【NPO書評】投資家と考える10歳からのお金の話
寄付の話題が出てくると知れば、読む。
これが最近の読書モットーです。
今回もそんな一冊です。
本書は子ども向けのお金の本です。
藤野英人さん率いる投資会社のレオス・キャピタルワークス株式会社のメンバーによる著書です。藤野英人さんも執筆者の一人です。
ある意味、お金のプロが小学生向けにどう解説するのか、興味津々で読んでみました。
タイトルに「10歳」と入っている通り、小学生にもわかるようにお金のことを解説しています。
お金の意味や歴史ということから、お金の使い方、そしてお金を得るということなど、いろいろなトピックスが盛り込まれています。
お金の意味、消費、収入という3つの大きなテーマで構成されています。
なるほど、わかりやすいですね。
投資家と考える10歳からのお金の話
2024/2/22
レオス・キャピタルワークス株式会社 ひふみ金融経済教育ラボ (著), 遠田 おと (著)
お金を使って、稼いで、流通させていくことによって、社会が回っていくことをマンガやイラスト付きで、とてもわかりやすく解説されています。
さて、寄付については、お金の使い方編の中で、消費の次に寄付のトピックスがあります。消費については10ページ、そして寄付については14ページを割いて、解説されています。充実の内容です。
寄付とは何か?ということを身近な事例をもとに説明されています。小学生にもわかりやすい導入です。寄付という言葉を使いつつ、ボランティアの時間の寄付の話しなども盛り込まれています。そこから、様々な寄付の方法や、寄付を集めている団体がどのような活動をしているのかも紹介されています。
そして、日本ファンドレイジング協会発行の寄付白書のデータを使って、日米の個人寄付の違いも紹介されています。大事な点ですね。
ただ、気になったのは寄付に関するサブテーマが「寄付は困っている人を助けるもの」という設定です。実際には、寄付の意義はもっと幅広いものなので、スポーツなどの応援や芸術文化の振興などの件もとりあげて、実はみんなが寄付の恩恵を受けている点も紹介してほしかったです。
でも、お金をテーマにした本で、がっつり寄付の解説もあるのは嬉しいですね。
ファンドレイザーのみなさん、ぜひ、チェックしてみてください。