薬を知る
10月に入りました。
今年もあと3か月程になりました。
あっという間に秋になりましたね。
好きな言葉をお伝えします。
「一日生きることは、一歩進むことでありたい」
(湯川秀樹)
医薬品開発
医薬品の開発には
10年以上の時間と数百億~数千億円規模の費用が必要です。
創薬の過程は大まかに
1.薬物標的の同定~リード化合物最適化
(2~3年)
↓
2.非臨床試験
(3~5年)
↓
3.臨床試験(治験)
(3~7年)
↓
4.申請承認
(1~2年)
成功確率は
年々低下(20年前:1/1.3万→現在:1/2.3万)し、
難易度が上昇しています。
新規モダリティ世界医薬品売上高推移は、
新規モダリティ比率が年々上昇しています。
新規モダリティとは
EvaluatePharmaの
“Technology” における “Biotechnology”に分類される品目で
次の医薬品が該当します。
抗体、組換えタンパク、遺伝子組み換えワクチン、核酸医薬、遺伝子細胞治療、遺伝子治療、細胞治療、腫瘍溶解ウイルス
遺伝子組み換えワクチンの例として、現在、新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク質に対するワクチンが国内外で承認を受けており、日本でも接種されています。
後発医薬品とは
「先発医薬品」とは、最初に開発・承認・発売された医薬品のことで、新薬とも呼ばれます。
新薬を開発したメーカーには、特許権が与えられ、20~25年の特許期間中、その薬を独占的に製造・販売することができます。
これに対し、上記新薬の成分特許が満了した後に、厚生労働省の承認のもと、他の医薬品メーカーが製造・販売する同一の有効成分の医薬品のことを「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」と呼んでいます。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認され、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
後発医薬品を普及させることは、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資するものです。
後発医薬品の使用割合
後発医薬品のある先発医薬品」及び「後発医薬品」を分母とした「後発医薬品」の使用割合は、
78.3%です。
(2020年9月現在)
薬効分類別後発医薬品使用割合は、
高脂血症用剤 84.3%
血圧降下剤 82.1%
消化性潰瘍用剤 82.6%
解熱鎮痛消炎剤 84.1%
糖尿病用剤 81.6%
アレルギー用薬 79.1%
腫瘍用薬 76.4%
不整脈用剤 76.3%
催眠鎮痛剤、抗不安薬 69.1%
精神神経用剤 67.3%
抗てんかん剤 59.2%
医薬品の供給課題について
現在、医療用医薬品、とりわけ、抗菌薬等の医療用医薬品について、以下の課題があります。
1.採算性等の関係で、世界的に見て、中国等の特定国の少数の社に医薬品原料物質や原薬の製造が集中
2.現地の環境規制対策等により生産コストが上昇
3.品質基準に対する対応の遅れや追加コスト発生
4.複数の国に製造工程(サプライチェーン)がまたがっている
供給不安、欠品に至った事案について
原因は、
品質問題(30%)、需要増への対応(29%)、医薬品適正製造基準(Good Manufacturing Practice; GMP)等への対応の遅れ(21%)に起因するも のが上位を占める。
後発医薬品の報告が半数を超え、先発医薬品は 34%、その他の長期に収載されている医薬品 11%である。
内用薬で6割を超え、注射薬 30%、外用薬8%である。
参考資料:厚生労働省ホームページ
最後まで読んでいただきありがとうございました。