エブリ・ブリリアント・シング感想
佐藤隆太さんの一人芝居、「エブリ・ブリリアント・シング」観劇。
観たものに順位をつけるつもりはないけど、人生一、心が揺さぶられ、思わずこのnoteを始めてしまった。何か書き残さずにいられない気持ちになってた。
舞台は、イマーシブシアター、観客参加型で、客席に入ったら既に佐藤隆太さんがカードを配っていて、劇中、番号を言われたらそのカードを読み上げる、加えて、突然、父親、恋人、カウンセラーなどに観客が指名されて、セリフも言ったり…
それにしても、みんなすごく上手だったり味があったなぁ。
テーマは、自死、鬱、大切な人と心が通じない、など重いけど、主人公が日常のブリリアントなものを鬱を患う母親のためにリストにしていくというもの。
アイスクリーム、ジェットコースターから、夜更かし、誰かをすっ転ばすこと、感動的な場面に場違いな音楽…など、クスッとくるものも。
何だか、もう、リスト5番目ぐらいから泣けて泣けて…
個人的なことで不快に感じる方がいたらごめんなさい。
2年前、がんが見つかり、手術、治療、副作用と経験してきて、1日に何回も、死ぬときって痛いのかなぁとか、死ぬと大好きな人と会えなくなるんだなあとか考えてしまう。いや、治療はうまくいってるし、お医者さんのことも、本当に信頼し、周りに支えてもらっているんだけど。
だからこそ、一つ一つのブリリアントなことが、すごく大事に素晴らしく思えて、自分もリストを作りながら観た。そしたら、病気になってから気づいた、周りの人からもらったすべてのことが本当に輝いて見えてきて、涙が止まらなくなってしまった。
最近、読了した宮本輝の「骸骨ビルの庭」の中で、ある人物が、人間は何のために生まれてきたのか、と問われ、その問いに即答、かつ断言するのです。
自分と縁する人たちに歓びや幸福をもたらすために生まれてきたのだ、と。
そんなことも考えながら観た。病気になって気づいた、周りの人からのブリリアントシングに、今から自分は何が返せるんだろうと。
佐藤隆太さんからも、今夜素晴らしいものをもらったなあと感じながら、本当に忘れられない舞台になった。
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