シェアハウスWorkshop その6
さて皆さん、今回は「なぜ今シェアハウスなのか」をお話ししたいと 思います。
戦後の焼け野原。住むところも寝るところも家もない中、段々と復興が進み
右肩上がりの高度成長期に入っていくと若者は上京して学校に通い始めた。
その時にお世話になったのが下宿。長らくこの文化が続く。
ある時期が来るとワンルームマンションの波が押し寄せる。
海外からウサギ小屋と揶揄されるあれ。
そこから何十年。世界一のお金持ちの国になる。そしてバブルがはじける。
全く成長しない失われた10年を越えると不況が慣れてしまって普通になる。
そういった流れの中、僕たちは戦後に比べ物質的に豊かになるとどうしても満たされない心の隙間というものを埋めたくなる。
10年一昔というが少し前までは良い家もほしい!良い車もほしい!
新しいケータイがほしい!ブランド物がほしい!
物欲というか所有願望がすごかった。
一方、田舎から上京してひとり暮らしをはじめて隣にどんな人が住んでいるのかもわからないのが普通になる。
家と会社の往復。新人の頃は特に叱られることもきついことも多く世界が小さくなり萎縮する。
怖い、寂しい、ひとりでは心を支えられない。結局会社を辞めてしまい実家に帰ってしまう。
そこでシェアハウス。
所有から共有の時代。シェアすることが当たり前の若い人達、ミレニアム世代、Z世代が今の世の中の中心。
ここで暮らすと「おはよう」「いってきます」「おかえり」と挨拶の暖かさ、一緒に暮らすことの心強さがある。
大きなキッチン、大きなソファ。広々としたリビングにはもはや家族といっていい仲間達が集う。
そこでは異業種交流や異文化交流、異言語交流で刺激し合い暮らしの質を 高めていける。
ワンルームマンションでは決して手に入らない広々と豊かでお洒落な 共有部と豊かで刺激的なコミュニティがある。
コロナ禍になるとひとり、またひとりと退去があった。
非常事態、いわば有事だから仕方がない。
でも1年も経つとリモートやウーバーでの食事で孤独で死にそうだってやっぱりシェアハウスに帰ってくる人も少なくない。いや、結構多い。
満室を迎えるハウスも徐々に増えてきた。
これからのシェアハウスはどんなだろう。
やはりコミュニティだ。今まではシェアハウス単体のコミュニティ だったのがそこに宿泊者、コワーキングを利用するリモートワーカー達、 それぞれのコミュニティが融合して新しい文化を育んでいく。 ワーケーションや更ににインバウンドが戻るとその勢いは更に 加速するであろう。
そんなシェアコミュニティのカタチが今後何十年も続いていくのではと考える今日この頃です。