我が家で安心、ペットも安心! ペットシッターサービスの魅力と活用法
「急な用事でペットにお留守番をさせなくてはいけない…
留守中のお世話はどうしよう!」
急な出張や帰省、飼い主の入院などの事情で、このような経験をされた方もいると思います。また、誰もがそのような状態になる可能性もあります。
そのような場合に思いつくのが、以下のような対応ではないでしょうか?
信頼できる親族や友人に預ける
ペットホテルに預ける
私はこの二つの対応しか思い浮かばずに、ペットホテルを利用した経験があります。私の愛犬は自宅以外で過ごすことにストレスを感じる子だったので、預けている間はとても心配でした。
実はこの二つ以外にも、愛犬や愛猫がストレスを感じやすかったり、また介護が必要だったりする子でも安心して任せられるサービスがあります!
それが「ペットシッター」です。
この記事では、「ペットシッターってどんなサービスなの?」と興味を持たれた方に向けて、ペットシッター士の資格を持つエリーさんにお話をうかがいました。
緊急時のペットの世話について、準備が必要だと思われる方はぜひ読んでください。
エリーさんへのインタビュー
ペットシッターサービスの内容やペットホテルにはないメリット、ペットシッターの利用に向いているケースなど、エリーさんへのインタビューを通してご紹介します。また、エリーさんがペットシッターとして実現したい想いもお聞きしました。
今回お話をうかがった未来のペットシッター、エリーさん
~我が家で愛犬・愛猫をケア? ペットシッターサービスの魅力~
-ペットシッターについて、サービスの開業をめざしているエリーさんにお話が聞きたくて今回取材をお願いしました。どうぞよろしくお願いします。
はい、お願いします。まだ浸透していない感じがしますよね。私も全然知らない世界だったので。
ー最初にペットシッターとはどのようなサービスなのか教えてください。
はい。ベビーシッターを思い浮かべていただけると、わかりやすいと思いますが、ご自宅にうかがって飼い主さんに代わってペットのお世話をさせていただくサービスです。
ーベビーシッターのペット版といった感じでしょうか?
はい、そうです。
例えば急な出張で海外に一週間行くとか、法事で遠方に行くので飛行機に乗せる訳にもいかないとか、あとは急な入院とかなどがペットシッターを利用する主なケースです。
そのほか、シニアのペットがいる場合に、数時間出かけたいけど心配なのでと見守りをお願いされるケースも増えていると聞きました。
ー自宅にうかがってペットのお世話をするのですね。
お世話の具体的な内容はどのようなものがありますか?
ワンちゃんの場合はお散歩がメインですね。お散歩から帰ってきてご飯をあげたりもします。そのほか、お薬を飲ませたり、目薬をさしたりすることに対応しているペットシッターさんもいるようです。
ネコちゃんの場合はお散歩がないんですけど、トイレの砂交換とか、猫じゃらしで遊んであげるとかのお世話ですね。
怖がりの子も多いので無理に遊ばずに、ストレスにならないように見守って、安否確認のご報告をするケースも多いです。そんなネコちゃんでも、一週間経つ頃には一緒に遊べたりすることもあります。
ーワンちゃんとネコちゃんでは全然違いそうですね。
お薬に対応できるペットシッターさんは、特別な資格が必要ですか?
いえ、そういうことはないですね。
お薬に対応できるかどうかは、打ち合わせで相談になるかと思います。
今勤務しているペットホテルでもお薬の対応をしている子もいますが、すごく嫌がる事例もあります。ストレスにはなるけれど、どうしても飲ませなくてはいけないお薬なのか、それとも予防のお薬なので服用はせずストレスが少ない方を選びたいのか、などにもよりますね。
~我が家のルーティンを崩さない、愛犬と飼い主に優しいカスタマイズケア~
ー急な事情で世話ができない場合にペットホテルの利用も考えられます。
ペットホテルにはない、ペットシッターを利用するメリットはありますか?
