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難関資格、通訳案内士国家試験の合格者に試験の苦労を聞いてみた
今回の対談は、通訳案内士試験に合格されたマミさんへのインタビューです。マミさんは本業として翻訳業をされる一方で、鎌倉でボランティアガイドを続けてきました。時代の流れとともに翻訳業の在り方が変化する中、通訳案内士という新たな道を選ばれました。今回の試験にどのように挑み、どのように勉強されたのか、その体験を詳しくお聞きします。
通訳案内士試験を受験した理由
Y(安河内)
というわけで、おめでとうございます。今回は「通訳案内士道場」で勉強されて、通訳案内士試験に見事合格されたマミさんにインタビューさせていただきます。まず、通訳案内士の試験に挑戦された動機は何だったのでしょうか?
M(マミさん)
ありがとうございます。私はずっと鎌倉でボランティアガイドをやっています。最近、同じようにガイドをしている方々の中に通訳案内士の資格を持っている方が増えてきて、それに刺激を受けたのも理由の一つです。
それから、本業は翻訳業なのですが、生成AIが進化するにつれ、翻訳の仕事が少しずつ減ってきたことも大きな要因です。
Y
なるほど、やはり本業の変化も影響したんですね。
M
はい。英語を使う仕事はいろいろありますが、自分が好きなことを考えた時に、やはりガイドが楽しいなと感じました。加えて、日本の観光業がどんどん成長していて、特にインバウンド需要が高まっています。この波に乗りたいと思ったんです。
Y
確かに、日本の観光業はこれからも重要な産業になりそうですからね。通訳案内士は、英語だけでなく、日本の文化や歴史についても深く学ぶ必要があり、難易度の高い資格です。
試験合格までの道のり
Y
何年目で合格されましたか?
M
2年目です。
Y
2年目! 早かったですね。5年かかる方もいらっしゃる中で、2年で合格はすごいです。英語は免除されましたか?
M
いえ、普通に受験しました。
Y
なるほど。一時試験の英語はどうでしたか?
M
私は翻訳の仕事で文章を扱っていることもあり、文章を読むことには慣れているので、英語の読解にはそれほど苦労しませんでした。
Y
やはり読解力が問われるんですね。一時試験の英語は比較的スムーズに合格できたとして、他の科目はどうでしたか?
M
1年目は、日本地理、日本歴史、通訳実務には合格したのですが、一般常識だけ落ちてしまいました。
Y
なるほど。ということは、2年目は一般常識の試験に集中したということですね。
M
そうです。でも、私はそもそも一般常識があまりないので(笑)、とても苦労しました。
Y
確かに、一般常識は範囲が広すぎて対策が難しいですよね。どんな勉強をされましたか?
M
とにかく新聞を読むようにしました。それから「現代用語の基礎知識」のような本も買って、できる限り知識を広げる努力をしました。
Y
しっかり対策されたんですね。そして、2年目で無事に一般常識に合格! 合格発表を見たときの気持ちはどうでした?
M
正直、びっくりしました。自己採点もしていなかったので、「え、受かったの?」という感じでしたね(笑)。
二次試験の対策
Y
合格がわかった瞬間、すぐに二次試験対策を申し込まれたとか。
M
はい。二次試験はしっかり対策しないと受からないと思っていたので、すぐに申し込みました。
Y
二次試験は本当に難しいですよね。試験の流れとしては、まず日本の事象についてのスピーチがありますが、何を選びましたか?
M
「醤油」「北陸新幹線」「トロリーバス」の3つがあり、私は北陸新幹線を選びました。
Y
北陸新幹線について2分間スピーチをするんですね。どのように話されましたか?
M
ちょうど試験前にカナダ旅行をしていたので、「北陸新幹線ができたことで、外国人旅行者にとって便利になった」という話をしました。
Y
なるほど。試験官からの質問はどんな内容でしたか?
M
「北陸新幹線の車内でお弁当を買うべきか?」という質問でしたね。
Y
面白い質問ですね。その後、逐次通訳の試験もありますよね。
M
はい、これは本当に大変でした。翻訳とは違い、リアルタイムで記憶して訳す必要があるので、とても苦労しました。
Y
メモの取り方も重要ですよね。そして最後はトラブルシューティング。どんなお題でしたか?
M
「観光地が混雑しすぎていて、外国人観光客が『もうここは嫌だ』と言った場合、どう対応するか?」という問題でした。
Y
なるほど。それで二次試験も無事に突破されたわけですね。
資格取得後の展望
Y
晴れて通訳案内士の資格を取得されましたが、今後どのように活かしていく予定ですか?
M
正直、まだ手探りの状態です。東京は優秀な通訳案内士の方が多く、仕事を取るのが大変とも聞いています。でも、とりあえずどこかの団体に登録して、色々な経験を積みながら道を切り開いていきたいと考えています。
Y
素晴らしいですね。インバウンド需要は今後ますます増えていくと思うので、この追い風に乗って頑張ってください!改めて、合格おめでとうございました。
M
ありがとうございます!
マミさんは、翻訳業の変化やボランティアガイドの経験から通訳案内士の資格取得を目指し、2年で見事合格されました。試験の難しさを乗り越え、特に二次試験の対策に力を入れられたことが印象的でした。これから通訳案内士としてのキャリアをスタートされるマミさんの活躍に期待しています!
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