見出し画像

【NPO書評】もうバズらなくてもいい 新時代のSNSコミュニティの教科書

図書館の新着本コーナーで見つけたものです。
「SNSコミュニティ」というキーワードがタイトルに入っているので、とりあえず、これは押さえておかなければ!と思って、読みました。

SNSコミュニティなんて、どんどん新しい考え方が生まれてきますね。
本書は、ビジネスとして、SNSツールを使用したコミュニティをマーケティングとして活用するというものでした。
SNSやオンラインなどでよく話題になっていたインフルエンサーマーケティングや、オンラインサロンとは、まったく別物のSNSコミュニティでした。
それにしても、「コミュニティ」という言葉はいろんところで便利な言葉として使われて行っていますね。

もうバズらなくてもいい 新時代のSNSコミュニティの教科書
2024/7/2
大社 武 (著), 岡崎 智樹 (著)

本書でいうSNSコミュニティは、DiscordやFacebook、Slackなどのオンラインツールを使って、オンライン上でユーザーによるコミュニティ形成をして、企業やブランド、製品、サービスなどのファンづくりをしていくというものです。そして、ファンになってもらうだけではなく、そこでコミュニティを作って、ユーザー同士がつながっていくようなイメージです。

著者のお二人は、SHINSEKAI Technologiesはユーザーコミュニティを支援し、コマースを最大化する使命に情熱を注ぎ、コミュニティマネジメントを科学し、企業のビジネスを加速させている会社の方です。

本書の中でも語られていますが、いわゆるインフルエンサーがコアとなって行われるSNSでバズって売り上げを伸ばすとか、インフルエンサーが中心にいて彼・彼女らの発信を消費するオンラインサロンとはまったく違うものとして設定されています。
そういったカリスマ的な人が関わるというより、普通の人がビジネススキルとしてコミュニティを活性化する方法を身に着け、コミュニティをうまく回して、ユーザーやサポーターとなる方々に自主的に参加してもらうコミュニティというイメージです。
また、違うステージに来ていますが、よりNPO的なコミュニティに近づいている感じです。

その上で、最近のデジタルマーケティングと同様に、数字でコミュニティの状況を分析し、必要な施策を打っていくというものです。コミュニティというと定性的なものでしたが、定量的な側面でコミュニティを捉えています。しっかり数値目標などを設定する方法も解説されています。

また、「教科書」というタイトルの通り、具体的な実践書・ノウハウ本というより、入門書的にSNSコミュニティという概念を知るための本です。
まずはさくっとSNSコミュニティの概念を把握したい方にお勧めです。
ただ、実践しようと思うと、著者のようなコンサルティングやサポートがないと、効果を生み出すのには骨がかかるなと思いました。

新しい動向をキャッチアップしたいNPOの広報・ファンドレイジング担当者の方に、とりあえずお勧めします。


いいなと思ったら応援しよう!