【NPO書評】生きのびるための事務
前から気になっていた本がオーディオブックのAudibleになったので、読んでみました。
すごくよい本でした!
建築家・アーティストで、活動家の坂口恭平さんの本なので、実は福祉的な意味での「生きのびるための事務」という内容だと思っていましたが、まったく違っていました。
(坂口さんは、「自殺者をゼロにする」という目標を掲げ希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」という活動をしています。)
生きのびるための事務
2024/5/16
坂口恭平 (著), 道草晴子 (イラスト)
若き日の坂口さんが、やりたいことを仕事として実現していくために、それを「事務」というタスクに落とし込んで実践していくという内容です。
本書の中では、坂口さんが建築家になること、写真集『0円ハウス』を出版することなど、事務の蓄積で実現していった話が紹介されています。
とても、面白かったです。
何か目標やビジョンを持っているNPO関係者がそれを実現していくために、「事務」としてタスクを分解して実践していくノウハウとして、参考になるものです。
この本を読みながら、この「事務」という考えを実践していけば、いろんなことにチャレンジできる、実現できると思えるような内容です。
本書では、坂口さん自身の実践をもとに書かれていますが、いろいろな目標や仕事にも参考になる本です。
ところで、オーディオブックを聞いた後で、Amazonの紹介ページを見て知ったのですが、紙の本では二人の登場人物が会話をするという漫画仕立ての構成となっていました。オーディオブックでは、その会話をそのまま再現する仕立てになっていました。
よくオーディオブックになったなと思いました。
本書は坂口さんの若き頃の取り組みを追体験しながら、「事務」の大切さを学ぶことができる内容なので、面白く読みながら、実践的なノウハウを学ぶことができます。
いわゆる事務作業というような意味での「事務」ではありませんので、念のため。仕事の進め方やプロジェクトの進め方というものを着手するために、やるべきことを棚卸して、経験などがなくても手足を動かしていけるようにした作業を「事務」と言っています。
NPO関係者にも、きっと参考になるはずです!