私とピアノの30年:①出会い編
ピアノと私の約30年。
1回じゃ全部書ききれないから、今回は出会い編。
音楽が好きな父のおかげで常に音楽がそばに
父はシェフであると同時に陶芸家で、根っからの芸術肌。
趣味でギター(アコースティック・エレクトリック両方)、クラリネット、二胡を嗜んでいたこともあって、私が高校生になる頃、自宅にはピアノ以外にアコギ2台、エレキ、クラリネット、二胡がいました。
クラリネットは私が赤ちゃんの頃、父の演奏が始まろうものなら、毎回大号泣していたせいで、早々に封印されたとか。
父の演奏がすこぶる下手くそだったのか、単純に私がクラリネットの音が気に入らなかったのかは今でも謎。笑
父はクラリネットをすっかり諦めたのか、よくギターで井上陽水や長渕剛からエリック・クラプトンやボブ・ディランまでいろんな曲をそのときの気分で弾いたり歌ったり。
母は気分で歌ってほしい曲をリクエスト。
音楽が生音で流れる我が家、そこでほのぼのとした空間のなかで育った私。
抵抗なく音楽に自分から触れるようになるのは、今思えば自然の流れ。
自宅にあった楽器のなかでいちばん興味を持ったのがキーボード。
お気に入りのおもちゃはドイツ製の小さい赤ちゃん用の鉄琴。
どこが何の音かも分からないけど、適当にポンポン触ったり叩いたりして、自分の動きでいろんな音が出るのが好きで。
母いわく、うるさいと怒られることもなかったせいか、ずーっとわけの分からんメロディーを延々と弾いていたらしい。
(当の本人はそんな記憶ない)
幼稚園でピアノなる未知のものと出会う
3歳くらいの頃、山形へ引っ越したばかりで、方言も分からず周りと馴染めなかった頃。
幼稚園での自由時間でなにやら黒い物体の周りに女の子がたくさん集まっていたので、自分もなんとなく見に行ってみたときのこと。
何やらこれはピアノというらしい。それを習い始めたばかりのある女の子が弾いていて、その姿がとっても楽しそう。
私「おかーしゃん、ピアノ習いたいっ!」
母「え?ピアノ?ダメ!」
初めて自分のおねだりを即却下された衝撃事件だったので、ハッキリ覚えています。
両親からしたら今までの「これやりたい」と「習い事したい」は別物。
ましてや自宅にあるのはキーボードだというのに、ピアノなんぞ金のかかることをやろうと言うわけで、当然NG。
それでもピアノを弾きたい私。その後、5歳くらいまでしつこく両親に何度も食い下がって毎回Noと言われ。
それなら仕方ない、自分で覚えればいい!と思ったのでしょう…誰かが弾く鍵盤の位置をそれとなく覚えて(多分、猫ふんじゃったとかそのあたり)、家のキーボードでも弾いてみたところ、初めてマトモなメロディーを弾いた私に母が驚愕。
母「それ、どうしたの?」
私「◯◯ちゃんがよく弾いてるの見てたから覚えた」
最初はどうせ周りがみんなピアノやってるからだろう…と思っていた両親。
却下されてからも長いことやりたいと言い続けるわ、自分で覚えて勝手に弾くまでになるわで、母は「ここまでやりたいならやらせなきゃ」と強く思ったそう。
父も「嫌になったら上手にはならないから、たとえ3日でも辞めなさい」とやっと了承。
ピアノ人生の遅いスタート
それから、母はピアノ教室のリサーチを始めたものの、なぜかその頃、周りでは空前のピアノブーム(?)。
男女関わらず(圧倒的に女子の方が多かったけど)大半はピアノを習っていたし、人気の教室はどこも空きがなくて新規募集をしていない、大手の集団レッスンのお教室はお金もかかるしあまり良い噂がない、何より娘が集団レッスンは嫌だと言う。
小学校3年になった8歳の春、ようやく空きが出たとあるお教室から連絡があり、念願のピアノを本格的に習い始めることに。
周りは3歳だの5歳だの、幼少期から始めた子が多いなか、遅いスタートを切りました。
その先生は東京の音大を出ていて、とっても優しくてキレイで、地元の大きな建築会社の社長夫人で、社会教育委員長とかもやっているバリバリでアクティブな女性。
有名な曲を抜粋して子ども向けにアレンジされた曲集を使ってレッスンをしてくれていたので、毎週どんどんいろんな曲が弾けるようになることが楽しくて、どんどん上達。
友達の少なかった私にとっては、お友達のように接してくれる存在が嬉しくて、先生に色々話していました。
学校でいじめられたり辛いことがあったとき、先生に相談したら「東京からこっちに来て、もう十分たくさんいろんなことに耐えてきたのに、頑張れとしか言えなくてごめんね、でもあなたは素敵な子だから、負けずに頑張るのよ」と、私を抱きしめて一緒に泣いてくれたり、学校で伴奏をすることになったと報告したら私以上に喜んでくれる先生は、当時の私にとっては大きな心の支えでした。
こうして、恵まれた環境でピアノをスタートした私。
次回の試練だらけ編(仮)に続きます。
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