あの頃のチャレンジがあってこその「今」
滋賀学園で教員をやっていた時代、中学3年間は教えていたものの、高校は別の学校を選んだ男子生徒がいます。
彼から今朝8時半過ぎに、こんなメッセージが届きました。
安居先生、おはようございます。ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか?
昨日Facebookにアップされていましたラジオ番組、拝聴致しました。文科省が定めた学習指導要領に基づいて進めていかなければいけない中、型にはまった教育で柔軟性を求めたくてもなかなか叶わい学校が多いであろうところ、先生が掲げられた自由な精神でアクティブラーニングを推進される姿勢に感銘を受けました。
私は入社して一年が経過し、夢であったホテルコンシェルジュの見習いのお仕事を現在させて頂けるようになりました。
こちらのホテルに勤務しておりますので、お近くにお越しの際はご連絡お待ちしております。
どちらかというと小柄で、誰とでも分け隔てなく接することができる、とても優しい性格の持ち主でした。控えめすぎて、誰もが好んでやりたがらないような雑事を押しつけられていたこともありましたが、そんな時でも黙々と、誰かのためになるならと笑顔でやっていた姿が、強く印象に残っています。中学から本格的に始めた硬式テニスにも一生懸命打ち込んでいました。
2014年、彼が高3の秋、Facebookで友達申請をもらいました。
お久しぶりです! 部活はもう引退して、毎日受験勉強頑張ってます。○○高校に来てからは、1・2年の時に英語スピーチコンテストに出場しました。2年の冬には英検2級も取りました。部活のテニスでは中学の時よりもいい成績が、最後の大会で残せたので良かったです。今度は第1志望大学に合格した報告が出来るように、頑張ります!
高校での努力を喜びながら「ぜひ、第一志望の大学に合格できますように。応援しています」と返事をしました。
その後2年あまり、彼の投稿に「いいね!」をする程度で直接のやりとりはありませんでしたが、2016年の6月、久しぶりにメッセージが届きました。
安居先生、いつもいいねありがとうございます。今日は先生にご報告したいことがあってメッセージをしました。
実はこの8月から来年の6月までオーストラリアに一年留学することが決まりました!
都市はメルボルンで半期を語学学校で、半期を現地の大学の授業を受ける形です。ホテルマンになるのが将来の夢で、メルボルンは大きな観光都市なので、ホスピタリティやツーリズムも学ぶつもりです。
Academic Smartを身につけると同時にStreet Smartをしっかりと学び、実りある一年を過ごしたいと思います。
彼の前向きな姿勢、目標に向かう努力を応援すると同時に、最後の一文に感激しました。滋賀学園で幾度も語っていた「Street Smart」を実践しようとしてくれていたことが、何よりも嬉しかったから。
メルボルンは、教員になって最初に勤めた学校の海外研修先として自ら開拓した街で、郊外のメントーンにある学校と姉妹校提携を結びました。何度も足を運び、その街並みといい、人々の雰囲気といい、オーストラリアの中でもイチオシといってもいいほどお気に入りのところです。
そんなこともあって、彼の留学を我が子のような思いで応援したくなりました。
彼からは、中学2年次にニュージーランドに留学したことが、決め手の1つになったこと。あの時は短期だったが、今度は大学生として1年間頑張りたい。また滋賀学園に伺うので、その時は是非ともよろしく・・・との返事がきました。
2017年4月、彼が留学報告に来てくれる前に、僕が滋賀学園から沖縄へ移ることになりました。彼からは、こんなメッセージが届きました。
安居先生、おはようございます。FB拝見しました。
滋賀学園で11年間お勤めお疲れ様でした。新天地の沖縄アミークスインターナショナルスクールでご活躍されることをお祈りしています。
その後はお互い、Facebookで動静を確認し合う程度の関係でしたが、彼がホテルマンになろうと心身を磨き、多くの人から学びながら、経験を積み重ねていることが伝わってきていました。
そして、今回の投稿で知り、久しぶりに声を聴いてくれてのメッセージ。
毎日会っている間柄ではありませんが、こうやって先生・生徒という関係で出会ったことから始まる「縁の素晴らしさ」。その中で日々成長し、人生を歩んでいる生徒の生き方を通して「自分の生き方を見つめ直せるありがたさ」に、改めて気づかされました。
ぜひ、ホテルに彼を訪ねたいと思います。
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