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【NPO書評】発信する人のためのメディア・リテラシー

何かの拍子に知り合いが執筆していることを知って読んだ本です。

京都芸術大学でおこなわれた「情報リテラシー論」「情報学」の講義を再編集して、出版されたものです。大学の先生の講義ではなく、さまざまなメディアの第一線で活躍するゲストを講師にまねき、ゲストの講義内容をまとめたものです。
なので、学術的な専門的な話ではなく、メディアの現場の話です。さらに、講義なので、話し言葉でまとめられているので、とてもよみやすいです。さらにさらに、大学生向けの講義なので、若者が興味をひきそうな内容で、かつ入門的なレベルの話題で、わかりやすい構成になっています。

発信する人のためのメディア・リテラシー


2024/8/23
内田朋子 (著), 堤信子 (著)

政治報道、テレビ、ラジオ、SNS、ニュース配信、LINE、雑誌、出版社、テレビ局の企画、Webメディアなどなどがテーマになった連続講義です。
各回、現場で活躍されている方の話なので、紹介されている事例がどれも興味をひきます。具体的なノウハウというわけではありませんが、各メディアの考え方、情報を収集する際のヒント、あるいは発信する際のポイントなどが、各講義の中にちりばめられています。これは、勉強になりますね。
大学で、こういう講義を聞けるのはすごくよい機会ですね。

あらためて、メディアの特性や最近の動向などをキャッチアップするのによいですね。
また、大学の講義は新型コロナ禍でオンラインで行われていたので、新型コロナ禍の状況も反映したものなので、ちょっと懐かしさも感じます。

そうそう、この本を見つけたきっかけも「寄付」でした。
おそらく、寄付をキーワードでネット検索して、ヒットしたものです。
バレリーナで芸術監督もしている草刈民代さんの特別寄稿がとても勉強になりました。
ロシアによるウクライナ侵攻の中で、キエフ・バレエのためのチャリティー公演を開催したことについて、主宰者である草刈民代さんご本人が詳しく、書かれています。
チャリティに取り組んでいるアーティストは多くいらっしゃいますが、アーティストご本人がチャリティについて書かれているのは結構珍しいですね。
当事者の思いがよくわかって、参考になります。

ということで、NPOの広報をやっていて、寄付も担当している方などは、メディアの特徴などをあらためて知るのに参考になる入門書だと思います。
各テーマの講義内容、それぞれ興味深いトピックスが紹介されているので、飽きずにさくさくと読めると思います。

お勧めは、文化放送の村田武之さんの『声がつくる「共感のメディア」』です!
村田くん、素晴らしい講義をありがとうございます。


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