森保ジャパン最終予選2戦目へ向けて

オマーン相手に1-0ですよ。

ショックが大きすぎます。

相手にリスペクトはあるのですが流石に戦力差がありすぎて理解ができません。

敗因はざっと下記のようなことでしょうか

・選手のコンディション

①招集したい選手を全力で呼べたか否か。

欧州組では冨安が移籍で、守田が直前の試合で合流できず。3日前までに帰国していないと試合出られない(検疫の問題で)との事でした。最終予選の初戦ですから何とか早めに合流できるよう動いてほしいところでした。

②酒井宏樹のオーバーワーク問題

 これは実力があるからなのでしょうが前所属のマルセイユでレギュラー、OAでた五輪でもカード累積で欠場以外は出っ放しだったこともあり離脱(中国戦はでない)。動きはベストでなかったようにも感じました。協会が浦和や本人とうまくコミュニケーションとってリカバリーするか代役を確保すべきです。邪推ですが山根や室屋を呼んでいるのなら想定はしていたのかとも勘ぐってしまいます。酒井については無理をしないで、少なくともスタメンは控えておくべきだったと思います。

③エース南野招集問題。

2次予選で大活躍の南野を使いたかったのでしょうが彼もベンチになんとか入っていたものも結果、追加(オナイウ阿道)で選手を呼ばないといけない状態。所属での立場が確保されている選手でもないですから。監督や協会に選手選考についてここも疑問です。

④大迫のコンディション問題。

日本代表の人材が最も豊富なのは2列目だと思います。そんな状況で前線でタメをつくり、そんな選手を活かす日本人FWは大迫勇が現状ナンバーワンというのは異論がないはずです。久保健や南野のゼロトップも役割としてはできますから悪い選択肢ではないのですが森保監督がそこまで柔軟に起用をできる人物ではないのは2年半でわかっています。ブレーメンを退団し、神戸で国内復帰を果たしましたが、この試合はオマーン相手にそこまで良さがでていなかったように感じました。それなら2トップにするとか2列目において古橋と縦にするとか使い方を変えるだけで効果が変わったのではないかとおもいます。



・選手起用問題


⑤古橋の交代起用

 直近のセルティックの試合で古橋は1試合のみ左WGでプレーしていましたが、ポステゴルー監督も間違いだったと認めています。神戸でも今シーズンは中央で出ていました。代表では左で使われましたが最もいい動きをしたのはここではなかったと思います。(速さを活かすためにスペースを作り出したりできるタイプとの組み合わせが必要でサイドがダメというわけではない)森保監督が選手の特性を理解し、最も機能するポジション、組み合わせを考慮していないのが古橋の件だけでもわかります。


⑥鎌田、伊東と久保建、堂安の交代

 確かに前述した大迫のように鎌田もキープ力で周りを活かしながら得点に絡むプレーをするという良さがあまり出ていませんでした。少なくともオマーンの3センターの脇を使うプレー、バイタルを突く仕事はもっと欲しかったです。久保も堂安も中央で絡みあいながら活かし活かされのプレーが得意なだけにそこの交代は理解できます。ただ伊東については唯一相手の脅威になっていたとも見えるので交代は相手にとっても好都合。仮に運動量が落ちたという面を考慮しても、同じように縦で勝負できるキャラの選手を用意すべきだったと思います。所属先で中央で一番活躍できている久保と堂安ではなく、他の選択肢があればよかったと思うのです。



⑦柴崎岳の使い方

守田と遠藤航のコンビが2021年になってハマり、柴崎のほうもクラブでいい状況ではないとなると当然序列は変わりました。ただ欧州のシーズンがまた始まり柴崎もスタメン出場を重ねていますし、守田が直近の試合に出た以上合流が遅れる。五輪で活躍していた田中碧のほうも欧州移籍したばかり。そうなると森保体制の代表が発足後遠藤と組んでいる柴崎の起用をするとなるのは理解できます。デュエルし、パスを展開するプレーも前半の内容だけなら及第点だといえますが、失点シーンはDF陣のカバーをしきれず守備の対応が悪かったからです。守田、田中碧、もっといえばキャラが違う橋本や川辺がでていればと言わざるを得ません。433のインサイドとか守備の負担を軽減した起用をすべき選手となってしまっていますね。CBが植田だっただけに吉田のフォローをできる遠藤のフォローができつつ前にも絡める選手がオマーン相手に必要でした。彼より若い選手がでてきている以上この内容でこの布陣なら柴崎に場所はないと思います。




