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難しい?クラシックコンサートの鑑賞マナーを徹底解説!

クラシックの演奏会に行く!となると「厳しいマナーやルールがありそう」と思う人も多いはず。
「クラシックの演奏会」という言葉から、難しく考えなくて大丈夫です。
これはやめてね!ということも含めて、まとめてみました。

どんな服装がいい?

ライブハウスなどよりも会場そのものが堅い印象があるせいか「ジャケットあった方がいい?」「ちゃんとした格好じゃなきゃダメ?」とよく聞かれます。

清潔感があれば、カジュアルな普段着でも問題ありません。デニムやスニーカーでもOK!小綺麗な格好が好まれるのは演奏会に限らず、どこでも一緒ですよね。
「おしゃれして行きたい」「和服で行きたい」という方も会場が華やぐので大歓迎です。
客席内は湿気防止のため、温度設定がご自宅や会社と少し違います。室温に合わせて調整できる格好がオススメです。

演奏会によっては、会場のルールや座席でドレスコードが指定されていることがあります。
特にS席はドレスコード指定ということも多いので、事前に情報を確認しましょう!

<余談>
布が多いほど、音を吸収する&湿気を発しやすくなります。
ヴァイオリニストの木嶋真優さんは「冬でも薄着で来てほしい」とおっしゃっているほど。
風邪を引かない程度に薄着だと、ありがたかったりします…笑
(大きい会場だとクロークに荷物などを預けられるよ!)

差し入れや花束は必要?

有料・無料に関わらず、演奏を聴きに来ていただけるだけで、演奏者は十分ありがたいです!
何も気にせずに手ぶらでOK

出演者がお知り合いなどの場合は「差し入れや花束で労いたい!」ってこともありますよね。
お花や差し入れは、お名前と一緒に受付へ預けておけば、開演前や終演後に直接渡せなかった…なんてことも防げます。
メッセージカードやお手紙を添えて、推しに気持ちを伝えるのもアリ!

小さい会場は混雑を避けるためにお花や差し入れをお断りしていることもあります。
こちらも事前に情報を要チェックです。

座席はどこに座ったらいい?

自由席の演奏会では、座る場所は悩みポイントのひとつ。どんなところに注目したいかで、座る場所が変わってきます。
ピアノソロやピアノ協奏曲を例に解説します!

指の動きを見たいなら、左側に!

ピアノ経験がある方は、演奏時の指の動きや演奏時のフォームに注目したいですよね。
演奏者が座るピアノの椅子側=会場の中央から左寄りに席を取ると見えやすいです。
椅子の背もたれが見える、斜め後ろくらいの場所がオススメ!
できるだけ前に座るとしっかり見えます!

表情を見たいなら、右側に!

推しのご尊顔を眺めながら音楽を楽しみたい!という方は、ピアノの右側に座ると見えやすいです。
ピアノの蓋が全開になっているので、できるだけステージから近い、蓋の間から顔が見えるところがオススメです!

音を思い切り浴びたいならど真ん中!

ピアノの音がいちばん聴こえるところがいい!!という方は、ピアノの蓋の真正面=会場のど真ん中に座りましょう
ピアノ以外の楽器やオーケストラ、歌でもよく聴こえる位置なので、クラシック初心者の方にもオススメです。

演奏中はどう過ごしたらいい?

開演時のアナウンスやプログラムに記載されているご案内に従ってお過ごしください。
音を鳴らしたり、演奏や進行の妨げになるような行為をしなければOK!

ほとんどの演奏会でNGとされているのが
・許可のない撮影や録音
・会場内での飲食
・スマホの使用
・音の出る機器の使用
・客席内でのおしゃべり
・演奏中の入退場
です。
映画やお芝居を見にいくのと変わりませんよね。

演奏プログラムの予備知識は必要?

クラシック=知識が必要と思われがちですが、そんなことはありません!
プログラムに楽曲解説が書かれているので、曲を知らなくても大丈夫。

プログラムに興味が湧いたら、事前に曲を聴いたり楽曲について調べてみると、自分でイメージを持って当日の演奏を楽しめます。
演奏者によって楽曲の解釈や音作りが異なるので、同じ演目で新たな発見があるのも、生演奏の醍醐味!

演奏後にお話したり写真を撮りたい!

「感想を伝えたい!」
「演奏者が友達だから挨拶したい!」
「一緒に写真を撮りたい!」
という方も多いと思います。

終演後は「送り出し」という、演奏者がロビーなどに出てお客様にご挨拶する時間があります。
ぜひ演奏者に感想を伝えたり、お顔を見せてあげてください。

これだけはやめよう!

