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「僕は、組織で働きたいのです」

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に私は、貴方と結婚したいのです」

ゼクシィのCMに出てくるこのセリフがすごく好きです。

「結婚」というかつての幸せの代名詞に捉われず多様な幸せが実現できる社会だからこそ、「貴方と結婚したい」と思えることって素敵だなと思うのです。尊いです。

雇用されるのが当たり前じゃない時代

結婚と同じで、仕事にも似た流れはあります。探せば求人はたくさんありますし、人材の流動性は高まってきています。雇用されずにフリーランスとして、1人で働いて生きていくこともできます。

事実婚や同性愛など、人と人との付き合い方が多様化しているのと同じくらい、人と企業の付き合い方も多様化し、「雇う」「雇われる」という関係性は当たり前じゃなくなりつつあります。

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ランサーズさんが2019年6月1日に「#採用やめよう」というセンセーショナルな新聞広告をうったことも印象的でした。従業員を雇わない経営は、未来の話でも、イケてるベンチャーだけの話でもなく、全ての企業が直面していく逆らえない時代の流れだと思います。新型コロナウィルスによりそのスピードはさらに加速するでしょう。

組織に所属せず、個人で活躍する人は今後もどんどん増えていくと思います。

1人でも生きていける時代に、組織で働く意義

社会人になりたての頃、「会社に依存せず、個人で働くこと」に憧れていました。今振り返ると、当時の僕にとって組織に所属することは「個人として働くために市場価値を高めるための踏み台」程度に捉えていました。突き抜けたスキルも資格もない「何者でもない自分」へのコンプレックスがあったので、「一匹狼として尖ること」に執着していたんだと思います。

そのため、現職の株式会社iCAREに最初は「業務委託契約」でジョインし、毎月請求書を発行して報酬をいただいていました。その後、紆余曲折あって「労働契約」を結び正社員になっていますが、正社員になってからも個人事業主として色んな副業に挑戦しています。

社会人3年目になった今、「組織で働く」ということが本当に面白くて魅力的だなと感じるように考え方が180度変わりました。「1人でも生きていけるこの時代だからこそ、組織で働くということに意義がある」と思っています。

組織で働く魅力の鍵は「不確実性」です。1人では向き合えない不確実性に直面できることこそが、組織で働く魅力だと僕は思っています。

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「不確実性」が組織で働く醍醐味

組織で働く魅力は、「不確実性」が生み出す感情的な振れ幅です。組織で働く方が、彩り豊かな感情をたくさん味わえるということです。

個人事業主としていくつか仕事をしていて、「ひとりで働くと虚無感にさいなまれる」と気づきました。生きてる感じがしないというか、無感情にタスクをこなして納品するだけの機械になった気分になるのです。

なぜかというと、全てが「想定通り」の結果にしかならないからです。確実に約束できる範囲でしか挑戦していなくて、自分のコントロールしたい通りに作業を1人で進めるので、想定外のことがあまり起きません。

組織で働く場合は、「リスク許容度」と「他者」という変数によって不確実性が大きくなり、喜びや悲しみの振れ幅が何十倍にも大きくなります。

「不確実性」を高める2つの要因

不確実性

【1】リスク許容度

組織では個人より大きな「リスク」をとれるので、そのぶん大きな不安もあるし、大きな失敗の可能性もあります。

個人では億単位の資金も集められないし、せいぜい数百万〜数千万円規模のリスクしか許容できません。それが組織になると、数億円のリスクを取れるようになります。いろんな強みを持った仲間が1つの目的に向けて凝集していて、多少の荒波でも耐えられる船だからこそ、まだ見ぬフロンティアに挑めるのです。

リスク許容度が高いということは、それだけ不確実性を高められます。自分の限界を超えた困難な課題に挑戦することができて、アンコンフォートゾーンに自分の身を置きやすいということです。

アンコンフォートゾーン

【2】他者

組織で働くには「他者」という変数が介在します。そのため、全てが想定通りにはいきません。人間というナマモノ同士の掛け算で仕事を進めていくので、思い通りにいかないことの方が多いくらいです。

1+1がマイナスになることもあれば、100にも200にもなることがあるのが、チームで働くおもしろさです。一緒に働くのが楽しくて幸せな存在になる他者もいれば、パワハラやセクハラなど苦しみしか生まない他者も存在します。

好きなことも、得意なことも、価値観も、全く異なる他者が奇跡的に強みや思いやりを持ち寄って大きな成果を生んでいくのです。辞める人もいれば、新しく入社する人もいます。色んな他者の存在が、いろんな振れ幅をつくります。

結婚も、他者の存在によって生まれる不確実性が人生を彩るという意味で本質は同じなのかもしれません。

いろんな感動を味わいたいのです

組織で働くということは、成功するか、失敗するかわからない、「不確実なこと」にチームで挑戦するから楽しいし、成長するし、感動があります。

会社を辞めたいと言っていた仲間が、目を輝かせて前向きに仕事に挑戦する姿を見た瞬間。絶対解決できないと思っていた問題に対して、バチバチ議論して1人では絶対に出せなかった解を出せたとき。みんなの努力が実った瞬間。

不確実だからこそ、そこにはたくさんのドラマが生まれて、泣いてしまうくらい感動するのです。

早く着きたいなら、ひとりで行け。
遠くまで行きたいなら、みんなで行け。

アフリカのことわざでこんな言葉があります。組織で働いていると、「ひとりの方が効率的でストレスなく仕事ができるな」と感じてしまう場面を一度は経験したことがあるかと思います。でも、ひとりの力では、「自分が想像することもできないような景色」を見に行くことはできません。

「働くひとと組織の健康」というビジョンに向けて、みんなで不確実性と向き合って、いろんなドラマを作りながら、遠くまで行きたいなと思います。


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