有田・波佐見のいま
6月4日、コロナ以降初めて近場ですが出張で産地に訪れることができました。
有田、波佐見。
ゴールデンィークには毎年開催される「陶器市」が延期となり、聞くところによると陶器の産地だけでなく周りの(嬉野など)旅館などにも大きなダメージがあったようです。
コロナ後、初となる産地訪問ということで感じたことを率直に書いてみたいと思います。
コロナの影響はリアル店舗や百貨店の販路比率が高いものづくり企業からすると売上が7〜8割減というケースも少なくないようです。
下請けのメーカーさんや個人の職人さん、作家さんなどにもそのしわ寄せはあるのだが、産地が一体となり生産ボリュームのコントロールなどの手立てで伝統的技術が途絶えないように頑張っていました。
ただ、悪いニュースだけではない。
この状況下で産地には成功事例もしっかり生まれていました。
それは、ネットでの販売と海外との取引増加。
一つ目の「ネット販売」について、大きなきっかけになったのは「オンライン陶器市」。
僕らも展開してる陶器市の企画ではゴールデンウィーク期間中に他社展開のものも含めて全体で数億の流通規模になってるそうです。
この成功体験から産地の職人さんたちはネットで販売することに対してすごく意欲を高めていました。
モールへの出店、ECサイトの構築、クラウドファンディングの活用などなど、今やれることはなんでもやりたいとおっしゃっていたのが印象的でした。
僕が思う注意点としては、一過性のものにならないことだ。
産地に入って一時的に話題作りをしたりする人も多いようで、これは逆に産地を苦しめている。生産の見通しが立たない中でテレビなどのメディアに取り上げられることで話題となり、膨大な発注がおこる。
これほど効率の悪い生産はないので、なんでもそうだが一過性の取り組みにならないことを願っています。
なので、僕らとしてはCRAFT陶器市の企画を今後もずっとやり続けることを決めました。
二つ目の「海外の取引増加」について、この背景としては大胆なロックダウンを敢行した欧米の影響で商品が仕入れられなくなり、次に目を向けられるのが日本、韓国、東南アジアとなっている。その中でもやはりジャパンブランドの信頼は高く、世界のバイヤーが日本製品に改めて目を向けるきっかけになっていることは今後にとっても大きな事だと思います。
こういう時期だから何をやるべきか。
それは選ばれるブランドを作り上げることだと思いました。
物量とマーケティングで物を売りまくる時代はもう通用しない、
資本が厚い大手はまだやれるのだろうが、小資本の我々の戦い方では間違いなくないのです。
品質とファンの形成こそ、これから産地がより集中してやっていくことだと思いました。
品質とウソがない、すべて包み隠さずに見せることができる職人さんだからこそそこにコアなファンがついてくれるのです。
ここがこの業界の最大の強みなんだとずっと信じています。
時代はどんどん変化していく。
職人さんたちは現時点ではブランドをつくるノウハウは持ってないですが、これはどんどん変化・進化していくと考えています。
こだわり出したら僕らは職人さんたちには敵わない、そう思ってます。
このようなポテンシャルはグローバルまで視野に入れるとものすごく大きいと思っています。
職人さん=頑固で難しい、
そんなイメージはあんまりなく、ここまでずっと来ています。
どの産地も新しいことにチャレンジしようとする方々が増えていっている印象です。
日本ブランドを世界No.1にする。
僕らは日本ブランドを多く生み出すことに関わり、自らも生み出し、それを世界に向けて発信し、世界中でファンを抱えていきます。
同じ思想に共感することで生まれるこのコミュニティで、もしかすると世界をつなげることができるかもしれません。
ニューワールド株式会社
井手 康博
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