8/3 虎跳峡→大具
午前中、直子さんのカフェでまったり過ごし、昼食後出発しようとすると雨が降り出した。雨の中を出発するのはつらいので、やむのを待って、予定より1時間半遅れの14時出発。15時前に舟の渡し口の入り口に到着。これなら自転車を担がなくても、乗ったまま降りられるじゃん。と石のゴロゴロした悪路を自転車に乗ったまま降りていく。すると、渡し口手前500mの辺りでパンク。やっぱ乗ったまま降りるのは無理でした。向こう岸を見ると、舟を下りてから一般道までの高低差は100m。しかも自転車を担がなくても、押して上がれそうな感じ。実際、階段など少し担いだけど、ほとんど押して上がることができ、1時間を覚悟していたのに、15分ほどで上がることができた。
直子さんのだんなさんの言うことには、ここから1,300mの上り。できることなら今日中に400mは上っておきたい。今、16:20。18:00までには400mくらい上がれるだろう。しかし、問題はそこに宿があるかどうか。あるわけがない。民家があれば民家の庭に、なければ適当な所にテントを張らせてもらおう。そして麗江を目指して走り始めると・・・。なんや、この道は!拳大の石を敷き詰めた道で、とても自転車に乗って走ることはできない。平らな石ばっかりじゃないので、石の3分の1が道に突き出ているという感じ。自転車に乗って走ると振動が激しく、2分くらい乗ったら30分押して歩く、の繰り返し。これじゃあ、400m上るのに4時間くらいかかるかも。
運悪く、1時間すると雨が降り出した。この雨は止みそうにない。(実際、翌朝まで降り続いた。)つらい。2時間もたつと、もう乗って上がる元気もない。雨の中、ただひたすら自転車を押す。この上り道からはずっと出発した村が見下ろせるので、今自分がどのくらい上ったかがわかる。3時間経った。少なくとも400mは上がっただろう。とりあえず今日のノルマは達成だ。テントを張る場所があったら、そこで終わりにしよう。でも、できることなら民家の庭にテントを張らせてもらいたい。それからさらに30分ほど押すと民家があった。門をくぐり、中にいた人(母親)にジェスチャーでここにテントを張らせてくださいとお願いした。すると、ためらうことなくOKと頷いてくれた。ホッとした一瞬である。軒下のコンクリートの上にテントを張らせてもらうと、父親が大きな段ボールをテントの下に入れてくれた。段ボールがあるだけで保温性・クッション性が全然違う。「グッ、ジョブ。おっちゃん!」寝床の準備ができると、父親が「晩飯を食え」と勧めてくれる。申し訳ないので断ると「遠慮するな、食え」とジャガイモ2個を焼いて、卵チャーハンを作ってくれた。それからチーズのようなものも出してくれた。おそらくぼくの食べたこの夕食は、今日この家の人が食べた夕食よりごちそうだっただろう。本当に申し訳ない。夕食後テントに入るとすぐに眠った。下に段ボールがひいてあることと、上に屋根があるのでテントが雨に濡れないということが、非常に快適な眠りに誘ってくれた。