はい、まずはお世話のカスタマイズが可能だということです。
主なものとしては、その子に合わせた食事の与え方やお散歩の仕方などの要望に対応することができます。
朝昼晩で3食あげて欲しいとか、お散歩はこの時間を避けて、この時間にして欲しいとかなどの細かい要望に臨機応変に応えられる点が一番のメリットだと思います。
ペットホテルでは、小型犬や大型犬、成犬やシニア犬など、何十頭ものお世話をするので、ご飯や散歩の時間が決まっています。
例えば、大型犬だったら1,2時間散歩したいというのもあると思うんですけど、この子だけ別対応でというのが難しいかなと思います。
ーペットシッターの場合は、だいたい1頭のお世話ですか?
はい。多頭飼いの方は2,3頭一緒にお世話をしたりもしますが、同じご家庭の子なので臨機応変に対応できます。
ーペットシッターサービスの利用に向いているケースを教えてください。
他のワンちゃんや飼い主さん以外が苦手とか、触れるのが好きじゃない子はペットシッターの方が向いているかなと、個人的には思っていますね。
ペットホテルには、たくさんのワンちゃんがいるので、鳴き声や匂い、いろいろな音にも囲まれるので、相当なストレスになると思うんですよね。
実際にペットホテルにいるときに、ご飯を食べない子もいます。ケージのすみっこで丸くなって、ずっと大人しくしている子などは相当なストレスなんだろうなと思います。
ーそのような子はペットシッターには慣れてくれるのでしょうか?
犬のルールにしたがってペットシッターが努力をすれば慣れてくるという期待があります。
例えば、人の匂いを嗅いでいるときは邪魔をしないとか、近くに来てくれない子には身につけていた鞄や靴などを置いて嗅いでくれるのを待つとかのアプローチが大切だと、ペットシッター士の先生から教わりました。
ー初対面のときの接し方が大切そうですね。
そうですね。なので、最初の打ち合わせのときはワンちゃんやネコちゃんがいる状態で、飼い主さんと打ち合わせをするのが理想かなと思います。
飼い主さんがいないところに、いきなりペットシッターだけが行ってお世話をはじめると、「この人なに?」って警戒されるので。
ーペットシッターサービスが向いているケースをお聞きしました。
反対に向いていないケースはあるのでしょうか?
難しい質問ですね…
体力が有り余っていて、他のワンちゃんと思い切り遊ぶのが大好きな子はペットホテルでストレス発散っていうのもありかなと思いますね。
ペットシッターは基本的にお世話のときにしかいないので、ひとりでお留守番になる時間があります。
例えば、ワンちゃんだったら朝と晩にうかがってお散歩などのお世話をしたら、いったん引き上げてしまいます。その間はひとりでお留守番になるので、ストレスを発散するのが難しいかも知れませんね。
~愛犬家の味方を見つけよう!頼れるペットシッターの探し方~
ーお願いしたいと思ったときに、どのようにペットシッターを探すのがよいですか?
まずは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で発信されているペットシッターを検索する方法です。
個人でSNSを使ってペットシッターをやっている方がたくさんいて、お世話の様子を動画に撮って発信している場合が多いです。イメージが湧かない方、お世話の様子をチェックしたい方は投稿を確認するのもおすすめですね。私はInstagramでチェックしています。全国で動画を投稿しているペットシッターさんがものすごく多いです。
それ以外の方法として、ペットショップやペットホテル、動物病院と提携しているペットシッターさんが増えてきているので問い合わせてみるのもいいと思います。
ー掛り付けの動物病院の先生とかに尋ねてみるのもいいかも知れませんね。
ただ、ペットシッターさんを見つけて、情報として電話番号を載せていたとしても、その場で連絡が取れない場合があります。それは、お世話の最中だったりとか、移動で運転中だったりとかの時間が多いためです。
高齢者の方など、インターネットでの連絡が難しいので電話で問い合わせたい場合もあるかと思います。そのような場合は、お名前と電話番号、要件を留守番電話にメッセージとして残されるのがよいと思います。
~愛犬家の悩みに寄り添う エリーさんが描くペットシッターの未来~
エリーさんは現在ペットシッターの開業に向けて、ペットシッター士の資格を取り、動物取扱責任者となるためにペットホテルで実務経験を積まれています。
「ご家族の闘病とシニア期に入った愛犬の介護が重なったこと」でペットシッターの必要性を感じたことが、ペットシッターをめざすきっかけになったとうかがいました。
ここからは、エリーさんのペットシッターへの想いをうかがっていきます。
ーエリーさんはどのような方をペットシッターとしてお手伝いしたいですか?
