靴の選び方・履き方
初めまして!
理学療法士のやすいどんです!
さっそく本題ですが皆さんは、靴を購入するときに何か意識していることはありますか?
最近ファッション的な意味合いで靴を購入する方がほとんどだと思いますが、靴選びや履き方に少し気をつけるだけで、歩きやすい靴に巡り合いますし、今持っている靴も歩きやすくなるかもしれません。
靴について理解を深めながら快適に外出できるように、わかりやすく書いていきますね!
靴選び間違っていませんか?
靴屋さんにいくと素敵な靴ばかり…
ただこんなに陳列されていると、どの靴を選んでいいのかわからない…
どんな靴を選べばいいんだ!?
こんな経験はありませんか?
欲しい靴があればいいのですが、いざ買おうとした時って迷ってしまいますよね。
最初の質問に戻ります。
「靴を購入するときに何か意識していることはありますか?」
ここが非常に重要となってきます。
私は理学療法士という仕事柄、足や靴に悩みを持つ方と接する機会が多く、
よくこの質問をさせて頂きます。
大体まとめると
・幅が広い靴
・柔らかい靴
・軽い靴
・少し大きめの靴
・脱ぎ履きしやすい靴
・日本人の足型にあった靴
この辺りが多いように感じます。
特に、「日本人の足型にあった靴」というのが多い印象です。
1つでも当てはまった方はいらっしゃいますか?
…実はこの選び方は間違いなんです。
なぜならば、人それぞれ足の形が異なるからです。
「日本人の足は幅広甲高だ。」という言葉を耳にしたことはあるかと思いますが、
自分の足は幅広甲高だとはっきり言えるでしょうか?
この部分は中々先行意識が働きやすく、簡単に考えてしまいがちです。
それが靴選びの落とし穴です。
じゃあどうすればいいの?ってなりますよね。
ここで重要な靴選びのポイントは3つあります!
スニーカーでも革靴でもどんな靴においても共通する内容となります。
①踵周りがしっかりしていること
これ一番重要です!!
人が歩く際には、踵から地面に接する方がほとんどだと思いますが、
踵周りが柔らかいと、地面に接地した際に踵のブレが出現しスムーズな歩行を
行いにくくなります。
店頭に行った際には、気になっている靴でもいいので、踵の硬さをチェックしてみてください!
上の画像では、踵を握った際に、ペチャっと潰れるのに対して、
下の図ではしっかりと形状を保っています。
この部分は、ヒールカウンターといって少し硬い素材が入っているのですが、
この硬い素材が入っていないケースだと潰れてしまいます。
街で歩いている人を眺めているときに靴の踵を潰してしまっている方を
よく見かけます。
靴の踵は靴の命と言えるくらい重要な場所になるので、靴の踵を潰してしまっては
スリッパを履いて歩いているような感覚と同じくらいになってしまいます。
そのため、必ず靴の踵はチェックしてくださいね!
②前から1/3の位置で曲がること
歩くときは上の画像のように前方から約1/3の位置で曲がるような靴が理想的です。
靴のソールにはシャンクと呼ばれるものが挿入されており、足と適合する位置で曲がるように設計されています。
また、この前方から1/3の位置で曲がる部分のことをボールジョイントと言います。
靴の中にはシャンクが挿入されていないものもあり、そのような靴は横から潰すと中央で曲がることが多いような印象です。
(シャンク、ボールジョイントの詳しい内容については割愛させて頂きます)
自分の足と適合しているかは、実際に履いてみての確認が簡単ですね!
背伸びのしやすさで確認してみましょう。
ご自身の足と靴の適合がいいほど、踵を持ち上げた時の違和感が少ないです。
チェックする流れとしては、
前から1/3の位置で曲がりやすいかどうか➡︎背伸びがしやすいか
これがいいと思います!
③靴の機能が目的とあっていること
これも非常に重要です。
登山をする時ビーチサンダルは履きませんし、
マラソンをするときに登山靴は履きません。
靴はそれぞれ目的に応じて機能を有しています。
細かい靴の機能はここでは割愛させて頂きますが、共通している重要な機能は
大きく、8つになります!
