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【NPO書評】耳が聞こえなくたって 聴力0の世界で見つけた私らしい生き方
フィッシュ・ファミリー財団が主催する、社会課題の解決に挑戦する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞」の関係で知り合った牧野 友香子さんの著書を読みました。
牧野さんは第5回チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞の大賞受賞者です。
生まれつき重度の聴覚障害がある牧野さんの自然体の奮闘記エッセイですね。
すごく面白く、どうなっていくのだろう、なるほどとうなずき、楽しんで挑戦していくこと大事だよねと思いながら、読み切ってしまいました。
幼いころから、障害があっても、友達と一緒にいたいという思いから、地元の幼稚園から小中高へと進学していきます。ご自身の半生を振り返ったエッセイですが、文字通り、普通に、自然体に人生を歩んできた様子が綴られています。障害があるからといって、家族も本人も制約することなく、自分が思った道を進んでいく姿に共感します。
ちなみに、牧野さんは式会社デフサポという会社を立ち上げ、全国の難聴の未就学児の教育支援や親のカウンセリング事業を行っている社会起業家です。難病のお子さんがいらっしゃいます。
耳が聞こえなくたって 聴力0の世界で見つけた私らしい生き方
2024/7/2
牧野 友香子 (著)
当事者の方が語ってくれる本を通じて、多くのことを学ぶことができます。
少し前に小説「デフヴォイス」を読んで手話の世界を垣間見ることができましたが、牧野さんは手話を使わずに、読唇術でコミュニケーションをしています。聴覚障害があるからといって、誰もが手話を使うわけではないそうです。本当に人それぞれの生き方、コミュニケーションの仕方があるのだなと思いました。
この本は、ロールモデルを見つけるための本だなと思いました。
障害当事者であり、社会起業家であり、難病のお子さんを持つ母親としての牧野さん自身がいろいろな側面でのロールモデルになっており、また、牧野さんの親御さんやパートナー、周囲の人のお話もロールモデルとしてとても参考になります。
読者の方もいろいろな立場の方々だと思いますが、勇気をもらえて、日常生活や人生のヒントがあり、様々な工夫とチャレンジを知ることができます。
読んでいて、元気をもらえる本です。
福祉に興味にあるNPO関係者の方にぜひ手に取ってもらいたい一冊です。
あと、NPOセンターの図書コーナーにもぜひお薦めです。
あらためて、牧野さん、出版おめでとうございます!
そして、素晴らしい本を出版していただき、ありがとうございます。