見出し画像

8月9日 湯古→窩堡

 朝8時に朝食を頼んでいたけど、奥さんが起きてきたのは8時半。おいおい、頼むよ~~~。朝ご飯になんとか麺を作ってくれたが、ラーメンと呼ぶには味が違いすぎる。でも、まずくはなかった。9時半に出発。天気はかろうじて晴れと呼べる天気だ。九龍まではここから15km。九龍に着いてからはどうするか?走れる日数は今日を入れて3日ある。予定通り三岩龙を目指して行けるとこまで走ろうか?九龍周辺には景勝地が2カ所あるので、九龍に3泊して、そこを起点に日帰りサイクリングをしようか?それとも、3日あるので、成都に通じる高速が走っている町、冕寧(ミンネイ)まで走ろうか?三岩龙を目指すのが一番予定通り成都に戻れないリスクが高い。冕寧まで走る案は一番予定通り成都に戻れる確率が高い。とりあえず、九龍まで走ろう。
 快適な軽い下りの舗装道なので、1時間もせずに九龍に着いた。ホテルもある結構大きな町だ。町の中心広場にある土産物店を覗いてみた。めぼしいものはない。商店街をゆっくり走る。150円の靴下を2足買う。う~ん、どうしよう。天気は曇り。この天気じゃあ、景勝地に行ってもなぁ。また、この町も3泊したいと思うほどではない。冕寧に向かおう。成都への高速が走ってる冕寧までは230km。ここの標高は2880m、冕寧はおそらく5~600m、途中に峠は1つでおそらく+300mほど、道路は舗装されているだろう。だったら、間違いなく明後日には着く。たぶん、明日中に着くんじゃないかな。
 九龍を出ると、すぐに砂利道になった。舗装が痛んだので、再舗装の工事をする前のようだ。まあ、仕方ないし、そんなに長くは続かないだろう。思った通り、1時間ほどできれいな舗装道になった。しかも軽い下り。途中、1km以上のトンネルが1つ、1km弱のが2つあったけど、25km/hで順調に進んでいく。ちっちゃな集落をいくつか通り過ぎ、どんどん先に進んで行く。本当に快適だ。15時半、走行距離は100km、降下高度は1300m、鳥拉渓に着いた。ちょっとした町だ。そしてなんと町の入口に散髪屋がある。ここで散髪をして行こう。当分、頭を洗ってないし、髭も剃ってない。散髪屋に入って、理容師(30代女性)にジェスチャーで髪を切ってとお願いする。すると何か言ってくるのだが、分かるはずがない。でも、おそらくどのように切るのか聞いているので、店に張ってある適当なポスターの男性モデルの写真を指さして、こんな風に切ってほしいと伝える。散髪が終わって、髪を洗ってほしいと伝え、洗ってもらう。とても丁寧に洗ってくれ、ぶちぶちうれしい。髭も剃るかと聞かれ、うんと答える。ぶちぶちさっぱりした。浮浪者からこぎれいな旅人に変身した。値段を聞くと400円。安い。きっと本当は600円だけど、いい男だったので、まけてくれたんじゃなかろうか。

 再び自転車をまたいで走り始める。中国の田舎って感じの町を味わいながら、自転車を漕いで行く。18時を過ぎてから、そろそろ宿があったら泊まろうと思い始める。でも、そんなにちょうど良く宿があるわけがない。宿がないかなぁと思い始めたら、脚が重くなる。30分経った頃、おじさん3人組が声を掛けてきたので、止まって、この辺に宿はないかと聞いてみた。するともう少し先に行くとあると言う。ちょっと安心して、先に進む。30分ほどで、想像してたより、かなりいい宿があった。ホテルと言ってもいいくらいの3階建ての建物だ。部屋に案内してもらうと、やはり、かなりきれいな部屋だった。バスはないけどシャワーはちゃんとお湯が十分出る。まさかこんないい宿がこんなド田舎にあるとは。で、料金を聞くと、1200円。びっくり~。2000円はすると思ったのに。
 荷物を整理して、食堂に行き、夕食を頼んだ。何が食べたい?と聞かれたので、ジェスチャーで「辛くない物をお願い」した。料理を待っていると、隣のテーブルの若い男女5人組がこっちに座れよと誘ってきた。誘われるままに隣のテーブルに移ると、「これ食べなよ。」と料理を勧めてくれる。辛くなさそうな物を選んで皿に取り、遠慮なく頂く。言葉は通じないけど、外国人が珍しいようで、彼らは勝手に盛り上がっている。料理もどんどんぼくの皿に入れてくれる。適当なところで、切り上げて、部屋にもどった。1週間ぶりのシャワーを浴びて、ベッドに入った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?