・衝撃吸収性
・安定性
・通気性
・フィット性
・軽量性
・グリップ性
・耐久性
・屈曲性
これらとなります。
靴を選ぶ際に、どのような目的でその靴を購入するか?を確認することで
靴選びはグッと行いやすくなります。
例えば、ランニングシューズが欲しい!となれば、
通気性や軽量性、屈曲性に優れた靴を購入しようという視点になりますし、
バスケットボールシューズが欲しい!となれば、
衝撃吸収性やグリップ性に優れた靴を購入すると思います。
また、上記の機能は反することもあります!
例えば、軽量性などに特化したシューズを選択してしまうと、
その分耐久性が悪くなってしまう…など
最近は素材の変化により機能的なシューズも増え、この辺りの懸念点も払拭されつつありますが、
靴を購入する目的から確認してみてください!
まとめると、靴選びのポイントは3つ!
①踵周りがしっかりしていること
②前から1/3の位置で曲がること
③靴の機能が目的と合っていること
これらをチェックしてみてください!
ただ、大前提に一つ忘れているポイントが…
そうです、サイズです!
自分の足サイズをチェックした上で靴を購入しなくてはなりません。
次は足のサイズチェックについてです!
足のサイズは何センチ?
靴屋さんに行き、靴を購入するときに、自分の足のサイズは大体把握しているかと思います。
ただ、そのサイズはいつ測りましたか?
実際のサイズと思い込みのサイズでは誤差が生じやすいため、注意が必要です!
実際の現場では、
自分は24cmだと思っていたのに、計測すると22.5cmだった!
このように誤差が生じることは多いように感じます。
靴のサイズは大きく分かれて3つあります。
皆さんがお話しするような、〇〇cmだけではないのです。
このサイズについて説明していきますね!
①足長
いわゆる皆さんが把握されている〇〇cmのことです。
メジャーなどを使って計測してください!
計測方法は、人差し指から踵の中央を結んだ線と平行になるように一番長い部分を
測ります。
人によっては親指が一番長い人もいれば、人差し指が長い人もいます。
一番長いところを測りましょう!
ちなみに内側(親指側)から計測した方が測りやすいです。
なぜなら大体の方が、親指か人差し指が長い方がほとんどだからです。
足長は立った状態(荷重位)で測定してください。
この足長は、靴サイズの基準になるため、確実に計測してください。
②足幅
その名前の通り、横幅のサイズを測ります。
これは、親指(母指球)の端から小指(小指球)の端までの長さを計測します。
ここで注意しなくてはならないのが、
先ほど計測した足長の基準線(人差し指から踵の中央までの線)と
垂直ではないので気をつけてください。
こちらは立った状態(荷重位)と座って足を地面についていない状態(非荷重位)
で測定してください。
③足囲
こちらは足の周径となります。
オーダーメイドシューズを作成するときは詳細に測りますが、
今回は一箇所だけ計測します。
先ほどの足幅と基準は変わりませんが、
親指(母指球)の端から小指(小指球)の端を目印にグルッと一周測ります。
この時の注意点としては、計測する時にきつくなりすぎないこと。
皮膚にシワが見られるほど強く縛ってしまうと正しく計測できません。
こちらも足幅と同様、
立った状態(荷重位)と座って足を地面についていない状態(非荷重位)
で測定してください。
測り方はこれでOK!
この後に理想の靴サイズを出していきます。
ここで必要となるのが、JIS規格というものです。
ここからご覧いただければと思います。
足長の〇〇cmに対して足幅や足囲はワイズ(ウィズ)と言います。
足長を基準として足幅や足囲のサイズを出していきます。
大体表に出すとこのような形になります。
上記の例では、足の左右差が著明ですが、
基本的に大きい方のサイズで合わせていきます。
あくまで理想のサイズになるため、実際にフィッティングをしながら靴サイズを見ていくことをお勧めします!
