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【NPO書評】生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ (講談社現代新書)
生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ (講談社現代新書)
2024/8/23
戸谷 洋志 (著)
こちらは、オーディオブックのAudibleでたまたま見つけて、読んだ本です。
内容を良く知らず、タイトルだけで選びました。
たぶん、福祉関係の本だと思って読み始めました。
でも、違っていました。
新進気鋭の哲学者による、「責任」をテーマにした思想書でした。
前半は、哲学思想から、これまでどのように「責任」というものが認識されてきたのかを体系的に解説した内容でした。その中で、昔から日本社会にある「自己責任」というものがどのように発生してきたのかもあわせて解説しています。
この前半部分だけでも、あらためて責任とは何かを学び、世の中で言われている自己責任論の正体を知る機会になりました。
後半は、本のタイトルにもなっている「弱い責任」の話へと移っていきます。
社会で生きていく上では、自己責任だけでは生きていく世界は非常に難しいこと。
別の誰かに頼ったり、引き継いだりすることで、責任が全うされる社会、つながりの関係がとても大切であることがよくわかります。
利他の心につながるものですね。
本書で語られる「責任」の哲学は、まさにNPO活動に通じるものがあります。
NPO活動の思想をブラシュアップするヒントの本として、NPOのみなさんにお勧めです!