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【NPO書評】90歳までに使い切る お金の賢い減らし方 (光文社新書)

「お金」に関する指南本はいろいろな本がありました。
50歳本シリーズではいかにお金を増やしていくのかという本が多かったです。
最近は、中高生や若者向けのお金の意義や役割などを解説した本も結構出版されています。
そんな中で本書は、「お金の増やし方」ではなく、お金を人生のステージにあわせてどう使っていくのかということに着目して解説された本です。
珍しいです。

今回もオーディオブックのAudibleです。
12月の寄付月間にあわせて、寄付っぽい話がある本にあたりをつけて読んでみました。
がっつり、寄付の話題も出てきて、当たりでした!
しかも本の収益の一部は寄付する予定とのこと。
寄付つき本でした。

著者はもともとは大手証券会社で働いていて、今は経済コラムニストとして活躍され、著作も多数出版されています。

本書の内容は、世の中で言われている老後の資産形成についての誤解を解き、過剰な不安を払拭し、人生後半をお金に振り回されずに豊かに生きていくための指南書です。
投資などのマネー指南書とは一線を画したものなので、その手の避けていた方にもぜひお勧めしたい一冊でした。

90歳までに使い切る お金の賢い減らし方 (光文社新書)


 2023/3/15
大江 英樹 (著)

そして、寄付の話です。
本書の中でも、「お金の賢い減らし方」の一つとして寄付の話題が度々出てきます。
その中でも第4章「第4章 お金の使い方、減らし方――お金を使って豊かになる」では、一つのトピックスとして目次のタイトルにも寄付のことが載っていました。
お金の本で、ここまで寄付について紹介されているのは珍しいですね。
Well-beingとして寄付の効能や、社会に役立っている寄付について解説されています。さらに、非営利組織の間接費問題(人件費等に寄付が使われることをいやがる寄付者もいる)についても、しっかり説明してくれています。活動を行っていく上では必要な経費で、それがなければ、活動の現場に寄付が届かないということを解説して、寄付だからこその大事な視点を紹介してくれています。
寄付のトピックスが載っているマネー本はいくつかありますが、こういうことまでちゃんと説明してくれているのはほとんどないと思います。
また、寄付のトピックスの中で、ご自身でされている寄付のことや、この本の印税の一部も寄付する予定などが紹介されていました。
素晴らしいですね。

NPO関係者のみなさんも、業界関係者以外の視点で、寄付についての感覚を知るためにぜひチェックしておきたい本です。
そして、お金のことをあらためて考えるきっかけになる本です。


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