在宅医療を受けていらっしゃる方がいるご家庭をペットシッターとしてお手伝いしたいです。
家族が在宅医療を受けていたとき、もし愛犬の調子が悪くなっても動物病院に連れて行けないと思ったことがあります。
在宅医療を受けているご家族がいる場合は目が離せない厳しい状況の方も多いと思うので、愛犬が体調を崩しても動物病院に連れて行けない。その苦しい思いを解決する方法としてペットシッターがいるだけでも、飼い主さんの心を軽減するお手伝いができると思うので。
家族がお世話になった在宅医療を通してアプローチしたいと思っています。
ー開業後にペットシッターとして実現したい目標を教えてください。
シニアのワンちゃんの介護をされている方をお手伝いして、飼い主さんのメンタルの負荷を減らしたいという想いがあります。
実際にお友達に2年半くらい介護されていた方がいて、睡眠時間が3時間しかなかったと言っていました。自分が看なくてはという思いから、睡眠時間を削って介護されていると思うんですが、長く続くと体調を崩すときが来ると思うんです。
その話を聞いて、週に1回とか、1か月に1,2回とかでもいいので、私に預けてもらって、ゆっくり寝てもらう時間を作ってあげたいなと思いました。
人間と一緒で、ペットの介護も先が見えません。可愛いペットでも、「この状態が何か月、何年続くんだろう…」って、どうしても気疲れします。
ちょっとお休みしてリフレッシュする時間も必要なので、飼い主さんが元気にワンちゃん、ネコちゃんのお世話ができる状態になって欲しいと思います。
また、ペットシッターは、ペットや飼い主さんの不幸を少しでも軽減するためのお手伝いの力になれるとの思いがあります。
コロナ禍でペットを飼う方もすごく増えたのですが、同時に面倒を見きれなくなっている方の話も聞いています。「こんなハズじゃなかったな…」って思っている飼い主さんにペットシッターが入り込む余地があれば、悩みを聞いたり、どこかにつなげたりできると思います。
そういったケースでも、ペットシッターはご家族とペットの力になれる、お手伝いができるんじゃないかな。
そういうペットシッターという職業がもっと広まり、たくさんの人に知ってもらいたいと思います。
ーひとりでも多くの飼い主さんとペットが幸せに暮らせるように、エリーさんのペットシッターサービス開業を心から応援しています!
本日はペットシッターについての貴重なお話、ありがとうございました。
インタビューを終えて
エリーさんへのインタビューから、ペットシッターサービスについて以下のことがわかりました。
ペットシッターサービスの内容
ペットホテルにはないペットシッターサービスのメリット
ペットシッターサービスの利用に向いているケース
ペットシッターサービスの利用に向いていないケース
ペットシッターさんの探し方
また、ペットシッター開業という目標を通して、飼い主さんとペットの心に寄り添うエリーさんの温かい想いが伝わってくるインタビューでした。
ペットシッターはペットだけでなく、悩める飼い主の心の余裕を作ってくれる大切な存在になることを多くの方に知っていただきたいと思いました。
J-Net21の市場データ「ペットシッター(2024年度版)」注1によれば、ペットシッターの存在を知らない、サービス内容がわからないとの声もあり、ペットシッターはまだ身近なサービスになっていないとされています。
しかし、生活様式の変化、ペットや人間の高齢化が進む現代において、ペットや飼い主にとってペットシッターは必要なサービスだと私は感じます。
この記事が、ペットのお世話に困り、悩んでいる方々にペットシッターの存在を知っていただくことで、安心して利用できるサービスの選択肢に加わることを切に願います。
今回お話をうかがったエリーさんのブログはこちらです!
詳しいペットシッターのお話や、エリーさんの想いが綴られています。
ペットシッター業に興味を持った方は、ぜひエリーさんのブログを読んでみてくださいね。
参考:
注1)ペットシッター(2024年版)市場調査データ J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-pet2.html
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