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【NPO書評】ガチャガチャの経済学

一般社団法人日本ガチャガチャ協会の代表理事の方の本です。
オーディオブックAudibleで見つけて、面白そうだなと思って、読んでみました。
それほどの分量(約170ページ、オーディオブックで4時間ちょっと)ではないので、さくっと読むことができました。

著者は、ガチャガチャビジネスのコンサルなどをされている方で、自らガチャガチャに関する協会も設立されている方です。

山田は1970年代生まれなので、いわゆる「キン消し」世代です。
キン肉マン消しゴム、通称「キン消し」。
本書の中でも、ガチャガチャの第1ブームとして、「キン消し」が取り上げられていました。それ以降は、積極的にガチャガチャをやるという習慣はありません。
美術館で、芸術作品のグッズのガチャガチャに興味を持って眺める程度です。

ということで、最近のガチャガチャ事情はほとんど知らない中で読みました。
ガチャガチャ(カプセルトイ)の市場規模は約610億円。
バンダイとタカラトミーアーツの2代トップが市場の7割を占めている。
実際には約40社、ガチャガチャメーカーが存在している。
ここ数年は、20,30代の女性ファンが急増している。
彼女らをターゲットにした、ガチャガチャの専門店が登場し、全国各地に展開されている。
以前は、アニメなどのキャラクターものが主流だったが、コップのフチ子さんのブーム等で独自のグッズが展開されている。
1回100円から200円へ。最近は、300円や400円などの高価格帯のものもある。最高で2500円の金額設定もできる。
他に、キャッシュレスやネットで行うガチャガチャも。

いろいろとガチャガチャの世界が紹介されていましたが、一番印象に残ったのはガチャガチャはモノ消費ではなく、コト消費ということ。単なるグッズやおもちゃを購入するのではなく、何が当たるかわからない、シリーズでおもちゃを揃えてしまいたくなることなど、体験も大事にしているということが、なるほどでした。

ガチャガチャの経済学

2023/9/15
小野尾 勝彦 (著)

まったく知らない世界で、なかなか興味深いですね。
ガチャガチャのビジネス構造や歴史、ガチャガチャの中身に関する解説など、これ一冊でガチャガチャの世界がわかる入門書かつ専門書でした。
NPO的には、地域活性化でご当地物のグッズを製作して、ガチャガチャにしている事例が紹介されていました。

さらに、寄付の事例も紹介されていました。
被災地等のガチャガチャで、地域の名所などをグッズ化したガチャガチャで、売上の一部が寄付になっていることが紹介されていました。
しかし、寄付を取り上げるのなら、名古屋港水族館の「水族館deクルッと寄付」の事例を取り上げてほしかったですね。このガチャガチャでは、1回500円でガチャ方を回すと、生き物たちのエサ代になり、御礼に水族館オリジナルピンバッジがもらえるという仕掛けです。
寄付とガチャガチャの組み合わせも研究したいですね。

あと、ガチャガチャもSDGsの流れで、あのカプセルについて、紙製のものも開発されているそうです。
今度、ガチャガチャ専門店にフィールドワークに行ってきたいと思います。

ガチャガチャ好きのNPO関係者のみなさん、ガチャガチャの活用の研究のために、本書をぜひどうぞ。


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