詩歌:滅びの華
肩書きに生きれば、ひとは虚飾、
年老いた者は日没に遊び、葡萄酒を餐む、
光沢ある肌の滅びを捕食。
旧い友人が置いた葉書の紐をほどく、
「善良の波のまえに父はいた」読む、
肩書きに生きれば、ひとは虚飾、
慈愛のない路に、斃れる子の孤独、
コーカやウィを売る商人は富む、
光沢ある肌の滅びを捕食。
鉛の輝き、囁き、沈鬱なる太陽の予告、
だれもが真実に歩み続けるが、行く先は虚無、
肩書きに生きれば、ひとは虚飾、
闇を掘る墓守が、戸の隙間を覗く、
愛猫家が、香油のしみる絹を揉む、
光沢ある肌の滅びを捕食。
祝福をもとめ、星へ手が届く、
愛が凪ぎ、警官が大挙し、腐臭が混む、
肩書きに生きれば、ひとは虚飾、
光沢ある肌の滅びを捕食。
詩を書くひと。押韻の研究とかをしてる。(@sagishi0) https://yasumi-sha.booth.pm/