ちなみに実際にブカブカの靴を履いていた方は急に適正サイズを履いてしまうと窮屈に感じてしまうことがほとんどなので、徐々にサイズダウンしていきましょう!
靴の選び方とサイズがわかれば、次は靴の履き方です!
正しい靴の履き方
靴のサイズが多少違っていても、正しい履き方を行うだけで見違えるほど歩きやすくなることもあります!
急いで家を出るときは靴を履いた後、つま先でトントンしていませんか?
実は、正しい靴の履き方は踵でトントンとなります!
これには理由があり、
つま先で合わせてしまうと、靴の中で足がずれ動いてしまうためです。
また、踵で合わせることにより、先述した靴の踵とフィットするため、歩行時の安定性が向上します。
ただ、これだけではなく、ひもの結び方も重要です。
下から順番に締めていきます。
つま先に近い方はキツすぎてしまうと歩く際に指が動きにくくなってしまうため、
フィットするくらいが好ましいでしょう。
また、足のアーチが高くなる部分(内側楔状骨や舟状骨)では、ややキツめに締めることで、足が靴の内部で前方へずれ動いてしまうのを制御できます。
ややキツめと言いましたがキツ過ぎてしまうと、足背動脈を圧迫してしまう原因となり、痛みが出やすくなってしまうため注意が必要です。
また足首に近いひもを結ぶ部分はフィットするくらいが好ましいです。
靴の形状にもよりますが、ここをキツく締め過ぎてしまうと足関節そのものを制限してしまい、動かしにくくなってしまうため注意が必要です。
また履き方も重要ですが、脱ぎ方も重要です!
脱ぐ際には、靴ひもを結んだまま脱いでしまう方がほとんどですが、
フィットした靴を無理やり脱ぐことで、靴の形状が変化してしまう恐れがあるため
必ず、ひもを解いてから、シューホール(ひもを通すところ)の2番目程度まで緩めましょう。
ひもを解くことで、靴を履く際に再度結ぶ必要性が出るため、
履き方にも意識しやすくなります。
大事な靴のためにお試しください!
最後は靴ひもの種類についてです!
もしこの履き方を行ってもイマイチ…そんなときは靴ひもを変えてみてください!
靴ひもの種類は大きく分かれて3種類です。
丸ひもは革靴などに多く、きつく縛りすぎると足に対して点で当たってしまうため
痛みが出現しやすいです。
その反面、耐久性が高く固定性に優れています。
平ひもは丸ひもに比べて足に対して面で捉えてくれるので
フィット感は得られやすいですが、その反面ガッチリ固定してくれるような感覚はないです。スニーカーなどに多いですね。
平丸ひもは先述したひもの中間の機能を有します。
いい意味で、二つのメリットを兼ね備えている。
悪い意味で、中途半端な機能。
スポーツシューズによくみられます。
靴ひもにもこだわってみると、さらに歩きやすくなると思います!
まとめ
今回は、靴の選び方・履き方を中心に書かさせていただきました!
大事なのは固定概念や思い込みに振り回されないことだと個人的に思います。
よく〇〇のメーカーがいいよ!など噂を聞きますが、実際に店頭で試着してみないとわかりません。
また、値段が高い方がいい靴というわけでもないです。
その人にとっていい靴でも、あなたにとっていい靴とは限りませんから。
今回の記事を機に、靴について少しでも興味を持ってくれたら幸いです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
参考文献
1)塩之谷香:足のトラブルは靴で治そう ようこそ 足と靴の外来へ!,中央法規出版,2005
2)渡辺鮮彦:一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?,株式会社クロスメディアパブリッシング,2017
3)坂口顕:理学療法士のための足と靴のみかた,文光堂,2013
4)西村泰紀:その靴痛くないですか?あなたにぴったりな靴の見つけ方,株式会社 飛鳥新社,2016
5)西脇剛史:おもしろサイエンス 足と靴の科学,日刊工業新聞者,2013
6)内田俊彦:靴合わせ、靴選びのウソ・ホント.靴の医学28(2):176-179.2014