8月2日 新都橋→15㎞+500m(登坂高度)
新都橋に10時到着、まず自転車を組み立てる。地元の人が珍しそうに立ち止まって見て行く。組み終わり、荷物も取り付け、最後に段ボールや発泡スチロール、荷造り用のあのプラスチックでできた平たいひもPPバンドを処分しなくちゃいけない。見ていた地元の人に、これどこに捨てたらいい?とジェスチャーで聞くと、すぐ横を流れる川を指して、そこに捨てれば。いやいや、それはできない。近くにゴミを焼いてるドラム缶とその横に集められたごみが置いてあったので、その横に置かせてもらった。ごみの量が一気に3倍になった。申し訳ない。m(__)m
それから、ゆっくり昼ご飯して14時に出発した。新都橋の標高は3,500mである。最初のうちは自転車をこいでいたが、標高が3,800mくらいを超えると、呼吸がしんどくなり、友人は少し頭痛も出始め、自転車をこぐことができなくなった。「ふうー」「ハッ」、「ふうー」「ハッ」、意識して呼吸をしながらひたすら自転車を押す。トラックが横を通り過ぎる。黒煙を避けるため、息を止めて、黒煙が流れていった後、再び呼吸を再開すると、1回では酸素が足らず、苦しいので、あわてて「ふう」「ハッ」「ふう」「ハッ」「ふう」「ハッ」と3回大きく急いで息をする。これでやっと元に戻る。
標高が4,200mを超えた。今日はここら辺が限界か。3,000mを超えたら、1日に上げる高度は500m以下に抑えておかなければならないらしい。今日は2,500mから一気に4,000mまで上げてしまった。無理をし過ぎたか。適当な場所を見つけ、テントを張った。
今日はぶちぶち疲れた。スープを飲んで早く寝よう。そう思ってお湯を沸かそうとしたが、「しまった!ライターがない!」ライターは機内預けでも持ち込めず、空港で没収されたんだった。パンと水だけではひもじいので、通る車にライターを貸してもらおうと、道に出た。1台目、通り過ぎる。2台目、止まってくれたが、ジェスチャーが通じず。3台目、助手席に座った男には通じなかったが、運転手が理解してくれて、ライターをくれた。やった。これでスープが飲める。
パンとスープとドライフルーツの質素な夕食を終え、テントに入る。セーターとフリースを着て、ダウンの寝袋に入って横になる。「ふう」「ハッ」「ふう」「ハッ」、まだ意識して呼吸をしないと苦しい。しばらくすると、うとうとしてきた。すると、呼吸から意識が離れるので、苦しくなり、ハッと目が覚める。これを何度も繰り返していると、雨が激しく降り出した。しばらくすると、雷まで落ちだした。しかもかなり近い。電柱の近くにテントを張っているので、雷がテントに直接落ちることはないが、水や土砂でテントが流されるおそれがないとは言えないので、テントの中でカッパを着たまま寝ることにした。もしもの時は急いでテントから出て、自転車もテントも捨てて、道行く車に助けを求めるために。さらに友人はテントを引き裂いて脱出しなければならない可能性も考えて、ナイフを手に持ったまま寝たそうだ。