⑧無所属スタメン長友問題

 前半の相手のカウンターを冷静にケアしたのはさすがでした。ただコンディションの問題もあったのか、ボール扱いが雑になる場面や相変わらず一列前の原口との縦で重なる連係もいいとは言えませんでした。(監督に解決する気がないのか、問題だと思っていないのかが問題ですが) 後半には調子を上げてきた印象でしたが、VARで取り消しになったシーンや失点シーンでは前につり出されたようなところもあり、リスクヘッジを守備でするなら中山に託してもよかったかもしれないなと個人的には思いました。長友はこの試合でよかった選手の方にあげられるとは思いますが、そうなら3バックのWBにしてひとつ前で使うとかにして南野が出られない、左が攻撃できない問題を解消しておく方法の一つだと思いました。そうすれば中山、佐々木を呼んだ意味が出てきます。



・スタメン固定・世代交代の無視による選択肢の少なさ

⑨スタメン固定化はいつの時代も悪手 

 これも以前から感じていましたが立ち上げから、アジアカップ、2次予選でのスタメンを固定しすぎた結果による問題です。LSBは特に長友という好選手に頼りすぎている結果の問題だと思います。さすがに無所属の選手を使うのは好選手であってもリスキーです。ジーコやザック時代にはそれぞれの時代に欧州で活躍する選手を多く抱え自分たちのサッカーという抽象的な概念でW杯に挑み、GL突破はおろか勝利すらやっとの結果で終わっています。2次予選で組み合わせ的にも恵まれていただけに、格が最終予選より落ちる相手に試すことは、Jでも欧州でも(そこにこだわる必要もなくSBを呼んでいる韓国のように米国でプレーする選手でもいい)勢いのある選手や期待の若手を使って常に新陳代謝が必要でした。2次予選である程度起用の目途がたった小川や鹿島に復帰した安西を使うだけでもかなり試合状況が好転したのではないでしょうか。


まとめ

森保監督の資質はA代表監督にふさわしいのか

 まだ中国戦を控えてますが厳しい事を言うと、もうこの監督でいいと思っているファン・サポーターはいないと思います。(Jリーグや欧州サッカーはみない、代表戦しかみない、あるいはW杯しかみなくてその予選はみないという人なら別ですが)まずサッカー界で一般的になっているんです(今に始まったわけではなくそういう競技なんですが) 準備段階で戦略をいくつか用意する⇒相手に合わせてそれを使う⇒試合展開の変化でアレンジするという当たり前の事に対応できてません。

 欧州でやっている選手の大多数が常日頃からそれをやっているのです。(Jリーグの選手もそうでしょうが欧州レベルほどではないクラブが多い)、よくポジショナルプレーと最近はいいますが、これは最近生まれた概念ではないのです。昔からサッカーという競技をやる上で当たり前に考えることをもっと高い質、量でやれば効果的に、効率的に、試合を進められるという概念なんです。

 サッカー界で仕事をしている以上この概念を聞いたことがないわけがないですから、うまく自チームに落とし込む術、対応策を用意できていないのです。だからこそ五輪で初戦ハイプレスで準備したのが偶々メキシコにはまったからといって準決勝での再戦で全くアプローチを変えずに挑んでいなされ敗れているわけです。それで失敗しているにも関わらず、3位決定戦でスペイン相手にも同じ策を講じ、ハードワークし続けた選手たちが疲弊し、一瞬のスキを突かれて敗れたのです。にも拘わらず個の差とか、走りたらなかったとか、気持ちが足りないとか。選手が全面的に悪かったといっているのです。疲れないように戦略をかえるとか、代役の選手を選んでおくとか、いくらか考慮すべき項目があったはずなのです。

 

 よく解任論を否定する人にはじゃあ代わりは?というのですが、代わらないことによるメリットを語ろうとする人や解任論を根本的に論破する人がいないのです。少なくともプロの監督ですから内容がついてくれば試合内容が悪くても変えない選択は理屈として理解できます。ただアジアカップの決勝、コパアメリカのGL敗退、五輪世代のアジア大会(開催国でなければこの大会も3位以上にならなくてはいけません)に敗れ、W杯最終予選も黄色信号状態それでも代えなくていいと言われるのでしょうか。この悲惨な結果でもいい内容のサッカーならまだ理解できますが、何度もいいますが内容も散々たるものなんです。中継での一幕ですが、五輪・準々決勝のニュージーランド戦、延長戦に突入して選手に戦術のボードを託して任せきる監督なんてプロのカテゴリーでみたことがないですよ。諸問題を解決する優秀な監督はお金もかかりますから捜索に時間を要するでしょうが、森保監督より良くなる監督なら極端な話、誰でもいいですよ。Jの監督で交渉すべき人はいますよ。それを協会がする気がないだけです。

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