起業・開業する前に知っておきたいデザインの準備④
起業や開業でコミュニケーションツールを一から制作する場合、ロゴからホームページ、名刺、ショップカード、封筒、カタログやパンフレット、ショッピングバッグやギフトラッピングなど多岐に渡ります。
場合によってはしっかりとしたコミュニケーションマニュアルやブランドブックまで必要になるかもしれませんし、什器や内装、照明計画などにも影響を及ぼすでしょう。
もちろん、ロゴはA社、ホームページはB社、什器はC社と分けて発注する事が絶対にダメという訳ではありませんし、これまでのお付き合いなどもあると思います。
しかし開業準備で多忙な中、それらを取り纏めて一体感のあるお店のビジュアルを作ることは至難の技で、それなりの会社の販促部門などで外部クリエイティブに発注経験のある人じゃないとまず不可能です。たまにサラっとやっちゃう人もいますが稀です。
さらに、ここで重要なのはロゴデザインなのです。
そりゃあ、お店の顔なんだから当然と思われた方。正解です。でももっと正解があります。それは、
ロゴがブランドの全てを表現しているから。
なのです。
優れたクリエイターなら、特に開業や起業の段においていきなりパンフレットやホームページを制作する事は無いと思います。
まず、お店の全てを表し顧客と最初のタッチポイントとなるロゴ(CI/VI)の策定に取り掛かるはずです。そこに至るには、オーナーであるあなたの単なる好き好みを要望として受け入れつつも、お店やケーキに対する想いはもちろんターゲットやコミュニケーションの策定にブレが無いか、商品にはどんなベネフィットがあるのか、全て聞き出し調べ出し形作っていきます。
そうして全てが詰まったロゴマークを最初にデザインし、そこからお店の内装・雰囲気、ホームページやチラシといったツールに波及させていくことにより、全てが統一されたブレのないコミュニケーションが可能となるのです。
これがブランディングの第一歩なのです。
ブランディングと聞くと高尚な、難しそうな印象を持たれるかもしれませんが、ブランディングとは、見た目が一緒の家畜を区別するために数字やイニシャルをそれぞれに割り当てた事が始まりと言われています。つまりブランドとは“区別すること”が一番根底にある目的です。
その目的に到着するためにはもしあなたがいきなり紙袋屋さんに、ホームページ屋さんに、印刷屋さんに走っていたとしたら今すぐストップさせて信頼できるデザイン事務所を探しましょう。その業者さんの中でコミュニケーションデザインを統括できるところがあれば、改めてしっかりと一から依頼しなおしても良いです。
個々に走り出し、あれよあれよとお店もオープンしてからの方向転換や調整は想像以上に手間も時間も、そして当然ながら余計なお金など凄まじいエネルギーが必要になってしまいます。
これは開業まもなくして大繁盛してあなたが多忙を極めていても、逆にお店に閑古鳥が鳴いていても、どちらにしてもとても難しい事だと思います。
Photo by Tyler Nix on Unsplash