を捨てて
乾いた洗濯物を取り込むように
いらないものをすてて
ひつようなものをとりこむ
あさがくるまで
またなにもしないをする
音のない 漆黒の無の中二階