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鉄拳8 ヒートシステムをどう使うか【セオリー考察】

ヒートシステムの「解説」より「セオリー」を知りたい!

鉄拳8の特徴であるヒートシステムですが、メーカーなども熱心にそのシステムの説明をしてくれた反面「ヒートになって何をしたらいいのか」「何のためにヒートになるのか」「どうやってヒートになるのか」「いつヒートになるのか」という狙い、言うなればヒートシステムのセオリーがテキスト化されているサイトがなかなか無かったので、今回、数キャラ使って見えた鉄拳8のヒートシステムの本質とセオリーについて、自分が対戦で得た知見を書いてみます。


なぜヒートを使うか 最大の狙いを知ろう

一言で言うと一気に相手を倒すためである。ヒートになると

①ヒート状態専用の固有技と特典によって立ち回りが強化される
②体力が削れるようになる
③強力な必殺技「ヒートスマッシュ」が使える

ヒートで強化される内容や技はキャラによって違う。ヒートの全体観が今いちボケる理由でもある

④ヒート導入技がガードで超有利、ヒットでコンボ始動技に進化する「ヒートダッシュ」が使える

からだ。ただ、この4点がそれぞれ奥が深いものとなっている。そのため、ヒートの全体像が始めてすぐには掴みにくくなっている。ヒートを知るためには鉄拳8から新しく導入された「白ゲージ」について完璧に理解しよう。※④を離しているのは、まず上位3点が超重要だからである。④は①~③に完全に慣れてからでいい。

ヒートを知るには白ゲージを理解する

黄色の枠に囲まれたゲージを見ると、透明な枠のゲージがある。これが白ゲージ。

白ゲージとは「回復可能ダメージ」と思えば良い。固有の技には白ゲージを付加して与える技があり、また体力を削る技も白ゲージとして削る。回復可能ダメージがヒットして蓄積して赤ゲージをゼロにするとKOだが、削りでKOはない点は注意。白ゲージを消して回復出来なくする方法は、各キャラ固有の白ゲージ消失技を当てることと、特に全キャラ共通なのはレイジアーツを当てること。では、白ゲージからどうやって体力を回復するか。ここからが本題なのだが、投げはまず白ゲージを幾分か回復する。自分の体力バーに白い要素が多かったら、投げは一つ考慮に入れよう。

しかしそれより何より回復するのが「ヒート始動技を当ててヒートに入る」である。すなわちヒート状態になる五つ目の利点は「体力が回復すること」と言っていい。

白ゲージが多い=「ヒート始動技を当てて回復」というのをひとつの目標にしよう

開幕から始動技を喰らって壁までにげっそり減らされても、ヒート始動技を当てさえすれば超回復して体力差が逆転することもある。これによって思わぬタイムアップ勝ちを拾ったり、普段より多く体力を持ったままレイジの時間を過ごせたりする。今作で体力ミリの相手を取りこぼすことは過去最高のリスクを背負っていると言える。ちなみに白ゲージをどう減らすかは、詳しくは省くが、白ゲージ喪失技というのが各キャラ割り当てられていて、全キャラ共通ではレイジアーツが殆ど相手の白ゲージをかき消してしまう。これを計算に入れるとより鉄拳8の勝率が安定する。

ヒートになった時の恩恵はキャラによって個性がある

ヒートになることの恩恵をもう一度確認しておこう。①立ち回り強化②削り力アップ③ヒートスマッシュ使用可能④ヒートダッシュ使用可能(ヒート始動技が一度だけ超高性能になる)の4点だった。どのキャラもこの恩恵を受けられるのだが、その中でも①恐ろしい2択を持つ②削りまくれる③ヒートスマッシュが超高性能ーのいずれか一つ、あるいは二つを持つキャラが殆どで、3つ全てを兼ね備えるキャラはほぼ皆無。

例を挙げると、リリはスパインシュートによる削りとラビットエア2択が強化され、壁際では無類の強さを誇るが、ヒートスマッシュの性能がイマイチ。逆に凖やアズセナ、ジャック、平八はヒートスマッシュが高性能だ。麗奈やヴィクター、クライヴなども固有技が強力で、連発しながら体力を削るが、ヒートスマッシュの性能はイマイチと言った具合である。

リリのヒートと言えばラビット2択。一方ヒートスマッシュの性能はイマイチだ。

キャラのヒート状態が①~③の度の点に特化していて、どういうタイミングでヒートになった方がいいかがわかると、試合の方針が立てやすくなる。一応、どのキャラもヒートになったら相手に触ることで強さを発揮するので、壁際でヒートになるのが最も効率がいいと言える。そこで、壁コンボに組み込んで、ヒート状態で起き攻めをする、というのが平均的なセオリーにはなる。

