【NPO書評】富の活動/安田善次郎・著
東大の安田講堂といえば、みなさん、名前はよくご存じだと思います。
この安田講堂は、明治の実業家の安田善次郎による寄付によって建設されています。
安田善次郎は安田財閥の祖で、安田銀行(後の富士銀行、みずほフィナンシャルグループ)や、現在の損害保険ジャパンやの明治安田生命などを設立した人です。
この安田善次郎もすごい慈善家ということで、この人の読んでみました。
(今回も、オーディオブックなので、正確には聴きました。)
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安田 善次郎 (著), 那波一寿 (ナレーション),
本の紹介の前にWikipediaの紹介が、まさに山田の好みなので、先にご紹介します。
『東京大学の安田講堂や、日比谷公会堂、千代田区立麹町中学校校地は善次郎の寄贈によるものであるが、「名声を得るために寄付をするのではなく、陰徳でなくてはならない」として匿名で寄付を行っていたため、生前はこれらの寄付が行われたことは世間に知られてはいなかった。東京大学の講堂は死後に善次郎を偲び、一般に安田講堂と呼ばれるようになる。』
東大の安田講堂は知っていましたが、日比谷公会堂も安田善次郎の寄付とはまったく知りませんでした。
こんな人ですから、安田善次郎の著書はかなり気になります。
どんな慈善活動、フィランソロピーが展開されるのか?
と、読み進めましたが、まったくその辺の話題は出てきませんでした。
富山藩の下級武士の家の出身の安田善次郎が、幕末に家出をして江戸を目指そうとする安田少年の話から始まります。その後、江戸で奉公人になって、独立して商売を行い、銀行を設立したり、様々な事業に取り組んで、安田財閥の基礎を作り上げていきます。そういった半自伝の話しから、後半は人生訓、仕事術などの話しとなります。
明治時代の自己啓発本、ビジネス書のようなものです。
仕事術は、どの時代も変わりませんね。
丁寧に仕事(商売)をすること、目的をもって覚悟を決めて仕事や事業に邁進すること。今の自己啓発でも書かれているような内容を明治時代の商売や風俗を素材にわかりやすく説明されています。
ちなみに、オーディオブックでは、この本と一緒にこちらの本を読んでいました。
『ポジティブが足りない! 人生が思い通りになる「運」のつかみ方』春木開 (著)
こちらは、令和の仕事術・人生訓です。
でも、安田善次郎の本も、春木開さんの本も、本質は同じでした。
チャンスをみつけて、ガンガン行こうぜというお話でした。
安田善次郎の本では勤勉実行、春木さんの本ではポジティブ。
モットーの違いはありますが、どの時代も若くして事業を興して、人生を切り開いていくことは精神が同じ。
オーディオブックのサブスクだからこその偶然の本の出会いでした。
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