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"ひと目で問題の意味が分かる”読書note102「解きたくなる数学」佐藤雅彦、大島遼、廣瀬隼也著

身近な道具や環境を使った写真で数学の問題が出題され、それを分かりやすい図解や写真によって解き方や考え方を解説してくれる、加えて、「鳩の巣原理」とか「偶奇性」とか「不変量」といった数学的な考え方についてもさりげなく教えてくれる、数学絵本のような本である。

楽しくて、まさに「解きたくなって」どんどん読み進めた。一人では解ききれないのだが、解説を読んで、なるほど~と理解していく過程も楽しかった!

ピタゴラスイッチなどで有名な佐藤氏とその仲間たちが、日常の中に数学を見せてくれているのである。

人間の重要な認知能力のひとつに「知覚の恒常性」がある。人間は、その変化した像から、対象物が恒常的に持っている元々の形や色を知覚できる。これが知覚の恒常性と呼ばれるものである。私が突発的にトイレのタイルを撮影し、そこに映っている歪んだ図形に乱暴に線や文字を書き入れたことは、問題を解く者に、結果的に、この知覚の恒常性を起動させることになったのである。「問題を自分事にした」のである。

 数学の文章は、概して、問題自体、何を言っているのか分からない
 数学の文章は、概して、義務的に気持ちにさせる

「解きたくなる数学 あとがき」

この本は、そこにある日常の中に数学の問題を置くことによって、知覚の恒常性を使って、問題を分かるようにした、ことで、解かせて、解かせてと思わせる世界を作り出している。まさに教育が取り組むべき課題に取り組んでると言っても過言ではない。

 ひと目で問題の意味が分かる。
 ひと目で問題を解きたくなる。

「解きたくなる数学 あとがき」

問題を自分事化できれば、「解きたくなる」世界が作れる!

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