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AI対人間:人間の弱点とAIの限界は何?専門家に聞いてみた?
この対談では、ど文系の安河内(やすこうち)(以下、Y)と、データサイエンスの専門家である松村(まつむら)氏(以下、M)が、AIの活用方法について議論します。特に、学術的な場でAIがどのように使われているのか、データの偏りやバイアスをどのように排除するのか、そしてAIの進化がどこへ向かうのかといったテーマを深掘りしていきます。
AIの活用とは? 文系視点からの疑問
Y: 今日はデータサイエンスの専門家と話をするということで、人々がAIをどう活用しているのか、特に学術的な場でどのように使われているのかを詳しく知りたかったんですよ。みんな、AIってどんな風に使っているんですか?
M: そうですね、結局AIをどう使うかというのは「何を知りたいのか」「何を予測したいのか」「何を深掘りしたいのか」といったテーマ設定が最も重要です。
Y: なるほど、やっぱりそういうものなんですね。AIの開発者と話すと、どうしても「AI自体の仕組み」に話が行きがちなんですけど、実際にどう使うかを考えないと意味がないんですね。課題を設定できなければ、AIも活用できないと。
M: その通りです。
AIの活用例:データ分析の現場から
Y: 例えば、アンケートの集計にAIを使うことが多いですよね。データの処理能力が優れているから、分析が速くできる。
M: そうですね。SNSの投稿を分析することで、例えばメンタルヘルスが崩れがちな人の傾向を把握する、というようなこともできます。
Y: なるほど。SNSのコメントを解析して、メンタルが不安定な人の投稿を収集し、客観的に数値分析するということですね。それって結局、最初の「お題」が重要ですよね。「AIすごいですね! でも何をすればいいんですか?」みたいな人は、AIを使いこなせないってことですね。
M: まあ、そうなりますね。ただ、課題はあちこちに転がっているので、気づく力があれば誰でも活用できますよ。
課題発見の重要性と具体例
Y: なるほど。でも、一般の人はどうやって課題を見つければいいんですか?
M: 例えば、イノシシやクマが村に出てくる問題がありますよね。
Y: ありますね。
M: それなら、「どの地域に、どの時期に、どんな条件でクマやイノシシが出没するのか」を予測するモデルを作ることができます。
Y: なるほど。つまり、「クマの出没場所や時期を予測する」ために、まずは過去の出没データを集め、それを数値化し、傾向を分析するということですね。
M: そうです。ただ、データの収集方法が大切です。例えば国土交通省や農林水産省が持っている地形データや気象データ、果樹園の分布データなどを組み合わせて分析すると、より精度が上がります。
Y: なるほど。よく分からないウェブデータを使うより、公的なデータの方が信頼性が高いですよね。
M: そうです。例えば、温度や降水量のデータと、クマの出没記録を重ねると、どんな環境で出没しやすいのかが見えてきます。
Y: つまり、「データの偏りをなくすこと」が重要ということですね。
AIの強みと人間のバイアス
Y: AIがすごいのは、データ分析の速さだけでなく、人間の持つバイアスを排除できる点ですよね。
M: そうですね。人間はどうしても「こうなるはず」という思い込みを持ちがちですが、AIは純粋にデータだけを見て傾向を判断します。
Y: 人間は、自分の仮説を崩されるのが苦手ですよね。プライドとか感情が邪魔をしてしまう。でも、AIはそういう感情がないから、仮説の反証も平気でできる。
M: その通りです。「そんなのありえない」と思っていたことが、実はデータ上では明らかだった、ということもよくあります。
AIの進化とファクトチェックの役割
Y: 最近のAIの進化はすごいですよね。特に、ファクトチェック機能が強化されている気がします。
M: そうですね。AI同士が出力をチェックし合うことで、より精度が上がっています。例えば、あるAIが記事を生成し、それを別のAIがファクトチェックする、という形が可能になってきています。
Y: 例えば、ChatGPTが出した情報を、別のAIがチェックし、それをさらに別のAIが分析する。そういう相互補完的な関係ができているわけですね。
M: そうです。そして、AI同士が学習し合うことで、加速度的に精度が向上していきます。
Y: そうなると、人間がどのAIをどう活用するかがますます重要になりますね。AIがどんなに進化しても、それを適切に使えなければ意味がない。
M: まさにそこがポイントですね。AIは万能ではなく、あくまでツールです。どのデータを使い、どのように分析するのか、最初の設計がすべてを決めます。
対談のまとめ
今回の対談では、AIの活用において最も重要なのは「課題設定」と「データの信頼性」であることが明らかになりました。データの収集方法を工夫し、バイアスを排除することで、より正確な分析が可能になります。また、AI同士が相互にチェックし合うことで、ファクトチェックの精度も向上し、今後さらに進化していくことが予想されます。
AIはあくまでツールであり、最終的にそれをどう使うかは人間次第です。今後、AIの進化を活かすためには、文系・理系を問わず、「課題を発見し、適切なデータを選び、分析する力」が求められる時代になりそうです。
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