【NPO書評】RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?
東京工業大学の中で、利他のことを研究している未来の人類研究センター。
利他に関する書籍もいくつか出版されています。
だいたいおっかけて読んでいました。
なんとなく利他のことが理解できてきたと思いました。
ただ、利他の本をいろいろ読めば読むほど、利他の沼にはまっている気がします。
逆に一周回って、最近は利他のことがよくわからなくなってきています(笑)。
そんなところで、また、未来の人類研究センターによる利他の本を見つけてしまいました。
所属している大学が東京工業大学ということもあり、今回は利他とテクノロジーです。
読んだ印象は、利他の概念はひとくくりにはできないものということでした。
いわゆる寄付のようなお金に限定した利他であれば、イメージしやすいです。
それ以外も含めた、自分のためではなく他人のための行動に広げていくと、いろんなものが包括されていく感じがします。
RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?
2024/2/22
未来の人類研究センター (編集)
利他を行動として捉えるのではなく、概念として捉えていくこと。
いろいろな人間の行動の中に利他の概念を含まれていること。
そういう立ち位置で考えていくことが、利他を理解することの近道だと思いました。
なので、本書のテーマも、人間の行動を代替する「テクノロジーに利他はあるのか?」というところにつながっていると思います。
但し、本書を読んでも、すっきり「利他とはこういうものだ!」という正解は得られないと思います。利他の幅広さと、いろいろなところに利他の概念は存在しているということが実感できると思います。
Amazonの書籍紹介ページに掲載されている目次を見てもらえれば、本書で取り上げられているトピックスの幅広さがわかります。一見すると、このトピックがなぜ利他に関係するのか不思議に思えてきます。
利他マニアのみなさん、ぜひ、本書もチェックしてみてください。
本書は未来の人類研究センターが主催した「利他学会議」のレクチャーやディスカッション、その他のセミナーなどのものをもとに再構成し、一部書下ろしを加えたものです。なので、内容は事例も豊富にわかりやすく、読みやすい内容でした。