8月3日 66㎞+登坂高度800m
朝になった。雨もあがっている。頭はちょっと重いが、呼吸は意識する必要がなくなった。でも、息を止めると、やはり3回大きく急いで息をしないと元に戻らない。
スープを作って、朝食を済ませ、8:45出発。もちろん、自転車を押して。1時間ちょっと自転車を押すと、峠に着いた。標高は4,200mくらいか。ここから2,600mの雅江までは下りだ。昼までには着くだろう。と思っていたら、ひどい悪路。一応舗装はされているが、かなりでこぼこで、あちこちに穴が空いている。時速30~40kmで一気に下る予定が、時速15kmしか出せない。つまりブレーキをかけ続けなければならないので、腕は疲れるし、振動で頭も痛い。しかも、大げさに言うと200m下っては100m上りの繰り返しなので、平均時速は10㎞/hにもならなかった。途中、テントを干したり、昼食をとったりで、雅江に着いたのは16時。どうしよう。今日はここに泊まろうか?でも、明日も4,000m超の峠が待っている。ここは2,600m。こんなにアップダウンが繰り返されるのなら1日で1,400mはムリ。やはり今日中に3,000mの地点までは上っておこう。
水を5㍑、食料を2日分調達して、走り始める。10分後には押し始める。2時間後に3,200mまで届いた。今日はここら辺りでテントを張ろうと思っていると、道班があった。道班とは、道路を作る作業員のための宿泊所で空きがあると、泊めてもらえる。道班のおっちゃんに泊めて欲しいとジェスチャーすると、もう、ここはやってないので、泊まれる状態ではないと言う。それなら、ここの庭にテントを張らせて欲しいと頼むと、快く了解してくれた。テントを張っていると、雨が降り出した。参った。すると、元道班のおっちゃんが1つ部屋を開けてくれ、穴の空いたベッドの上に板を置いて、ここを使えと招いてくれた。ありがたい。マットと寝袋があるので、ここで十分だ。雨の中にテントを張るよりも、はるかに快適だ。お礼に20元(300円)を渡そうとするが、受け取らない。何か飲ませて欲しいというと、部屋に招いてくれ、バター茶を飲ませてくれ、ご飯までついでくれた。バター茶は美味しかったが、ご飯はパサパサで冷たく、まずいので、残してしまった。それでも、おっちゃんのもてなしがうれしかった。
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