先になった方がいいか、後出しがいいか

これはかなり議論が分かれる問題で、上級者でも早出し派と後出し派がいるようだ。しかし、認識として持っておくべきことは、「先にヒートが切れると恐ろしく不利」ということ。理由はヒート始動技を当てると白ゲージが回復してしまうことが大きい。ヒートを使って体力を奪うと、削りを始めとして相手に白ゲージ付きで体力を追い詰めることになる。ここで倒し切れず、しかも相手の反撃が通って攻守が入れ替わってしまうと、相手が白ゲージを回復しながらヒートを使って攻めてくる一方、こちらはもうそこで奪われた白ゲージを回復させるヒート始動技がない、ということになる。つまりヒート始動技を撃てなければ、白ゲージが実際のダメージとほぼ同等の意味を持ってしまうのだ。上級者はヒートになったら必ず倒し切るというイメージで対戦しているようだ。ただ、実際のランクマでは、特に神段の前半ぐらいまでは、こうした白ゲージの意識をそこまでしない人が多く、そのため先にヒートになり、白ゲージごと奪っていく方が経験としては勝ちやすい気がする。

↑ノビさんによるヒートの使い方講座。どこで使うかのタイミングについて言及されている。ただ、かなり上級者向けの内容であることは間違いない。

入り方はヒートバーストか、始動技か

好みの問題ではあるが、ヒートバーストは相手の攻撃を受けとめて状況を有利にする性質があるので、ディフェンスの意味でヒートバーストを使う手はある。このヒートバーストを誘って横移動でかわして浮かす「発動狩り」というテクニックもあるが、高等テクニックだ。鉄拳王、鉄拳力25万前後の戦いまではお目にかかることがない。理由はヒートバーストが左右どちらに弱いかがキャラによって違うためだ。全キャラのヒートバーストがどちらに強いかを把握、または対戦中に認識できる人は鉄拳神以上の上級者だろう。その意味でヒートバーストを2D格闘ゲームの無敵技のように切り返しで使う使用法はあながち間違っていない。

ヒートへの入りの見通しが立たない時はヒートバーストを使おう

しかし結論としてはヒートの入り方はやはりキャラによるというのが個人的見解だ。例えば麗奈は雷電(66RP)からのLK派生でヒートに入る機会が非常に多い。こういったキャラがわざわざヒートを3分の1吐いた状態になるヒートバーストを使うのはもったいないのだ。強力な固有技WKRKRKを3回ガードさせるには始動技から入るのがベストだろう。

麗奈は簡単にヒートに入れるので「入り」は高レベル帯では逆に調整する必要があるかもしれない

一方、クライヴは壁コンボや中央コンボの後、ヒート固有技で触りまくって80近く体力を削れるため、無理やりにでもコンボに組み込んで起き攻めで触るという使い方が強い。特に壁コンボでは、組み込むとかえってダメージが落ちるのに、WPで締めるとクライヴが有利で、その後ヒート技で触って体力を削れるため、無理やりコンボに組み込んでいた。

クライヴは壁コンボにヒートバーストを挟むとダメージが下がるが、壁際でヒートになれば勝てる

ヒート状態になった後、どういう計画でヒートゲージを使い切るかを事前に用意できるようになれば、ヒートシステムにある程度習熟したと言っても差し支えないだろう。

ヒートダッシュについて

ヒートダッシュまで把握できたらヒートシステムは一通りマスターしたも同然

ここまで説明してこなかったがヒートには4つめの利点「ヒートダッシュが使用可能」がある。この意味は①確反のある強力な技を有利にする②コンボを伸ばす(ダメージを純粋に足す方法と、壁に到達させる目的の2つがある)③コンボ始動技を増やす。この3つの用途がある。①ヒートゲージを使わずにラウンドが終わりそうな時は意識したい。例えばフェンのガクスンコウなど、普通にガードされたら確反で浮いてしまう技を、一度だけ当てて有利な技に変えてしまう。そこからの2択も事前に用意しておき、最後の抵抗をしよう。②のコンボを伸ばす場合は、壁に運ぶ使い方はかなりの壁把握力が必要になるため、鉄拳神以上の上級者帯になるまでは、あまり意識しなくてもいいのではないかと思う。殺し切れる時はヒートバーストをコンボに組み込み、さらにトルネード後の追い打ちをヒートダッシュできる技で締めてプラス一撃でダメージを伸ばそう。③は①の技が兼ねていることが多いが、通常では狙えない位置からコンボを狙えたりすることがあるため、相手が警戒を解いていて当てられたりする。リリのLKLPなどはかなりの高ダメージコンボを狙えて起き攻めもついてくる。中央でヒートになってしまった場合は、スパインシュートの削りかLPLK狙いだ(リリの項目でも解説)。

ヒートシステムへの慣れ方

かなり情報量が多く、どう使えばいいのかの定説も決まってないので、ヒートに慣れるのには時間がかかる。攻撃する側が有利という理由で、古参プレイヤーが去ってしまう兆候も見られたが、個人的にはそれはシステムというより、結局全キャラのヒート事情を把握するのが困難で、必要とされる知識の前にプレイを断念したケースも少なくないだろう。

