TWOLAPSを辞めることを決めました!
みなさんいつも温かいご声援ありがとうございます!
突然ですが、今シーズンをもって実業団からアメリカを経て今まで約6年間お世話になったTWOLAPS TCを離れ、新しいトレーニング拠点を作ることを決めました。(安心してください、いなくなるのは楠だけです笑)
チームを離れるのはブタペストで行われる世界選手権への挑戦が終わった時。
世界陸上の舞台なのか、日本選手権なのか。ハラハラドキドキ。。。
僕のTWOLAPSラストシーズンをみなさんに楽しんでもらえたらと思います。
今回のnoteでは「なぜ辞めるのか」「これから何するのか」の2点について書こうともいます。
TWOLAPSへの想い等はまた別の機会に発信していきます。
少し長いですが、ぜひ、読んでみてください!
僕の作るチームの説明は後半部分に書かせてもらいます!それではどうぞ!
なぜ辞めるのか
結論から言うと、僕の根源でもある「人に夢を与えること」にもっと挑戦をしたいからです。
僕の言う「夢を与えること」は「夢を追いかける環境を与えること」
たくさんの人たちにチャンスを与えることです。
その想いは以前書いたこちらのnoteにも記してあります。
中距離選手として、中距離プロチームSHARKSを持つ者として、ここ数年でのSHARKSの活動は本当に満足できるものでした。
その中でDREAM陸上教室やSHARKSジュニアを継続しながら、さまざまなイベントを通してたくさんの市民ランナー、学生ランナーと接してきました。
その出会いの中で、「まだまだやれる」「もっと伸びる」そう感じさせてくれるランナーが数多くいたことが印象的でした。
「まだまだやれる」「もっと伸びる」ランナー
社会人になってから、仕事での収入を活動費に当ててトレーニングをする選手
陸上部でやっていたが何らかの理由で部には所属せずトレーニングをする選手
陸上部だがトレーニング環境がない選手
実業団に入れず、学生で競技を引退したが、まだ心残りのある選手
実業団を離れたばかりで次への環境がなく困っている選手
いろいろなバックグラウンドを持ちながらも日々奮闘し、自己ベストを更新、中には全日本実業団などでも活躍する選手もいました。
その中で僕が解決したい課題がいくつか出てきたんです。
①「誰が勝ってもおかしくない」中距離界
僕が過ごしてきた中距離界はここ数年で昔に比べると見違えるような盛り上がりを見せ、たくさんのファンに囲まれて少しずつ変わってきているように感じます。
しかし、日本陸上界での中距離選手の数というのは、はっきりいってそこまで増えていません。
世界を目指せる、日本トップの選手でさえ陸上競技で活動費を稼ぐにはハードルが高いのが現状です。
その中で中距離界から一歩引いた観客の視点で見てみると、日本トップレベルの選手しかいない中距離界の最大の長所だと思っていた「誰が勝ってもおかしくない」中距離界に弱点を感じました。
「ジャイアントキリング」がないこと。
一般的な印象で「絶対に勝つわけない選手」がいないことが見る側の熱狂を薄めてしまっているんじゃないかと感じるようになりました。
マラソンで川内優輝さんが「最強の市民ランナー」として陸上界を盛り上げてくれた。もちろん業界的には超トップランナーですが、陸上に興味のない一般の方からしてみると、「市民ランナーがマラソンで優勝!」その夢のあるニュースをきっかけに陸上に興味を持った人も少なくないはず。
一方、中距離は日本選手権、グランプリシリーズ、そういった舞台に出ていくほとんどの選手は超有力選手たち。そのせめぎ合いも魅力ですが、興味のない人の入り口が少ない気がするんです。
中距離界も一般的に「絶対に勝つわけない」と思われている選手が増えてほしい。そしてその選手たちが何十回に1回でも「絶対に勝てない選手を負かす」瞬間を通して、陸上界に「熱狂」を作って欲しい。そう思いました。
②トップ選手が集まってしまう練習環境
選手たちの中には日本で社会人で、第一線で戦うことを目指すためには、「実業団に入って陸上で給料をもらうこと」が条件のようなイメージがあります。
それはこれだけたくさんの陸上選手を雇用してくれているたくさんの企業が存在し、駅伝マラソンが陸上界を支えてくれているが故の問題だと思っています。
もちろん最短距離かもしれない。しかし中距離界にはまだ「駅伝」や「マラソン」のような素晴らしいコンテンツが存在していません。
僕が2017~18年を過ごした陸上大国アメリカでは、陸上以外の仕事をしながら選手として活動し好成績を残す選手がたくさんいました。むしろその在り方が当たり前で、日本の環境の話をすると「今すぐ俺を紹介してよ!」といわれるくらいでした。
話を戻すと、日本の中距離界で活躍する選手が駅伝選手のような環境が必ずしも必要か?と問われるとそうではないと感じています。
しかし僕たちのようにトップ選手はその母数が少ない分、より良いトレーニング環境を求めて集まってしまいます。