個人的に、演奏会は来ていただくみなさんに少しだけ非日常感を味わっていただきたいです。
また、演奏会は音楽を共有しながら楽しむ場であり、演奏者に会う・お喋りを楽しむ場ではありません

会場にいらっしゃるみなさんが音楽を楽しんで、心地よい気分で帰っていただくことが、出演者にとっていちばん嬉しいことです。
そんな環境を作るためにも、「これはやめてほしい!!」をまとめました。

<招待券・割引チケット>

演奏者に招待券や割引チケットをおねだりするのはダメゼッタイ。
原則、招待券や割引チケットは、演奏者の厚意で先生・スポンサー・ご家族・お世話になっている方向けに出すものです。

「何度も行っているのだから、招待してほしい」
「仲良いのだから、招待か割引してほしい」
など、私自身も周りの音楽家も友人・知人・お客さまから言われた経験が少なからずあります。

まず、チケット代金の全て=演奏者の収入ではありません。
演奏会は、会場や機材レンタル・プログラムやチケット印刷代・スタッフへの報酬など各経費で赤字なことも多いです。
招待券がないことも珍しくありません。

推しの演奏活動を後押しするためにも、無理のない範囲でチケットを購入しましょう!

<服装・荷物>

カジュアルでいいよ!と言いつつも、TPOは考慮してほしいっ!

例えば
・夏にTシャツ+短パン+ビーチサンダル
・露出や汚れが激しすぎるお洋服
・演奏者顔負けの華美すぎるお洋服
・匂いの強い香水をつける
などは控えるのがベストです!
ドレスやタキシードを超えるお洋服を着てくる方はいないと思いますが…笑

また、荷物を隣の席や通路に置くのは、会場の動線を塞いだり、他のお客さまの邪魔になるのでやめましょう。

<差し入れ・花束>

お気持ちは嬉しいですが、演奏者は衣装・靴・楽譜など自分のアイテム以外にも、プログラムをはじめとした備品類など、当日は大荷物です。
大きなプレゼントは持ち帰れなかったり、撤収作業に影響します。

・匂いが強いもの
・お料理やお菓子(生・半生・手作りなど足が早いもの)
・両手で抱えきれないほど大きな花束や差し入れ
・祝花スタンドや鉢植え

などは避けましょう。
特に食品類は衛生面の観点で、演奏中の保管が非常に大変です。差し入れや花束は傷みにくく持ち帰りやすいミニサイズや、LINEギフトなど当日演奏者の荷物にならないものもGood!

演奏を聴かず差し入れを渡しに会場に来た方がいる…と話を聞いたことがありますが、絶対にやめましょう!

<送り出しタイム>

送り出しは演奏者がお客さまにお礼を伝える場です。終演後とはいえ、お仕事は終わっていません

・演奏者を捕まえて長時間お話する
・プライベートな質問をする
・演奏のミスを指摘する
などはやめましょう。

会場は完全撤収の時間が決まっていて、着替えや荷物をまとめる時間も必要です。
完全撤収の時間を過ぎると追加経費がかかってしまいます。
他のお客さまへのご迷惑にもなるので、ご挨拶して感想を伝えて写真を撮ったら、速やかに退散しましょう!

ミスは演奏者がいちばんよく分かっています。言わないであげてください。

<写真撮影>

演奏を聴いてくださったことを、写真とともにSNSでなどで拡散してくださるのはとっても嬉しいです。
演奏者の認知度アップにも繋がるので、どんどんやってほしいです。
ですが…!!

・演奏者に密着したり、過度なスキンシップをとろうとする
・友人や知人全員で集合写真を撮ろうとする

という行為は絶対にやめましょう!!
送り出しタイムは終演後で汗もかいています。女性はメイクも崩れています。できれば触らないでほしい!
アイドルとのチェキタイムではないので、特に異性の演奏者には一線を引きましょう。
※アイドルでも密着したりスキンシップはダメだよ?

集合写真は演奏者が他のお客さまへのご挨拶のチャンスを失ってしまう可能性もあります。
他のお客さまの通行の妨げにもなってしまうので、撮影時には周りと演奏者に配慮しましょう。

<その他>

これまで私が出演したり、聴きに行ったりして「これはあかん…!」と思ったあれこれを挙げておきます。

・席にプログラムを置いて、お目当ての演奏者まで入場せずロビーで談笑
・お目当ての演奏者の出番が終わったら、さっさと退場してしまう
・席で演奏者のプライベートな話をする

これらは全部、演奏者のイメージダウンに繋がりかねません。
数名の演奏者で開催されるコンサートの場合は、お時間が許す限り、最初から最後まで演奏を聴いていただきたいです。

演奏者と親しいお客さま同士は、つい演奏者の話になりがちですが、意外と周りのお客さまにもお話は聞こえています。

堅苦しく考えずに純粋に音楽を楽しもう!

「クラシックの演奏会はハードルが高い」
「知らない人には行きにくい」
と思われがちですが、実は他のジャンルのコンサートと同様に気軽に行けるんです。

これだけはやめよう!に書いたことも、ごく一般的なマナーですよね。

もちろん、運営や演奏者側がしっかり線引きすることが大前提ですが、みんなが気持ち良い演奏会を作るためにお客さまもご協力してくださると、最高の環境になります。

少しでも多くのお客さまがマナーと節度を持って、演奏会の場を楽しんでくださることで、クラシックの魅力が広がっていくと思います。

ぜひ、クラシックコンサートに行くときの参考になれば嬉しいです。
質問はXのDMなどでいつでもどうぞ!

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やなぎちゃん
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただきました費用は音楽活動や書籍購入など、自分のアップデートに活用させていただきます!