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【NPO書評】物語の生まれる場所へ

物語の生まれる場所へ
2024/8/8
木ノ下裕一 (著)

木ノ下歌舞伎の主宰者であり、劇作家の木ノ下裕一さんの著書です。
昨年、木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』を観劇に行った際に、休憩時間中にロビーで木ノ下さんからサインをいただきました。

一昨年に木ノ下歌舞伎の「勧進帳」を観に行ってから、木ノ下歌舞伎にはまっています。
その制作の秘密を垣間見たいと思い、本書を読みました。

『東海道四谷怪談』『道成寺』『義経千本桜』など、古典芸能の舞台となった土地を旅する紀行文です。
そして、あの「勧進帳」の舞台となった土地を訪問しています。源義経は他にも取り上げられているので、「義経記」を辿る物語になっています。

取り上げられている歌舞伎や能の演目の1/3くらいはあらすじを知っているものでした。でも、その舞台背景となる地域や名所のことはほとんど知らないので、すごく興味深く読みました。
現代日本であるその土地を訪問して、物語が生まれたいにしえの時代のその場所に思いを馳せて、演目の登場人物の感情を物語と場所の組み合わせで想像する。
すごい紀行文を読んでいます。
実際にその土地に行ってみて感じるところを文字にして、それを書籍で読めるなんて!
時間と地理を超えて、旅をしている気分になりました。

こういう切り口で古典芸能を知ることができるのは、本当に贅沢なことですね。
物語に対して、一気に解像度があがります。

現場訪問は大切ですね。
この点はNPO活動と共通しています。
現場を訪問して感じることの大切さ。

気になった方はぜひ読んでみてください。


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