必ずしも閉鎖的とは限りませんが、実業団選手でもない限りなかなか近寄り難い環境だと思います。
そういった環境ばかりになってしまうと、最初に言ったように【日本トップを目指すためには、「実業団にはいって陸上で給料をもらうこと」が条件】から抜け出せなくなってしまうと思ったんです。
そこでSHARKSがプロランナーとしてチームを引っ張り、市民ランナーが高みへ行くための競争を生むトレーニングチームを作り、陸上で給料をもらっていない選手が活躍できる環境を作りたい。そう考えています。
③中距離界で競技をする人数
僕たちが伝えてきた中距離の魅力。
「短い時間の中で個性ある選手たちによる様々なレースプランから繰り広げられるレース展開」
世界一の選手がいるよ!とか日本で何番だからすごいでしょ!速いんだよ!とかではありませんでした。
ということはこのレース展開による競争は、どの中距離レースにでも起こりうる魅力だということです。
その競争をもっと多くしたい。選手のバックグラウンドが見え隠れするレースがもっと増えてほしい。
そのためにまず僕ができることは中距離選手がもっと増え、ストーリーが増え、レースが増え、魅力に触れる機会が増えることが必要なんだと感じています。
今、現在の中距離界で実業団選手に食ってかかるような選手というのはそう多くはありません。しかし僕はここ数年でそういうランナーたちを見てきました。彼らは確かにその走りを通して「うおー!」「すげー!」など仲間達の熱狂を生んでいました。
そういった想いを持った選手たちに環境を作り、中距離界で「ジャイアントキリング」を目標にする選手たちがたくさん増えることが僕たちのいるステージをさらに盛り上げてくれる力になると思っています。
これから何をするのか
この課題に取り組むためといえど、僕が今このタイミングでTWOLAPSをやめることは、大きなリスクを伴います。
それは練習環境。この要因が一番大きいです。
練習パートナーに恵まれ、優秀なスタッフに支えられ、たくさんの施設にご理解をいただきたくさん優遇してもらってきました。
新しいトレーニング拠点を作る
さてここからが本題。TWOLAPSを離れるまでの半年間、僕は一刻も早くトレーニング拠点を整えなければなりません。
次の拠点では序盤で書いた「まだまだやれる」「もっと伸びる」ランナーさんたちの課題と僕の課題を共にクリアしたいと考えています。
それは競技レベルを絞り、僕「楠康成」の練習を軸にしてたくさんの熱狂を生むチームです。
トップ選手が集まってしまい、一般ランナーが1500m3分50秒や5000m13分台など、日本陸上界でも戦える実力を付けづらい環境下で、このチームの練習環境を通してそのチャンスを掴む選手が出てくることが、僕の想いです。
トライアル
まず始動に先立ち、僕が独立するまでの期間でこれから共にトレーニングしていく練習パートナーに出会うために、トライアル期間を設けることにしました。
期間中で何度かの練習会を行いながら、トライアウトを行い、その中で才能の原石や僕の練習を支えてくれる選手に出会えたらと考えています。
練習方法
基本的に設定ペースは1つ、プロ/Tier1/Tier2の3グループに分かれポイント練習(Work out)を行います。
それぞれが練習の量を調整し、重要な部分を支え合う。といったイメージです。
例えばこんな感じ、基本僕が練習を引っ張り、練習を消化しきったTier2の選手がスピードトレーニングを目的に終盤にペーサーとして入ります。
練習会について
まずは2月に2回、「SHARKSworkout」と称して練習会を行いました。参加費は運営費用の1000円。
ここで今後のイベント的な練習会以外の、日々のトレーニングに参加する選手を募集し、発足して約半分近くの練習を主にこなしていくトレーニングパートナーに出逢いたいとおもっています。
半年後に始まるチームの練習頻度はおそらく週に1〜2回(トレーニング含む)代々木のジムも活用していきます。
半年の間でさらにたくさんの方に出会うと思いますがぜひ、ご活用してもらってご自身の競技力向上のためのコミュニティにしていただけたらと思います。
まとめ
今まで僕が出会ってきたたくさんのランナーさんのような人達の力を借りることができれば、プロ選手と一般ランナーさんが共存するトレーニングチームも作れると感じています。
このようなチームという環境を整えることで皆が日々の練習を支え合いながら強く成長し、日本中距離界に参入できる選手が増え、ワクワクが生まれ、もっともっと競争が起こる事で中距離を盛り上げていきたい。
そしてここからプロ選手、実業団にいく選手、次へチャンスを与える選手、その他のやり方でも業界を盛り上げる選手が生まれ、たくさんのチャンスを掴んで欲しいと思います!
これから何が起こるのか、僕も結構びびっていますが、一緒にチャレンジしてくれる仲間が増えることを楽しみにしています。
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