そうした中でどうやってヒートシステムに慣れるか、だが、単純に「ヒートスマッシュ」が強いキャラを使ってみる、というのはわかりやすい。凖などは打ってつけだろう。ヒートになったらヒートスマッシュが使える、という所から入るのはわかりやすいヒートシステムの特徴だ。次に、削りを狙うということをやってみよう。これで白ゲージのことを理解できる。

キャラ別ヒートの吐き方

リリ

始動は固有技のLKLPが狙い目だが、レベルが高くなってくるとこの技を当てることが難しくなってくる。ヒートに入るとラビットエアの下段が強化されるので、壁際で2択をかけることがヒートの目的。そのことを考えると壁コンボに組み込んでしまうのが効率がいい。壁やられ中の相手にヒートバースト>RP>屈RP>スラッシュヴァインでリリがかなり有利になるため、比較的安全にラビットエアを重ねられる。派手な動きは下段を想起させるらしく、相手はしゃがみガードしていることが多い。中段8割下段2割で2択をかけよう。逆に、LKLPが中央で決まってヒートに入った場合にはスパインシュートで体力を削りまくることと、LKLPをヒットさせての高火力コンボ+起き攻めを狙おう。メニューはLKLP>HD>4RPLP×2>4RPLP6LK>トルネード>3WKWK>背向け2択だ。これで試合を決められなかったら負ける、ぐらいの気合でLKLPを決めたい。

ラース

ヒートの狙いはRPLP確反や1LPLKからLE移行しての2択。問題は入り方だが、SE中LP、LPLPLPなどが入りやすい。床が破壊するステージでは、コンボの締めにヒートスマッシュを当てて、さらにレイジアーツを狙ってみよう。フラヒから入ると120近いコンボが簡単に決まり、見た目も気持ちいい。

麗奈

ヒートの入りは雷電>LK。簡単にヒートに入れるキャラ筆頭。麗奈はヒートバーストは使わないでいいだろう。狙いは固有技のWKRKRKを3回ガードの上から当てて削ること。もし相手が対応を間違ってヒットでもしたら、そのラウンドはほぼ勝ち。横移動でかわされたり、暴れられたりすることも想定して、その準備もしておきたい。このキャラはヒートスマッシュも特に強くはないので、シンプルに削り狙いでいい。

クライヴ

既に前述の項目で詳しく解説した通り。中央でも壁コンボでもヒートバーストを吐きながら起き攻め可能な締めにしてヒート専用の8WP派生で触って削りまくろう。6WPがヒットしやすいので、その場合はスラッシュからヒート専用派生を出しても削れる。炎のエフェクトがうるさいのでモーション認識に集中することも難しく、ヒート状態での剣技の削りは相手の戦意もかなり喪失させる効果がある。

ジャック

何と10フレで発生する全キャラ最速のヒートスマッシュが真骨頂。ガンマハウリングからの派生で10フレ有利を得る技があるので実質ガード不能で出せる。始動技は6WPが最適。

ヴィクター

4WPのパワクラ、2RPでヒートに入るのがやりやすい。入ってからの狙いは8WP。この技で削りまくるのが簡単。レベルが高くなってくると4WPや2RPが決まらなくなってくるだろう。その場合はヒートバーストを使ってでもヒートに入って8WPを食らわせてやろう。

アズセナ

ヒートスマッシュが発生が速く高性能。ヴィクターと似たようなパワクラでヒートに行けるが、やはり高レベルの戦いで決まりにくくなったらヒートバーストを使ってヒートに入り、ヒートスマッシュを一度は試合の中で打ちたい。

ヒートスマッシュが発生13フレームの中段で超高性能。また、壁コンボが固有の締め技を繰り出すことが出来、鬼減るのでヒートの狙いはその2つ。特に壁は意識したい。ヒートへの入り方は発生13フレームの剛掌破WPが決めやすい。多少確反を貰っても狙う価値がある。

ドラグノフ

ヒートスマッシュが高性能だが、抜けられないマウントタックルも使ってみると面白い。ヒートへの入り方が少々難しい。試合中盤以降はヒートバーストを使ってヒートに入ろう。

終わりに

正直言って、ヒートシステムの使い方はリリ1キャラ使ってるだけではわかりませんでした。メインのリリは最高段位鉄拳王ですが、そこに至るまで殆どヒートシステムを使えてなかった。ただ、麗奈や凖を使っているとヒートゲージの使い方がわかってきました。ヒートの強さがキャラ毎に違うのは、このゲームの最大の難所だと思います。8から始まったシステムなので、古参プレイヤーも相手がヒートになったらわからん殺しのような状況になったのではないでしょうか。そういう意味ではヒートも最終的にはキャラ対で克服するべきものなのですが、今回はヒートシステムの普遍的なセオリー編ということで、まとめてみました。また、知見が増えてもう少し自分の中で整理が進んだら、加筆修正するか、第2弾を書くかもしれません。

それではグッド鉄拳ライフを!


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