【NPO書評】地域コミュニティ支援が拓く協働型社会: 地方から発信する中間支援の新展開
2024年の骨太の方針の中にも「中間支援組織」という言葉が使われていますが、あらためて「中間支援組織」とは何かを学ぶために読んでみました。
そもそも「中間支援」をテーマにした本自体が珍しいですね。
ちなみに、本書のタイトルでは「中間支援組織」ではなく「中間支援」という表記になっています。この辺が、現在の中間支援組織、もしくは中間支援の現状を表していますね。
中間支援という機能が、今まで中間支援組織と呼ばれてきた組織の専売特許ではなくなり、中華支援の機能や概念、考え方、あり方が拡張しています。
また、従来の中間支援組織も地域コミュニティの現状にあわせて、いわゆる「NPOのための中間支援組織」ではなく、その機能などが拡張しています。
地域コミュニティ支援が拓く協働型社会: 地方から発信する中間支援の新展開
2024/3/9
櫻井 常矢 (編集, 著)
正直に告白すると、あらためて「中間支援」がわからなくなりました。
正確に言うと、中間支援の固定された定義はすごくあやふやになりましたが、中間支援の多様性を理解することができました。
地域コミュニティの中で、行政の役割や機能が縮小していく中で、NPOや地域住民組織の役割や機能が拡張していく中で、それを支える役割の中間支援の役割や機能がいろいろ多様になっています。また、中間支援の役割を担う人や組織も拡がっているイメージです。
ということで、多様になっている中間支援、あるいは中間支援組織の最近の状況をキャッチアップして、中間支援のことを学ぶためにお勧めの一冊です。
本書は、トヨタ財団の助成事業で実施された「中間支援機能に関する研究会」の研究内容がもとになったものです。
16章からなる本書は、編集者である大学の先生から各地の中間支援組織の方などがそれぞれ執筆されています。
日本におけるNPOと中間支援組織の歴史なども知ることができます。
いわゆる施設型の中間支援組織から、東日本大震災等による地域コミュニティ支援の関係からアウトリーチ型の中間支援機能も発展していったことなど、ここ10年くらいの中間支援の変容もケーススタディなどを通じて、わかりやすく理解することができました。
本書の内容は、Amazonのページにある目次を読むだけでもイメージできると思います。
ぜひ、チェックしてみてください。